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17.獣が来りて炎を吹く_01

 -ゴトゴトゴトッガタッ!ゴットン!ゴトンッガタンッ!-


 やたらと揺れる車内。アタシは今、狭い覗き窓からほんの少しだけ光の入る薄暗い車両の中に座って、魔力で走る荷台戦車ことバヤールの中で揺られて乗っている。

 このバヤール、四方を金属製の壁で囲み、ご丁寧に天井まで付いている列車のような乗り物なのだけれど、何が困るって、


「ねえ!なんかこれめっちゃ揺れるんだけど!?」


 アタシは手すりに捕まりながら当然の疑問を後ろのマースに向かって叫んだ。何故叫んでいるかと言えば、普通に話していたら車輪の騒音にかき消されてまるで声が届かないのだ。


「手すりにしっかり捕まっていてください!油断してるとケガしますよ!」


 そんなアタシの疑問の叫びを聞いて、こちらも手すりに必死に捕まりながらのマースが答える。兎に角揺れる、跳ねる。それもそのハズ、このバヤールにはゴム製のタイヤなんて贅沢品は無く、金属製の車輪が付いていて、更に衝撃吸収的なサスペンションなんて近代的な機能も付いていない。そのクセにスピードは時速30キロ前後は出ているので、まあ当然のように乗り心地が言いワケが無い。外でこのバヤールの車輪を確認した時、アタシはこの乗り心地悪さの懸念はしていた。だがちょっとは魔術的なモノで快適に進んでくれるんだろうと楽観的に思っていたのだがアタシの予想は見事大ハズレした。

 加えて今向かっているシュベルホ村への道も、アスファルト舗装なんてされていない未舗装の地道だ。車輪が石を踏んづける度に車体がバウンドし、中のアタシ達ごと飛び跳ねる。よって所謂現代の旅客列車のガタンゴトンと揺れるような生易しいモノではなく、車体の中でシェイクされているような気分の揺れだ。


「うええー!ごめん千歳!これなら飛んでた方が楽だ!」


 -ドカッ-

 -バサァッ-


「ちょっ!?プレクトぉ!?」


 アタシの前で手すりに捕まっていたプレクトが揺れに耐えかねたのか、急いで席を立ち上がり走行中のバヤールの側面ドアを乱暴に蹴飛ばし開けて、プレクト自慢の翼を広げて空へ飛び上がって行った。

 プレクトは出発するとなった後、走るバヤールに乗ってみたいと言い出したのでアタシの前の席に座らせていたのだが、やっぱりと言うかなんと言うか、この揺れはダメだったらしい。


「うん!まあ気持ちはわかるけど!わかるけど!」


 アタシは滅茶苦茶に揺れる車内で踏ん張って立ち上がり、前方のプレクトが開けて行った扉の前に立った。


 -ドドドドドッ-


 開いた扉の外には地響きを鳴らしながらバヤールと併走する騎馬兵達が見えた。目の前にいた騎馬兵をよく確認してみれば、その騎馬兵はよりによってグレッグさんだった。グレッグさんは突然開いたバヤールの扉に吃驚している様子だが、アタシは昨日グレッグさんに、"アタシとマースの邪魔をしないで"と魔眼を掛けてそのまま放置しっ放し。今も恐らく彼はアタシの命令に従っているままだろう。


(そう言えばグレッグさんって護衛隊の隊長やるって言ってたっけ)


 アタシがマース達に保護された初日の夜、キートリーが"シュダ森の強行突破時の護衛はグレッグに任せる"と言っていたのを思い出す。アタシはそんなアタシ達を守ってくれる人に魔眼で強制的に命令を効かせっ放しなのに良心が少し痛んだ。ので、


