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アストガルド・ファンタジー  作者: みゃも
【第二期】、第4章《デュセオルゼ【亜種】討伐!》
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-2-

「ぅあ、凄い! また加入申請キテタ!!」


 この数日、雨の日がこのところ多く続く7月の半ば。わたしは学校へと続く桜並木をゆったりと傘をさしながら歩き、専用アプリでギルド内の状態を何気に確認していた。


 そんな折り、丁度加入申請がピロリン♪と入って来たので思わず嬉しくなってしまう。

 でもどの道、今はまだギルドレベルの問題で加入受け入れが出来ないから、どうしようもないんだけどね?



「えと……ザカールさん? わお! この人も、上位ランカーさんだ!!」


 わたしは思わず右手をグッと丸め、ガッツポーズを小さく決め。ニヘラ顔ではしゃぎ、間もなくゲーム内メール有りの通知が届いてたことに気づく。


 送り主は、どうやら先ほど加入申請をしてきたばかりのザカールさん本人みたい……。



 なんだかその内容が気にはなるけど、校門がもう目の前にまで近づいて来たので。わたしはスマホを残念に思いながらもそのまま閉じ、それから笑顔で走り出し「おはようごさいまー!!」と、いつものよう先生と皆に挨拶をして下駄箱までゆき、上履きに履き替えて自分の教室へと向かった。



 ◇ ◇ ◇



「モグモグ……雨かぁ」

「雨だねー」


 流石に雨の日に学校の屋上という訳にもいかなかったので、わたしは教室の窓辺で真中と机を並べご飯ってた。

 わたしは窓辺から見える学校のグラウンドを『ほぅ……』と遠目に眺め、軽くため息。


「ねぇアリス、今晩久しぶりに黒龍狩りしない? たまにはレベリングしないと本当に地雷になっちゃうよ?」

「あ……うん。そうだよね? いくいく!!」


 この所、色々とギルド関係のことばかりで余り狩りをやってなかった。やることはまだまだ盛り沢山にあるけど、たまになら息抜きくらいしてもいいよね?



「そう言えばさ、今日もランカーさんから加入申請が来てたし……そろそろギルドレベルも上げたいところ。

ねぇ、真中。どうやるのが一番効率的なのか知らない?」

「え? ぅーん……やっぱり黒龍狩りとかで名声稼いだり、決戦でポイント稼いで好成績残して、ランキングボーナス貰うとか?? 

特に六大城獲得すると、高ポイント貰えるけど。これは簡単に出来ることじゃないもんね? 他には……えと…。

ごめん。そのくらいしか私には思いつかない……」


「あ、はは……ううん! わたしもそのくらいしか思いつかなかったので、やっぱりそれくらいしかないんだよね?」

「かなぁ? あとで岡部くん達にも一応相談して……と言っても、ご覧の通りの雨だし。今日は直接合うことはないかな? 

LINEで相談するのが手っ取り早いと思うよ」


 それこそ教室へ直接会いに行くことも可能なんだけど、岡部くんはアレで学園のアイドル的な存在なので、色々と人目があるし。太一もモテるって聞いている。変な噂が立つと2人とも迷惑だと思うので、そこはなんとなく控えておく。


 もちろん、わたしがちゃんと太一なら太一と付き合うことを決めてしまえば、もぅそんな気遣いなんて無理にしなくてもいいと思うんだけどね? まだその気もないのに、他の女の子の機会を奪うようなことは流石に……ちょっと。


 2人だって、その機会を失うのはたぶんイヤだと思うから。

 とかなんとか思いながら、学校の屋上では例外的に受け入れているところがわたしとしても矛盾部分なんだけどさぁ?



「だよね? あとからLINEでちょっと相談してみるね! ありがとう、真中!」

「いえいえ♪」


 あ、そういえば……このランカーさんからは、メールも来てたんだっけ?


 わたしはそのことをふと思い出し、専用アプリからそのメール本文を確認してみた。そして間もなく驚き、わたしの表情はそこで固まった。



『ギルド《薔薇の騎士団》所属、ザカール=ギブンと申します。この度、貴ギルドとの外交交流を行いたいが為、一時加入を願いたい。予定としては、決戦当日までの3日間を希望。返信、お待ちしております』


「が……外交?!」

「どうしたの? アリス」


 わたしは苦笑いながら、真中にそのメールを見せた。

 それを確認して、真中も複雑な表情で困り顔を見せている。



 まぁ、そうなるよねぇ?

 太一と岡部くんに、LINEでこの件についても相談してみることにしよう……。




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