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はいっ! お待たせ?しましたぁあー!!
いよいよ【第二期】、第7章《宣戦布告!》投稿開始致します!
今回は前回紹介しました通り、6-4~6-7までを公開致します。
現在既に、6-12を制作中ですが、まだ完成には至っておりません。なので、予定通り7章と切り分けての投稿とさせてください。
続きとなる8章につきましては、完成次第としたいので、どうぞよろしくお願い致します。
それから、アリスの“ゲーム内貧乏”ぶりは相変わらずです・・・(泣
「……いよいよ今晩だよ、アリス」
「ぅん……モグモグ。何だかまだ不安だけど、ここまで来たらもぅやるしかないよね?」
決戦当日のお昼、いつものように真中と学校の屋上でご飯ってた。
あれから更にギルドから3名ほど脱退しちゃったけど。奇跡的にそれだけで済んだ。あと、今回の一件で加入申請していた多くの人達も、加入申請を取り消し、去ってしまった。
なんと言いますか、これが現実というものの様で……。
相手が相手だから、残ったギルドメンバーもそれなりの覚悟で残ってくれたのだと思う。
何せ相手勢力は、単純にうちの3倍以上はある訳だし……。
昨晩は勢いであんな調子の良いことを言っちゃったけど、実のところわたしには何の策もなかった。
どうやら、もうから冬馬さんが裏で動いてくれてるようだけど。これほどの戦力差を本当にひっくり返せるものなのか……わたしには想像さえもつかない。でも今は、とにかく信じてみよう。
ザカールさんはザカールさんで、知り合いに声を掛けてくれるということで、とてもありがたく助かってる。それなのにわたしは……結局は皆に頼ってばかりで、何も出来てないし思いもつかなくて自分が凄く情けないよ…。
「ここ、座ってもいいか? 足手まとい」
花藤さんだ。
その言われ方、何だか久しぶり……でも今のわたしにはお似合いかも?
「もちろん、いいよ。本当に足手まといで、ごめん……」
「そんなことないよ、アリス! 昨日のアリス、凄くかっこよかった!!」
「……その格好とやらを付けたおかげで、7名もギルドから去ってしまったけどな」
──ぐは! グサッ!!
「……ん、ぅん。ごめん、今は凄く反省しております…」
でも、それでもあの時のことはわたし後悔していない。
ただ……そのせいで残ったメンバー皆に迷惑かけたんだと後になって気がついて、どうしても肩がカクリと落ちてしまうけどねー……。
「もういいよ。気にしなくても……モグモグ」
「え?」
「確かにアリスの一言で、ギルドメンバーは減った。が……それと同じくらい、結束力も増えたからな。結果として、それでチャラだ。なにも問題はない。
だからもぅ気にするな、足手まとい」
「……」
花藤さんの意外な一言に、救われた気がした……。
「……ぅん。ありがとう! それよりも花藤さんの弁当、今日はまた凄く可愛いキャラ弁でいいなぁー!!」
「わ! ダメだぞ、今日は手を出すな、足手まとい!!」
「……コソッとこれ、頂きます♪」
「はわぁあああ!! 真中、お前っ! だから卵焼きだけはダメだと、前にも言ったろうー?! お前の学習能力は、どこへやった??」
「ということは、コレはいいってことになるんだよね?」
「こらこらアリス、お前っ! そういうことじゃなくてだなぁあー!!」
「よっ! 何だかお前ら、今日も楽しそうだなぁ~?」
「──どこがだよっ!!」
そんなこんなで、今日も凄く賑やかなお昼となった。
◇ ◇ ◇
「ただいまぁ~」
「あら、お帰りなさい、アリス」
玄関で靴を脱いで居間を覗くと、母さんがスカイプってた。
「うんうん。今ね、娘が帰って来たところ。そんな訳で、冬さんによろしく伝えといてねぇー♪」
母さんはそれで、スカイプを切った。
「……わたしのことなんか気にしないで、スカイプっていて良かったのに。先にお風呂でもいいんだからさぁ~」
「バカね。そうはいかないでしょう? 親としての責任はちゃんと果たさなくちゃね。
それよりも早く顔洗って着替えて、降りてらっしゃ~い」
「はぁ~い」
そんな訳でわたしは、手を洗って顔洗って自分の部屋で着替えてご飯ってた。すると、
「……実はさっき、噂で聞いたんだけど。
今、あなたがGMをやってる黄昏が大変なんだってね?」
「──!! ん、ぅん……」
流石に耳が早いので参るよ。
「それで? 何か策はあるの?」
策と言われてもなぁ……。
「あはは! まぁ~なるようになるかなぁ? なんて感じで♪」
「…………呆れた。それでよくGMなんかやっていられたものね?」
──ぐは!!
あ、当たってはおりますが。今の、心臓をえぐられるくらいに痛かったですから!
「そんな言われてもさ、相手が相手なので……もちろん、わたしだって! それなりに考えて…………みたりはしてるけど」
ところが何も思いつかないのが現実なので、参るよ…。
やだなぁ……また落ち込む。
母さんは、そんなわたしを遠目に見つめ口を開いてくる。
「そんなにも大変なら、母さんが一時的に黄昏へ加勢してあげてもいいけど? どうする??」
「…………」
わたしは、母さんのその一言に唖然とした。だってさ。
「あ……えと、その申し出は凄くありがたいんですけど。そもそも所属勢力が違うので、現実的じゃないと思われ…………あ、そう言えばまだ確認してなかったけど、勢力違うんだよね??」
「…………。あ、それもそうね? でも、母さんなりに助成依頼とかで手助けしてあげるから、余り心配ばかりしてないで少しは安心なさいねぇ~」
「…ん……ぅん…。ありがとう、母さん」
自覚はなかったんだけど、そんなにも表情に出てたのかなぁ?
そう言えば母さん、どこの勢力だっけ??
まぁいっか、今はそれどころじゃないし……。
わたしはそのあと風呂って、自分の部屋へと戻る。いつもなら時間まで少し勉強するんだけど、今日は直ぐにログインすることに決めた。
そんな訳で!
「ヘッドギアよし!
グローブよし!
スーツよし!
シューズよし!
A・F起動よしで、レッツよし!!」
間もなくヘッドギア越しに、壮大なアストガルド・ファンタジーの世界がわたしの目の前に広がってゆく──。