「せめてドアは閉めてってぇぇっ!!せぇいっ!」


 -ガシイッ-

 -ギイィィッ-

 -バタンッ-


 アタシはプレクトが開けっ放しで出て行ったやたら重い金属製の扉を、手に気合とオレンジ色の闘気を込めて思いっきり引っ張って締めた。ただでさえシェイクされている走行中の車内で、金属製の扉が開いては閉まってはで動いて非常に危険だったのだ。本音を言えば、アタシの魔眼に操られっぱなしのグレッグさんの顔を見てるのが何となく気まずかったってのもあるけれど。


(指でも挟んだらどうしてくれる。あとグレッグさんごめん)


 アタシはプレクトの保護者兼ご主人様であるので、彼の不始末はアタシが責任を取る必要がある。彼の行動で誰かがケガをしただのなんだのでアタシが不利益を被るのは出来るだけ避けたい。そうならばアタシももうちょっとプレクトに厳しく当たればいいのだろうけど、成り行き上彼を引き取ったと言うか巻き込んでしまった負い目なのか、今だに強く言い聞かせるのが出来ていない。アタシがただ甘いのか、それとも腰が引けてるのか、まあ両方なんだけどさあ。

 そんなことを思いつつ元の手すりの位置に戻ろうとしていたら、


 -ゴトッガタッ!-


 バヤールがまた何かを踏んづけたらしく大きく跳ねて揺れた。


 -ぐらっ-


「っとあ!?やばっ!?」


 揺れた拍子にバランスを崩し、思わず転びそうになって声を上げるアタシ。

 そんなアタシを支えるように、さっと男の大きな手がアタシの腕を力強く掴んだ。


「ひゃっ?」


 それでなんとかバランスを持ち直したアタシ。情けない悲鳴を上げつつもその手に助けられた事を理解したアタシは、その大きな手の持ち主に向けて顔を上げる。


「ショーンさん!」

「千歳のねーちゃん!全力走行中のバヤールん中で突っ立ってるのは危険だぜぇ!?座っとけ!座っとけ!」


 アタシを見ながら口元をニカッとさせて笑うショーン。白く歯並びの良い彼の歯が見える。アタシは以外にも爽やかさ漂う彼の笑顔にドキッとしつつも、近くの手すりに捕まる。彼はアタシがバランスを持ち直したのを確認した後、すっと掴んでいたアタシの腕から手を離した。


「うん!ありがとう!」


 アタシはショーンに向けて笑顔でお礼の言葉を叫びつつ、近くの手すり伝いに元の席の位置に戻り座りなおした。


(ちょっとドキッとしちゃった。はは、アタシってチョロいなあ)


 ちょっと助けて貰っただけで相手の事をカッコイイとか思ってしまう自分のチョロさを自嘲しつつ、アタシは自分の席の手すりをぎゅっと掴みなおす。

 ショーンは昨日アタシが兵士達の前で悪魔化をやらかした時に、庇ってくれた数少ないボーフォート兵の内の一人である。別にそれだけで好意を向けるほどチョロくもないけど、少なくともアタシからの心証はとても良い。怖がらないで普通に接してくれる、今のアタシにとってはそれだけで十分。


「ショーン!さりげなくミス千歳を口説こうとは!抜け駆けはいけませんよ!」


 バヤールの斜め前方、ショーンの反対側の席に座っていたジェームズが後ろに振り返りニヤニヤした顔でショーンを揶揄った。

 ジェームズも昨日の悪魔化したアタシを見ても態度を変えずに庇い、普通に接してくれた一人だ。更にジェームズはアタシがマースを誤って吸精してしまった時に、治癒魔法でマースの命を助けて貰った恩もある。ショーンとジェームズ、彼らは信頼していい人達、少なくとも今のアタシはそう思ってる。


「ばっ!ジェームズ!ばかやろ!別に口説こうなんて思ってねえぞ俺は!」


 焦った風でジェームズの言った事を否定するショーン。


(そこまで否定しなくてもいいのに)


 ショーンに全力で否定されてちょっとガッカリなアタシだが、次に叫んだ人の言動で大体事情を察した。


「ショーン!今!千歳姉様を口説こうとしたのか!?ショーン!答えるんだショーン!」

「ちっ!?違いまさぁ!マース様!ただちょっと転びそうになってたねーちゃんの腕掴んで支えただけ!それだけ!」

「本当にそれだけなのか!?腕以外触ってたりしないだろうな!?」

「触ってねえ!触ってねえよぉ!!」


(ああ、そういうこと?)


