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アストガルド・ファンタジー  作者: みゃも
【第二期】、第4章《デュセオルゼ【亜種】討伐!》
65/213

-4-

 結局のところ、地雷2人は大変だろうということになり。パーティーの中でわたし1人が、ザカールさん達のパーティーへ移動し。代わりにザカールさんが、フェイトさん達のパーティーへと移動し入れ替わることになった。


 ただ……ミレネさんがちょっと不愉快そうだったんだけどね?

 また向こうで、揉めなければ良いんだけどなぁ……。



「とにかく、頼りない地雷ですが、よろしくお願いします!」

「ハハ! 地雷なら、冬さんで慣れてるから気にしなくていいよ♪ それよりも無理だけはしないように。いいね?」


「あ、はい!!」

「この先に居る亜種は、たまに良いレア素材を落とすから。何度も挑戦していると、装備もそれなりに揃うし。そうなれば晴れて地雷からの脱却が果たせるから、頑張って!!」


「わ! 地雷からの脱却、頑張ります!!」

「うん、うん♪ その意気だ!」


 最初に優しげに声を掛けてくれたのは、アザミューナさん。それから次が、オルトスさん。

 まだそんなに出会ってから時間は経ってなかったけど、取り敢えずこのお2人とは親しく、そして凄く好きになれる様な気がした。


 それに、アザミューナさんとはやっぱり何処かで合ってる様な気がするんだよねぇ……?



 やがて山岳地帯の一角に、それまでと何か全体的な雰囲気の違う黒龍王が、でも相変わらずの油断をして眠っていた。


 鱗の色が単純な黒ではなく、青黒くそれでいて所々赤いまるで宝石の様な輝きを放っていた。そして更に、ルミナスオーブ光がその黒龍王の身体全体を大きく包んでいる。


 デュセオルゼ=ヴォルガノフス【亜種】……コレ、間違いなく強いよね??

 戦う前から何となく分かっちゃうもんなぁ。



「では、参る!!」


 オルトスさんの合図と共に、わたし達パーティーとフェイトさん達は共にデュセオルゼ=ヴォルガノフス亜種討伐が開始された!!



 ◇ ◇ ◇



「アリスさん! 補助、お願い!」

「あ、はい!!」


 わたしは言われ、いつもの様に幾つかの補助召還魔法を次々と連続発動した。

 その間にもオルトスさん達は亜種を攻撃開始! 咆哮を上げ、360度回転攻撃をし、更に口から業火の炎を吐き辺りを燃やす。

 でもそれが絶好の攻撃タイミングであるらしく、そのタイミングでみんな一斉に攻撃開始!


 そして一気に引いて、フル防御! 

 全身から電撃を放ち、それが大地に伝わって周辺に居る者を感電させる攻撃だった。でもそれをオルトスさん達は完全に読み切っていて、完全な鉄壁の守りで防御し切り、次の攻撃タイミングに備え回復行動を行っていた。


「アリスさん! 補助!!」

「あ、はい!!」


 わたしは言われるがまま、またいつもの補助召還魔法を連続発動!


 オルトスさん達の指示は的確でムダが無く、わたしが補助をお願いされ掛けたあと攻撃タイミングが直ぐに来て、みんなまた一斉に攻撃開始!


 デュセオルゼ亜種の胸部位がそれで破壊され、絶叫に近い咆哮を上げている。


「亜種の攻撃パターンがこれで変わるから、これから特に注意して! アリスさんの辺りまで、一気に飛びかかってくることもあるからね!! 油断なく! とにかくヤバいと思ったら、全力で後方へ逃げていいから!」

「え? あ、はい!!」


 確かに先ほどまでとはかなり異なり、亜種の動きというか焦りというのか必至さとでも言いますか……デュセオルゼ亜種が『やられてたまるか!』とばかりに大暴れし、わたしなんかとても近づけるレベルではなくなっていた。


 その荒々しさはまさに噂に名高き、『暴君』のそれ!


