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ネジレコネクション  作者: 刺片多 健
10/128

駅前のカフェ 『店主の場合』


--- 午後 ~ピーク過ぎ ---



だいぶ落ち着いてきたな・・・


カランカラン♪


「いらっしゃいませ」


ほほう若い女性二人組か。

10代の友達同士ってとこだな。

一人はロングヘアーで活発そうな子。

もう一人はおさげ髪でメガネとマスクでおとなしそうな子だ。


私はこの店のオーナー。

趣味は人間観察。

その人の身なり、

小さな仕草、

笑い方、

話し方。


この店をオープンして約20年。

様々な人たちを見てきた。

なんとなくの職業や関係性なら当てることができる。

と自負している。


だが、まだ分からないこともある。

そこが人間観察の面白い所だ。

だから私は今日も観察する。

人それぞれの人生を想像するのが私の小さな楽しみだ。




--- 20分後 ---



カランカラン♪


「いらっしゃいませ」


お、今度は女性一人か。

オレンジのキャップにマスクにサングラス。

重そうなリュックを背負ってる。

ちょっと怪しい雰囲気だな。

一見、若く見えるがここまで隠してるとよくわからないな。




--- 5分後 ---



カランカラン♪


「いらっしゃいませ」


さて次は、

なッ!!


何だ!!


唐笠?

いや違う時代劇!

時代劇でかぶってるヤツだ!

何だ?

撮影か?

動画を撮ってネットに流すヤツか!?

いや違う!

何も持っていない!

手ぶらだ!

なんだ!

何の目的だ!?


いかん!同様してはダメだ!

私はオーナー。

このカフェの主だ!

落ち着け・・・


な!

なにぃー!!?


待ち合わせ!?

女性二人の席に座るだと!!?

どういうことだ!?

あの二人とどういう関係なんだ!?


ダメだ!

落ち着け・・・

この20年間の人間観察でつちかった経験をもとに考えろ!


考えるんだ・・・!


・・・・。


わ・・・分からん。


とりあえず時代劇の男からオーダーをとろう。


「あ、えっと、コ、コーヒー、ください」


そうか、この男コーヒーか。

てっきり緑茶とまんじゅうでも頼むかと思ったが・・・

てか、クサ!

なんかこの男スっぱ臭いぞ!


クソ、参ったな・・・

客は選べない、か・・・


私はオーダーのコーヒーを作り始める。


3人とも一応知り合いみたいだな。

変なのかぶってる時代劇の男も若いな。

全員10代か。

窓際のおさげの女の子はうつむいたまま会話には入っていないな。

手前の女の子と変なのかぶってる時代劇の男が時々話してるようだな。


あ、

三度笠!


思い出した、三度笠だ!

あの男がかぶっているのは三度笠だ!


よし、コーヒーができた。


「お待たせしました。

 コーヒーです」


私は出来立てのコーヒーをテーブルに置き、

空になったカフェオレのカップをカウンター内へと持ち帰る。


以前テレビで見たな・・・

なんとか紋次郎・・・


そうだ!


木枯し紋次郎だ!

紋次郎がかぶってた奴だ!




カランカラン♪


「いらっしゃいま、」


何だ!?

次は何だ!?


ヘルメット!?

フルフェイスを被った男が、


何!!!?


拳銃!!!?


えー!!?


「か、金だ!金を出せ!」


ご、強盗だ!!


どどうすれば!!

落ち着け!

私は主だ!

このカフェのオーナーだ!


ヤバ!!

店の中でちょっと悲鳴が上がってる!


カウンター席のサラリーマンが逃げる。


「おい!ちょっと待て!!」


強盗が叫ぶ。


カラカン♪


ドアノブを掴んだサラリーマンが止まる。

ひぃぃぃ~って顔をしている。


「おい!こっちにこい!」


脱出を諦めたサラリーマンが戻ってくる。


「くっそ!

 全員うごくな!!」


強盗が拳銃を振り回し全方向に威嚇する。


「いいか!

 今からスマホを回収する!

 全員テーブルの上にスマホを出せ!!」


強盗がヘルメットのシールドを少し開け大声で叫ぶ。


「お前!

 早くこの中に金を入れろ!!」


強盗が私に向かって黒い鞄を投げる。

私はレジを開け売り上げ金を入れる。


強盗が警戒しながら脱出に失敗したサラリーマンに近づく。


「お前からだ!!

 スマホを出せ!早く!」


強盗のスマホ回収作業が始まった。

カウンター席の客から順に集めている。

3人分のスマホを集めると今度は窓際のテーブル席に移動する。

強盗がレジの前を横切るところで私が声をかける。


「あの、小銭もですか?」


「全部だ!!早くしろ!!」


私は小銭を鷲掴みにし、

強盗に向かって力任せに投げつけた。


うりゃ!!!

ジャラララシャリイーン!!


「な、何すんだてめー!!!」


強盗がよろめく。

私がさらに小銭をつかみ再び投げつけようとした時、


彼が、現れた・・・


木枯し、紋次郎・・・




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