 振り返れば後ろのマースがアタシを挟んで前のショーンを真剣な顔で声を張り上げて問い詰めている。マースはアタシやキートリー達以外の自分より身分の低そうな相手だと中々手厳しい言動を取る。貴族と言う立場上、周りの目もあってそう言う態度を取っているんだろうけど、今回のショーンへの対応は手厳しいと言う感じではない。マースの表情を見てみれば、プンスカふくれっ面をしていて何故か可愛げがある。


(嫉妬してる?んふふ、可愛いヤツめ)


 まあ、マースのアタシに対する行動は分かり易くて助かる。と、思ってニヤけていたら、別方向から援護射撃が飛んできた。


「ショーン!?お姉様を口説いたんですの!!??ショーン!!答えなさいショーン!!??」

「ちっ!?違いまさぁ!お嬢!!俺ぁそんなつもりは!!」


 アタシのいる車両の反対側、そこの手すりに捕まっているキートリーが何故か真顔でショーンを問い詰め出す。問い詰めるキートリーの表情は真顔ではあるがそれほど真剣さを感じないところを見るに、恐らくはショーンを揶揄っているんじゃないだろうか。とか思ってたら、キートリーはアタシに視線を向けながらニヤッと笑っている。弟とショーンを揶揄って遊んでるよこのお嬢様。

 と、キートリーのおふざけを見ていたら、さらに追撃が飛んで来る。


「ショーン!千歳様を口説いたのですか!?どういうつもりですか!?ショーン!!」

「サティ様まで!?違いまさぁ!誤解でさぁ!誤解!!」


 キートリーの後に居るサティさんまでショーンを問い詰めだした。ただサティさんも言動の割に口調がそれほど真剣ではない。キートリーと同じくその場のノリに任せてショーンを揶揄っている、そんな感じ。思った通り、サティさんはショーンに言うだけ言った後、口に手を当ててクスクスと笑っている。


「ははははは!」


 困った顔でマース達に弁明するショーンを見ながら、ジェームズが笑いだす。


「おいジェームス!てめえハメやがったな!?」

「ははは!っふ!ふはははは!!」

「笑ってんじゃねえ!このやろっ!」


 手すりに捕まったまま腹を抱えて笑うジェームス。と、そんなジェームスに怒って足元にあったポムの実の芯をジェームズに向かって投げつけるショーン。


「ははっ!おっと!?ハズレですよショーン!はははは!」


 ジェームズはショーンから投げつけられたポムの実の芯をサッと躱し、また腹を抱えて笑いだす。彼ら二人の関係はアタシはよく知らないが、このやり取りを見るに仲は良いのだろう。


(仲間ってやつ?いいなー、こういうの)


 彼らのやり取りを見てほっこりするアタシ。アタシがこんな気楽なやり取りできる相手はメグだけだ。だからこそ、アタシはメグをあのクラーケンの手から助けなければならない。メグを助けるのは勿論メグの為であるのは当然だが、加えてアタシ自身の為でもある。メグとの付き合いの長さはもう人生の半分近くになる。彼女のいない人生なんて想像もつかない。

