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「へぇ~。昨日はそんなことがあったんだ?」
次の日のお昼。
いつものように真中と一緒に学校の屋上で、ワイワイと楽しくご飯ってた。今は会話のあとお互いに肩をすくませ苦笑ってる。
「うん、そう! それで昨日はさ、何だか凄く疲れちゃってさぁ~。でも、弥鈴ちゃんって可愛いし。一緒に居ると、不思議なくらい凄い楽しいから。結果としては、とても良かったんだけどねぇー」
真中はわたしの話を聞いて、「あ、うんうん! それはなんとなく、分かる気がする!」と笑顔で頷いてくれた。
わたしも、それで嬉しくなり、同じく笑顔を浮かべた。
「それよりもアリス、今日は部活3時までなんでしょ? そのあと一緒に、どこか遊びに行かない?」
「あ、うん。だね! とりあえず、近くの本屋さんにでも行ってみる?」
実は明日から長い夏休みに入るので、今日は半日授業。部活といってもうちは自由参加だから、ここでダラダラとやって、少しだけ部室に顔を出して帰るつもり。
「じゃあ、本屋で決定っ! 実のところ、そろそろ夏休み中のバイトをどうするか、決めたいと思ってさ。アリスは希望とかある?」
「希望? ン~……」
わたしは両腕を組み、少し悩んでそれらしく見せたけど。結局は、「特にないかなぁ?」と少し困り顔で空笑みを浮かべ言った。
真中はそんなわたしを見つめ、呆れ顔を見せている。
「アリス、悩んだ振りして、実は何も考えてなかったでしょ?」
「あはは♪ うん、それっ正解っ! さすがは真中! 鋭いねっ!」
「いや、そこで褒めても何も出ませんから……」
「あ、ハハ♪ でもさ。何もわざわざ考えなくても、去年と同じところでいいんじゃないの?」
「というと、コンビニ?」
「そそ」
「それもいいと思うけど。せっかくだから、社会勉強を兼ねて、色んなことを経験してみない?
例えば、これとかみてみ! 凄く面白そうだよ?」
「えーっと、なになに? おもしろ体験モニター募集中?? タイトルが、
《…………南の孤島。ネットのない環境で、最近の子は耐えられるのか?》」
「ね? 何だかとても面白そうじゃない?」
「…………あ、うん。いいけど、さ。本当にいいの? 真中」
「いいのって、なにが??」
「…………だって、ネットがないとか、これだとA・Fが全く出来なくなるよ?」
「……──あっ!」
うわ、本当に気づいてなかったのか……。
真中の珍しい天然ぶりに、わたしは思わず『ぷっ!』と吹き出し笑ってしまう。最初、真中はそんなわたしを横目に見つめ頬を膨らませていたけど。間もなく、2人して肩を並べ大いに笑い合った。