 それなのに、それでもオルトスさん達はつかず離れず程度の距離で、確実に亜種をどんどん追い詰めてゆく。

 凄い!!


「アリスさん! 補助!!」

「あ、はい!!」


 また要求を受け、わたしは即座にスキル発動。

 でもその時、デュセオルゼの亜種とわたしは目が合い……あれ? と思った瞬間、それまで遠くに居た筈の暴君が、画面越えという桁違いなスケールのままこのわたしを見下ろしていたので…………思わず泣ける。



「ヤバい! アリスさん、とにかくそこは全力で逃げ切って!!」

「あ、はい!! ──って、ぅわあー!!」


 わたしが行動するよりも早く、亜種は電撃攻撃をわたしに容赦なく浴びせてきた!

 それでわたしは感電し、しばらく動けなくなる。

 


 というか……コレ、結構……い、痛い…。足……動かない。うそ……待って、む、無理!!



 更にその時! 暴君は大きな腕を振り上げ、わたし目掛けて振り下ろしてきた!?


「──?!」

「!!」


 もうダメか……と諦めていたのに、意外にもそんなわたしを助けてくれたのは冬馬さんだった。

 呆然と立ち尽くすわたしを押し退け、その場で両方の籠手を重ね頭上へ押し出して、装備耐久度0……大破、消滅させてまでの全力防御! それでもその時の衝撃波は、止まること無く周囲の者たちの体力と精神力を奪ってゆく破壊力。


 け、桁違いの強さ……。流石は亜種!



「と……冬馬さん、あの……すみません」

「はは…ダメだよ……アリスさんは自分なんかとは違って、ギルドにとっては最前線の要。こんなつまらないことで、君を失う訳にいかない。

南西シャインティア勢力に所属する皆、全ての者の為にもね?」

「ぁ……はぃ…気をつけます!」



 たまに思う時がある。

 冬馬さんの笑顔とか、何気ない言葉を耳にした時、わたしの心の何かがキュン!となる。ドキドキする。これって……なに?


 ようやくの思いで、デュセオルゼ=ヴォルガノフス【亜種】討伐に成功。


 それにしても本当に強い、強い!

 2パーティーでやっとだったもんね。討伐するまでの時間なんか、35分掛かっているし。あの緊張感続きの35分間は、半端なく疲れますから……。

 下手なダイエットするよりも、よほど痩せられると思われ…。とにかく痩せたい人には、このゲームかなりオススメです。


 但し、寿命は縮むかも……? だってさ、心臓に悪いもん。


 そうこうしている間にも、ギルド内容会合もどうやら決着が付いたみたいで。結果として、ザカールさんを一時的に受け入れることで纏まったみたい。


 ちなみに……わたしなんか亜種目の前にして終始会合どころじゃなかったから、つくづくGMとしては失格だなぁ~と痛感させられたよ。


 やっぱり、あれだよね? 機を見て、早めにGM交代を願い出ることにしよう…………はぁ。



 因みに……今回もドロップアイテム、カスばかりでした。でも、レベルが久しぶりに上がったのは嬉しかったかな?



 なんと大台のレベル80! 更に、職種熟練レベルも条件達成♪ 



 レアアイテムには恵まれなかったけど、リフィルも合計で600も入ったし。これで明日のカムカの実は何とかなりそうなので、ひと安心。


 そういえば、レベル80でようやく解禁になる召還系のカルマが何かあったと思うんだけど……なんだっけ??


 まぁ、あとで調べてみたら良いし、別にいっかぁ?



 それにしても思わぬことだったけど。流れとは言え、敵対しているギルド連盟の人達ととてもいい感じで仲良くなれた。


 ただその様子を、ミレネさんが遠目にもやはり不安そうな表情で見つめていたのは気になるけどね?



 そして……この日の些細な交流が、わたし達ギルドの存亡を危機に晒す事態にまで発展するなんて…。

 この時はまだ誰も……予想すらしていなかった。




 【第二期】、第4章《デュセオルゼ【亜種】討伐!》 おしまい。 


 感想&評価などお待ちしております。

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