 そんな事を思っていた矢先、ショーンの揶揄い仲間に更に援軍が加わった。


「口説かれた!?千歳!?口説かれたの!?」

「エメリー!?おめぇまで!?」


 アタシの頭上をヒラヒラと飛び回りながら、アタシに無邪気に事情を聞いてくるエメリー。


「ショーンは千歳サマみたいな女性が好みなのかにゃあ?」

「おいこらケリコ!お前まで乗って来るんじゃねえ!」


 前方中央で杖をバヤールの地面の穴にぶっ刺したまま操舵を行っているケリコまでが、ニヤニヤ笑いながら後ろを振り向きショーンを茶化す。


「ショーン!どうなんだ!?やっぱり千歳姉様を口説いたのか!?僕は、僕は許さないぞ!!」

「ショーン!どうなんですの!?ふふっ……マースっ……可笑し……っ」

「ふっ……ショーン!ふふふっ……マース様っ、クスクス……」


 相変わらずプンスカ怒ったままショーンを問い詰めているマース。マースの勢いに乗っかりショーンを問い詰める振りをしつつ、マースの子どものような嫉妬っぷりに笑いを堪えきれないキートリーとサティさん。二人ともマースの年相応の態度がちょっと面白い、そんなところだろうか。まあアタシも同じ、ちょっと面白い。


「あー!千歳のねーちゃん!助けてくれぇ!!」

「あはは!」


 エメリーの何の悪気も無い質問と、ケリコの揶揄い、ショーンの必死な形相も合わさってアタシは思わず笑ってしまった。とは言えそろそろショーンが可哀想になってきたので、アタシは誤解を解くためにエメリー達に説明する。


「違う違う!ショーンさんには転びそうになってたのを助けて貰っただけ!それだけ!あんまり虐めちゃダメだよ!あっははは!!」


 アタシは必死な顔でアタシに助けを求め続けるショーンが面白くて、笑いながらエメリー達の質問に答えた。


「そうなんだ」

「そうにゃの~?」

「そうなんですか!?」

「ですわよねえ、ふふっ」

「ですね、お嬢様、うふふ」


 そんなアタシの返答に素直に納得するエメリーと、クスっと笑いながらバヤールの操舵に戻るケリコ、叫びながら事実確認をしてくるマースと、そのマースを見てまた笑いを漏らすキートリーとサティさん。

 サティさんの後ろのパヤージュはそんなアタシ達のやり取りを見て、ずっとニコニコ微笑んでいた。


 そんな微笑ましい光景をぶち破るように、外で併走中の護衛の騎馬兵達から伝令の声が響く。


「2時の方向に敵影3!」


 その兵士達の報告を聞いて車内の雰囲気がガラリと変わって緊張感が増していく。


「続いて!11時の方向に敵影5!」


 -カチャッ-


 外の兵士から続報で敵の追加報告が入った。マース、サティさん、ジェームズ、パヤージュ、エメリーが各々の杖を両手に握り出す。ケリコはバヤールの操舵席で杖を掴んだまま、猫耳をせわしなく左右に動かして警戒している様子だ。ショーンは背中のバトルアックスでは無く、どこに用意していたのか大きなクロスボウを構えだした。キートリーは両手拳を闘気でオレンジ色に光らせながら握り、ニンマリ笑って立ち上がった。

 各々の戦闘準備と言う事だろう。アタシ?アタシはいきなり悪魔化する訳にもいかないので、とりあえずキートリーの真似をして、右手を握り力を籠める。


(よし、闘気は使える。戦える)


 闘気でオレンジ色に光るアタシの右拳。アタシの闘気の光はキートリーと比べれば弱い光だが、想定している相手、ゴブリンが相手ならこれで十分だ。

 そして後ろの席から声が上がった。


「位置的にもそろそろシュベルホ村が見えてくる頃です!」


 マースが声を張り上げながら状況を皆に伝える。


「ええ!やっと来ましたわね!各員!攻撃警戒!!窓から離れなさい!矢が飛んできますわよ!」


 キートリーの指示が飛び、サササッと席を離れ覗き窓から離れる各員。アタシも皆に合わせてバヤールの覗き窓から離れる。

 キートリーの指示が続いて飛ぶ。


「魔術師は今後の作戦を考え魔力を節約するように!攻撃魔術はいりません!負傷者の治癒に専念なさい!主な迎撃は外の護衛隊が行いますわ!ショーン!貴方はバヤールに取り付く連中だけを仕留めればよろしい!」

