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アストガルド・ファンタジー  作者: みゃも
【第二期】、第6章《GMとしての器》
71/213

-2-

「ただいまぁ~」

「あら、お帰りなさい、アリス。……意外と元気そうね?」


 家の居間に居るお母さんに声を掛けると、怪訝そうな面持ちで見つめそう言ってきた。 


「え? 意外と、って……母さんそれ、どういう意味??」

「どう、って……相変わらずアナタは呑気なものね? まぁいいわ。直ぐに分かることだし。それよりも早く手と顔を洗って、着替えて降りてらっしゃ~い」


「はぁ~い」



 そんな訳でわたしは、手洗って顔洗って着替えってご飯って風呂って、二階の自分の部屋へと向かおうとする。

 と、


「アリス、何か困ったことがあったら、直ぐにでも冬さんに相談するのよ。きっと、何とかしてくれる筈だから」

「え? あ、ぅん……ありがとう、母さん。だけど、急にどうして??」


 わたしの問いかけに、でも母さんは何も答えず、困り顔でただただ肩をすくめるだけだった。


 わたしもそれで同じく肩をすくめ、二階へと上がる。


 それからいつもの様に時間まで勉強ってた。

 すると、『チャリン♪』とスマホが鳴り、LINEに着信あり、と表示されている。


 誰からだろう?と思い確認すると、真中からだった。


『アリス! 大変だよ!! 直ぐに、A・Fに入って来て!』

「へ? 大変って……」


『大変って、何かあったの??』

『いいから早くきて!!』


「……」

 何があったのか分からないけど、とにかく入ってみるしかないみたい。



  ◇ ◇ ◇



 アストガルド・ファンタジーの世界へ入って、わたしは直ぐにその異変に気づいた。


 ギルドチャットや世界チャットを通じて、PK戦が繰り広げられていることがわかったから。しかも相手は、『天山ギルド本営』所属のギルドメンバーばかり。


 だけど……なんで?!


 少しでも状況を理解しようと思い、ギルドチャットを確かめ見ると。フェイトさんが、ギルド拠点へ避難するよう皆に指示している。

 確かに拠点内なら、安全だけど……。 


 多くのメールが届いていたので確かめ見ると、その中に天龍姫さんからのメールが一通届いていた。

 わたしはそれを直ぐに開いて、確かめる。



『【至急:重要報告】天山ギルド本営GM、天龍姫です。

先日行われた会議に於いて、貴ギルドに対し、3日間の《連盟排除処分》となりました。

これにより、本日18時をもって、貴ギルドは《連盟規約保護の対象外》となります。

アリスさん……健闘を祈ります』

 


「──け、健闘をって………ど、どうして…?」

「ああ、アリスちゃん。何だかギルドの方が大変なことになってるみた…………──いッ?!」


 ライアスさんがわたしに気が付き、修理した装備品を手に小部屋の入り口近くから声を掛けてくれた。

 わたしはその場で、ヘタリと座り込んでしまい、そんなライアスさんをボーッと見つめ、思わず涙をひとつ落としてしまっていた。




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