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はいっ! かなりお待たせ?しましたぁあー!!
いよいよ【第二期】、第9章《最後の一手!(仮)》を投稿開始致します!
が、今回は長くお待たせいているということもあり、まだ制作途中での投稿開始となります。なので、手直しや次投稿まで時間をいただくこともあるかと思いますが、そこのところ何卒ご理解願います。
また、今回は新たにリアルパートで新キャラが登場します。お楽しみください。
それから、アリスの“ゲーム内貧乏”ぶりは鉄板なほど相変わらずです・・・(泣
「はぁ……今こうやってると、昨日のことがまるでウソみたいだよねぇ?」
「あはは! 確かに♪」
次の日のお昼。公園内のベンチ近くの木々から差し込む優しい日差しを、わたしは目を軽く細めながら見上げ、ほぅとため息をつく。
わたしは今、真中と2人で近くの公園で会い、昨日の話題で盛り上がってた。
決戦はあのあと、何とか無事に終わり。炎の城も、天空の城も陥落することなく終わった。だけどその前に、対・天山ギルドが天山ギルド本営に対し、まさかの宣戦布告。
あれには、本当にびっくりさせられたよ。
元々、敵対関係にあったとはいえ……。改めて宣戦布告までしてくるとまでは、思っても見なかった。
ただ……何かしら仕掛けては来るんじゃないのかな?って、そんな風には思っていたけど…結果は、わたしの予想を遥かに超えていた。
「ねぇ、アリス。私たちのギルド、これからどうなるの?」
「……分かんない」
実は昨日あのあと、天山ギルド本営軍が炎の城から撤退を始め、皆が浮かれ騒ぐ中。わたしは、冬馬さんの元へとスタスタ歩き向かい、厳しい表情でこう訊ねていた。
『……これは全て、冬馬さんが仕掛けたことなんですか? そうなんですよねっ!』
冬馬さんはそんなわたしを苦笑い見つめ、軽く肩をすくめ口を開く。
『ええ……そうですよ。これで我々ギルドは、天山の脅威から取り敢えずは解放されますからね。
この方策の意味、分かりますか?』
『──!!』
わ、分かる・分からないかなんて……そんなのは、どうでも良いよ!!
わたしは冬馬さんを厳しく見つめたまま、感情的になり、泣きそうな思いを抑えながら、口を開き言った。
『対・天山ギルドの力を借りて、それでこれから先、どうするつもりなんですかあっ!?
言って置きますが。わたしは、対・天山ギルドなんかに加盟する気なんて更々にありませんよ!!
そもそも、天龍姫さんを裏切るつもりなんて、わたしにはなかったのにっ!』
『『『──!!』』』
そうだ。
天山ギルドとは、状況として戦う他になかった。それは確か。
だけど、だからといって天龍姫さんと敵対する意思なんかわたしには全くない。
ましてや、対・天山ギルドなんかに加盟なんて、絶対に有り得ない選択肢だよ!
『ええ、それならばご心配なく。自分もそんな気なんて、更々にありませんから』
『へ?』
『が……天山ギルド本営には恐らく、もう戻れないでしょう。これは、アリスさんが望む・望まないに関係なくね。
違いますか?』
『あ……えと、それは…まぁ』
それは……そぅかも?
特に大手3ギルドが、それを許すとは思えない。
『それに、古龍王の対・天山ギルドに加盟するなんて、自分だって真っ平ごめんです。あそこは、本当に最悪だ。
となれば、我々が次にやるべき更なる次の一手が何であるのか、もう既に決まったようなものだとは思えませんか?』
『は? え?? あの……へ??』
冬馬さんはその時、くっくっと楽しそうな笑顔で言い。結局のところ、その場では何も教えてくれなかった。
だからわたしにも、これから先どうなるかなんて正直いって分からないよ。
でも冬馬さんは、そんなわたしを優しげに微笑み見つめ、更にこう繋げ言ってくる。
『まだ本当の戦いは、終わってませんよ、アリスさん♪ 寧ろ本当に大変なのは、これからなのかも知れない……』
冬馬さんが昨日最後に言ったあの意味深な言葉は一体、何を意味しているのか……。
わたしは昨晩の出来事をふと、そこまで思い耽ったあと、軽くため息をつき。そこでまた、木々の合間から差し込む日差しをぼんやりと眺め見上げる。
が、公園のベンチで不安そうな表情を見せる隣の真中に気がつき、そこでハッとして、無理に笑顔を作り見せ口を開いた。
「あ、だけどやっぱりさ! 分からないとか、GMとしてそう無責任なことばかり言ってられないよね?
今晩にでも、今後どうするかについて、会議とか開いといた方がいいかなぁ??」
「あ……うん。それがいいかも? 今はみんな、内心では少し不安がってると思うから」
そう言った真中の表情は、どこかホッ……と安心した様子を見せるものだった。
わたしはそれを確認して、今更ながら思い頷き。無理に元気一杯の笑顔を作って、口を開く。
「じゃあ、それで決まり! 夜の9時辺りから開始がいいよね? 早速、皆にメールしとく!!」
わたしは専用アプリを開いて、そこからギルドメンバー全員にメールを送った。
そうだよね?
こんな感じで、独りいつまでもウジウジ悩んでても仕方がないし……。何よりも、早くギルド皆を安心させなくちゃ!
「よっ! アリスに真中」
「ちょっと、お待たせしちゃいましたか?」
岡部くんと太一だ。
2人とも笑顔でこちらへやってくる。
実はこのあと、みんなで明日行く予定の神社へ向かうことにしてた。
何でも、明日の祭りに行われる弓祭り前日となる今日だけ特別に、破魔矢などを用いて的を射る前夜祭が夕方から行われるらしく。その前にイベントとして、神社関係者以外のわたしでも参加可能な無料体験ができるらしくて。基本的な弓矢の構え方などを指南をしてくれるんだってさ。ありがたいよね?
わたしが新たに手に入れたスキルは超距離仕様なので、その基本となる技術をそこで教われたらなと思った訳。
何しろ、発動し構え撃つその仕草はまるで弓矢のそれに近いような気がしたから。
実はこの前の決戦の時なんかは下手過ぎて、狙った相手の隣の人を射たり、結構外してたりしてたからさぁ~。もぅ悲惨だったよ。
そのことを話したら、みんなついて来てくれることになったの。
「じゃあ早速、行くか?」
「うんうん!」
わたし達は近くの駅へ楽しく話し合いながら歩き、電車で神社の近くまで向かった。