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アストガルド・ファンタジー  作者: みゃも
【第二期】、第7章《宣戦布告!》
76/213

-4-


「どうやら……噂は事実だったということだな?」

「ああ、黒騎士団とグリュンセルまでもが我々と敵対、対決する意志を見せているのは既に明らか。

天龍姫殿、ここは『天山ギルド本営』として秩序と威厳を示す時であると心得ますが、如何に?」

「…………」


 アリス達が炎の城へと向かう丁度その頃、『天山ギルド本営』の拠点である天空の城内にて、大手3ギルド他多数の天山加盟ギルドGMが集結し、今回の対抗策について議論を行っていた。


 その問い掛けを受け、GM天龍姫は苦い顔を見せている。


「何を迷っておられるのか、天龍姫殿。ここで示しを付けねば、秩序は保たれませんぞ!」

「ああ、その通りだ。我々、天山の者に刃向かうことがどういう結末を生むのかということを。この勢力内全てのギルドに対し、ハッキリと示す良い機会でもある」

「ほぉ! なるほど、この件を利用する訳ですか? なかなかの策士振りですな、ハハ!」


 大手3ギルドGMの発言に対し、誰一人として苦言を言う者は居なかった。ここにミレネや山河泰然が居たら、また違った見解を示していただろうに……と天龍姫は思い耽り、そして一言だけ告げた。



「しかしあの者たちの動きの背景には、我々天山の行動には『それに似合った相応の理由もなく、強行に排除処分を行い。その後、無差別にPKまで仕掛けている』という言い分があるようようですが……。それについては?」


 しかも今や、この組織の力を利用して、不当に相手を潰しに掛かろうとさえもしている。その行動理由は、天山の威厳回復と秩序維持の為であるのだと言う。


 だけど、その秩序を乱そうとしているのは今や、この天山の方ではないのだろうか……?

 しかも、その様な力任せなやり方で、本当に威厳というものは保たれるのだろうか……?


 天龍姫には、そうした疑問がふと頭を過ぎっていた。



「天龍姫殿、相応な理由なら十分にあります! 奴らは、我々と敵対するギルド連合体と通じ、排除処分となった今も力を付け続け、明らかな敵対行為を見せ続けているのです! ここは断固として戦うべきです」

「その中には、元・薔薇の騎士団に所属していた者までもいる。お分かりになりませぬか?」

「これほどの状況証拠がある中、もはや議論の余地などありませんぞ。天龍姫殿」

「…………」


 天龍姫は軽くため息をつき、そして……他の加盟ギルドGM達の様子を窺い見る。


 が、他に意見が来ることはなかった。



「……分かりました。それが天山としての総意であるのであれば、私としても異存はありません」


 天龍姫はそこでスッと目を軽く閉じ、それからアイスブルーの冷ややかな瞳をその場に居る全ての者に向け、口を開いた。



「『天山ギルド本営』GM天龍姫の名に於いて、『黄昏の聖騎士にゃん』に対し、本日の《決戦》開始を以て宣戦布告を行う!」



 この時、天龍姫にとっては苦渋ながらの決断であった。






 【第二期】、第7章《宣戦布告!》おしまい。

 

 感想・評価などお待ちしております。今後の作品制作に生かしたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。



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