転生
今から約8000年前。古の時代。
魔王城では1人の魔王と英雄とその仲間の魔法使いが戦っていた。
「死の淵から這い上がってこい【デスパレード!】
魔王がそう叫ぶと地面に亀裂が入り、そこから約500体ほどの骸骨が出現する。
「なんて量だ。」そう言って頭を抱えているのは英雄ステインと共に旅をしていた魔法使いトルトだ。
しかし、金髪で澄んだ青色の目をした英雄ステインは余裕そうにしていた。
「ちょ、なんでそんなに余裕そうにしてるんですか!?」
魔法使いトルトが叫んだ。
「実は試したい魔法があってな、もしかしたらその魔法で骸骨を吹き飛ばせるかもと思ったんだ」
「本当にそんなことできるのですか?」
トルトは期待などしてないよというような目でステインを見ている。
「あぁ、本当だとも。しかし、その魔法を使うには準備がいるんだ。トルト、俺にバフをかけてくれ」
「分かりました。なんのバフをかければいいのですか?」
「属性ダメージアップのバフをかけてくれ」
「なに属性のバフをかければいいのですか?」
「全部の属性だ」
「ぜ、全部ですか!?」
トルトは驚きすぎて頭が混乱している様子だった。
「分かりました。全部かけますから少し待っててくださいね」
そしてトルトは一つ一つバフをかけていく。
「できましたよ!やっちゃってください!ステインさん!」
ステインは、ニヤッと笑ってこう叫んだ。
【虹色の聖剣!!!!】
とてつもない光と衝撃が骸骨の軍団に向かっていき全ての骸骨を吹き飛ばした。そして魔王のHPも残り3割まで減っていた。
「やりましたよ!ステインさん!すごい威力ですね!」トルトは無邪気な子供のように騒いでいた。
そしてステインは心の中で驚いていた。
(え?強くね?こんなに強いの?え?え?)
その頃一方、魔王は・・・・・・
(待って、負けそうなんだが。あれ?英雄強すぎない?しかも・・・・・・ちょっとかっこいい)
そう、この時に魔王は考えたのだ。生まれ変わったら英雄になろうと。
「これでトドメだ。魔王」
ステインは剣を両手で上に構えて叫んだ。
「くっ、ここまでか」
魔王は、そう言葉を呟いた。
しかし、実際は違うのだ。魔王は他にもたくさんの魔法を使うことができ、その中には【全体力回復】や【メテオストーム】などのチート級のスキルを持っていたのだ。
なぜ嘘をついたのか。その理由は1つ。早く生まれ変わって英雄になりたかったからである。
そして、ステインの持っていた剣は大量の光を纏っていく。
【破壊の聖剣!!!】
ステインの剣から出た光は魔王を包み込んでいく。
そして魔王は死ぬ直前にこう呟いた。
【転生】と。
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メテオストームなどの魔法は今後出てくる予定なので説明はその時に。