5話
さて、そんな訳で一年経った
本当に僕自身が不死なのか?という疑問は尽き無いが恐らく事実だろう
何故ならば竜を育てるのは犬や猫を育てるのとは訳が違う
少し機嫌を損ねて癇癪を起こしたら普通の人間ならばこの世からサヨナラだ
事実としてクロナが寝ていた時の話だが嫌な夢でも見たのだろう。目を見開くと勢いよく飛び起きて僕に向かって黒炎を吐いた
どうなったかって?
まあ僕自身この表現でいいのかは疑問が残るが脱皮した
物理的なダメージは受けつつ回復したがクロナの黒炎は僕を一瞬で黒焦げにした。その為か焦げた部分がペリペリ剥がれnew僕が中から出てきた
一瞬で死ぬ程のダメージを受けても死なないのだから死ねないのだろう
今では前と違ってそこまで死にたいという気持ちは無くなってきてはいるんだけどね
仕事や対人関係から解放されクロナ以外は何にも縛られない
クロナの事は姿形は違えど今では娘だ。そんな可愛い娘に縛られる事なら喜んで引き受けよう
未だに何をやりたいかは見つからない
でも、クロナだけは幸せにしてやりたいとは思う
そんなクロナはと言うと…………
まあ一年経って20歳になった訳で人間ならば自立し始める頃なのだが
キュー(パパー好きー)
こんな感じで僕の頬に頭をすりすりしてくる
嫌なのかって?
そんな訳無いだろう。前なら考えられ無いけど
「そうかーパパもクロナの事大好きだよー」
なんて感じだ。親バカで結構
とはいえクロナも成長している
どこがって?
まずは大きさが子犬ほどから馬程になった
キルス曰く本来は1年で象より大きくなるけどクロナ自体が身体の成長を拒絶しているらしい
付け加えるなら今のクロナは象のサイズを馬程度に抑え密になっている状態だから身体能力が跳ね上がっている
このまま今の身体に詰めていったらどうやるのだろう…………
他にはって?
あとは魔力と知識が跳ね上がり手加減も覚えた。あと見た目も可愛いから美しくなった。
クロナの黒い体毛は絡まらず滑らかで柔らかい。立った姿勢も身体に付いた無駄の無い筋肉と覆う魔力により神々しさもある
まあそんなところだ
キルスはって?それはまた今度ね