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アストガルド・ファンタジー  作者: みゃも
【第二期】、第1章《新GM誕生!!》 
54/213

-5-

「まあ、そんな訳で。GMを務めさせて頂くことになりました。皆さん、改めまして、どうぞこれからもよろしくお願いします!!」

「「「にゃにゃん♪」」」


 わたしがそう挨拶すると、ギルドみんなからの熱い声援が返ってきた。

 そして正式に、ねこパンチさんからGMとしての引き継ぎを受け、改めてギルド管理画面を見る。


 そこで驚かされた?!

 これまでのとは違い、この管理画面から色々なことが出来るようなっていたから。

 


『ギルド名、プロフィール変更権限』

『ギルド内掲示板、仕様変更権限』

『役職任命・権限付与、剥奪権限』

『ギルド招待』

『ギルド加入者、許可』

『ギルド資産の分配』

『ギルド除名処分・追放』

『ギルド内ログイン情報、開示・非開示、変更権限』


『決戦・大決戦、参加申請』

『決戦、拠点配置』

『決戦用、武器購入』

『決戦用、防御購入』


『ギルド同盟、申請』

『ギルド同盟、破棄』

『ギルド恭順、申請』

『ギルド恭順、破棄』



 そりゃまあ、ある程度の予想はしていたんだけど、まさかここまでとは。色々とあり過ぎて参るよ……。

 それはそうと、ギルドへの資金提供額がわたしはかなり少ないことに今更ながら気づいた。


 というか、ギルド貢献度が最低ランクだし……。



「……GMとして、これは流石に拙いよねぇ…?」


 色々と悩んだ挙げ句、わたしは思い切って30万リフィルをギルドへ「えいっ!!」とばかりに貢いだ。

 それでなんとかギルド貢献3位になれた、けど……これで手持ちのリフィルは残り30万になる。


「は、ハハ……。まあ、なんとかなるでしょ?」




 その翌日、わたしは『天山ギルド本営』へ連盟加入を申請。即時、それは受理され、同日本部への招待を受ける。


 『天山ギルド本営』の主要なメンバーや、《黄昏の聖騎士にゃん》メンバーが緊張の面持ちで見守る中。わたしは、天龍姫さんから連盟加入条項が記載されたメールを受け取ると同時に、握手を交わし、互いに自然な微笑みを浮かべ合った。


 すると間もなく、いきなり背後からミレネさんが満面の笑みで抱き付いてきたので、その時は思わずびっくりしたけどね?


 もうこの頃になると、いつもの見慣れた光景なので、みんな苦笑いながらも温かな微笑みを浮かべてくれていた。




 ……そんなこんなで数日後。いよいよ今期最初となる、《決戦》が始まる!

 ねこパンチさんには、相談役として付いて貰いながら会議を進め、今回の目標が大体決まった。


「まだギルドレベルが6にゃので、ギルドとして決戦に参加出来る者には限りがあるにゃ。全員という訳にはいかぬ。そこで、今回はギルドレベル上げをより優先的に考慮し、六大城の一つをなんとか攻略したいと思うにゃりが。どこへ攻めたいか、意見はあるかにゃ?」


 特に誰からの意見もなかったので、ねこパンチさんは次にわたしの方を見つめ、口を開く。


「アリス、ここはGMとして判断をするのにゃ。時間もにゃいのでな……」

「は、はい!!」


 要するに六大城のどれを狙うか、つまりはそういうことみたい……。 

 だったらわたしには、最初から迷いなんて何もなかった。



「わたし達が今期、最初に狙うのは……」


 わたしの言葉を、ギルドメンバー全員が固唾をのんで聞いている。

 それを見つめ、わたしは真剣な眼差しで言った。


「──『炎の城』!!」

「「「──?!」」」


「炎のエレメント・女神イルオナに決めたいと思います!!」

「「「ぅお、おおー!! にゃにゃん!」」」



 それには誰1人として、反対することなく決まった。

 だけど、多くのギルドが狙う六大城を落とすのは、簡単なことではない。なので、大弓のミレネさんが居るギルド《グリュンセル》にも急遽協力をお願いし、《黒騎士団》との3ギルド同盟で攻めることに決まる。


 流石のミレネさんも急だったので、かなり困っていたけど。最後にはわかってくれた。

 その代わり後日、1日中ミレネさんと一緒に狩りをすることが絶対条件になったんだけどね?