「「「了解!」」」


 相変わらずゴトゴトンッと激しく揺れる走行中のバヤールの中で、キートリーは見事なバランス感覚で仁王立ちしながら私達に向かって指示を飛ばし続ける。そしてキートリーの指示に了解と叫ぶ各々。


(よく訓練された軍隊みたいだあ。ってこの人達そう言えば普通に軍隊だっけ)


 アタシはすっかり忘れていたが、ここにいる人達は皆ボーフォートの兵士だ。よく訓練されているのも当然の事。兵士じゃないのなんて、アタシと、さっきバヤールを飛び出して空に飛び上がって行ったプレクトくらい。


(って、あっ!そうだ、プレクト、プレクト大丈夫かな?高いところ飛んでいてくれたら矢も届かないだろうし多分大丈夫だと思うけど)


 アタシはさっきバヤールを出て行ったプレクトの心配をする。プレクトはヴァルキリーの身体を持っているのでゴブリン程度には負けはしないのだけれど、それでも保護者としては心配だ。なのでついバヤールの覗き窓から顔を出し、プレクトの様子を確認しようとするアタシ。

 アタシが覗き窓から外を見てみれば、グレッグさん達、併走中の護衛の騎馬隊が、片手に手綱、もう片手にちょうど30cmくらいの長さの細く黒い棒を持って、何かの準備をしていた。

 そんな時、バヤール車両内、前方の連絡管からボースの号令が響く。


「各車両へ伝達!!迎撃は護衛隊に任せ、バヤール隊はこのまま前進する!」

「了解にゃ!」

「「「了解!」」」


 連絡管から聞こえてきたボースの指示に対し、ケリコが連絡管の金属蓋をパカッと開けて了解の返答をした。ケリコの返答とほぼ同時に、連絡管からは他のバヤール車両の操舵手の了解の声が反響して聞こえてきた。

 ボースの号令は続く。


「グレッグ!戦闘準備だ!ここは任せたぜぇ!ゴブリン共を蹴散らせぇ!!」


 今度のボースの声は連絡管からでは無く、窓の外から響いて来る。アタシはそのまま窓から顔を出して左の先頭車両の方を確認すると、ボースが車両の窓から顔を出し、いつの間にか先頭車両の隣りを併走中のグレッグさんに向けて大声で戦闘指示を飛ばしているが見える。


「了解です旦那様!」


 ボースの指示に返答しつつ、一旦減速して4両目のバヤールの隣りまで戻り、再度アタシ達の車両と併走し始めるグレッグさん。


「護衛隊全騎に告ぐ!バヤール隊に連中を近づけるな!全騎!輪唱!!」


 今度はグレッグさんの号令が周囲に響き渡る。そしてグレッグさんを含む護衛隊の騎馬兵達が一斉に片手に持った細い棒を頭上に掲げ、同時に叫び出した。


「「「「水の女神メルジナよ、その慈悲深き力を持って我らに不屈の意思を与え賜え!ドーントレス!

 」」」」


 -キィィィンッ-


 騎馬隊の持っている短い棒、それの先端が青く光る。それと同時に青い光に包まれる騎馬隊。アタシはてっきり乗馬用の鞭でも持っているのかと思っていたが、どうもあのステッキは鞭では無く杖らしい。その杖で騎馬隊が同時に魔術を行使したのはわかった。だがどんな魔術までは想像が付かない。そんなアタシの目の前で、騎馬隊は腰に下げた鞘から長い剣を抜き空に掲げた。そして間を置かずに辺り一面に地鳴りを起こすかのような怒号が森中に響き渡る。


「「「「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーーッッッ!!!」」」」

お読みいただきありがとうございます。

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やっと戦闘に入った……。

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