 でもわたしとしては、それだと逆に助かるくらいなのでありますが……。それなのにミレネさんの方が、何故かそれで凄く喜んでいたのが不思議に思えた。


 まぁ、ミレネさんがそれで良ければ、わたしとしては別にいいんだけどね?

 それにミレネさんと一緒に居ると最近、凄く楽しい、って思える。わたしの中で次第に、真中と同じくらい、大切な人になりつつあった。



 《決戦》開始のカウントダウンと共に、決戦場へと暗転移動する。

 実は今期から、決戦のルールが一部変更され、《デッキパーティーシステム》が取り入れられていた。

 但し、デッキを組めるのは同じギルドメンバーか同盟メンバーのみ。大決戦のとは、細かな仕様も異なる。それもあって、今回は完璧なデッキパーティー構成は組めなかったけど、これは今後の課題になってくると思う。



「では、皆さんお願いします!!」

「「「にゃにゃん!!」」」


 かくして、わたし達ギルドは六大城の1つである炎のエレメント・女神イルオナが待つ城への向かい走った──!





「……で、これが『その結果』って訳かい?」

「は、ハハ…………まぁ、今回も見事にやられちゃいましてぇ~……」


「しかしこりゃあ、またひでぇーもんだなぁ~……」

「──うっ! で、ですよねぇ……? あは、あはは!」


 3ギルド同盟で攻めた甲斐あって、六大城を見事に陥落させることは出来た。

 でも、その支配権は、ミレネさんが所属するギルド《グリュンセル》にある。

 つまりうちは、結果として、六大城を獲得出来なかった……って訳。


 まあ、そういうこともある、ってことで……。


 でもみんなの頑張りもあって、今回の決戦でギルドレベルが3つも上がり、ギルドレベルが9になる。これでどうにか、殆どのギルドメンバーの受け入れが可能になった。


 その点については、とても良かった!


 わたしもわたしなりに、ギルド皆に負けないよう頑張ったつもり。

 ただ、結果として……装備品の殆どが大破し、悲惨で……裸に近いほどにボロボロ。修理費用がどのくらいになるのか、もぅから心配だよぉ~…。 


 先ほどから、ライアスさんが装備品を一つ一つチェックしてくれている。そうしてため息をつき、わたしの方を困り顔に見つめ、口を開いた。



「悪いがアリスちゃん、こりゃあザッと計算しても15万リフィルは掛かるね!」


 ──じゅ、15万!?


「そ、そんなにもですかぁ~……」

「《黒龍王の法衣》がこんなにもズタズタだからね。コイツの修理費用が、とにかく半端ないんだよ。しかも今は、ワールドリセット後というのもあって、修理で使う素材1つからバカみたいに高いんだ。

言っておくけど、これでもアリスちゃん特別価格なんだよ」


「は、ハハ……。分かりました。払いますので、それでどうかお願いします」


 装備をこのまま、って訳にもいかないもんね? みんなのわたしを見るあの熱い視線が、もぅ……。

 幸い、今なら30万リフィルもあるから、今回はなんとかなったけど。次からはもう少し慎重に決戦に挑むことにしよう……はぁ。


「ああ、そういえばアリスちゃん」 

「はい?」


「実はアリスちゃんの為に、貴重な良いアクセサリーを用意したんだ」

「え? わあー! ありがとうございます!! どんなのですかぁ? ちょっとだけ見てみたいです!!」


「よし、じゃあ早速見せるよ♪」



《【フォーティナーバングル+7】

知力+18:意思力+6:精神力+580:攻撃速度+9:運-15》



 ぅわ!! コレって、本当に凄い! 凄過ぎるよ!!


 ……だけど、運がまた更に下がるの?? 何だかわたしの人生そのものみたいだよねぇ、コレ?

 ……はぁ。



「値段は、15万リフィルもするんだが。どうだい?」 



 ──じゅ、15万……?! 



「今期は、リフィルもあるらしいし。何といっても、この最高水準の攻撃速度だ!! 

ただ……運については、ご愛嬌ってところかな? でもそれを差し引いたとしても、私としては、かなりの超級オススメ品なんだがね」

「…………」


 と言ってもさぁ~、その値段は流石にちょっと……。

 ということで、わたしは軽くため息をつき、断ることにした。が、


「このアクセサリーを造るのに、結構苦労をしたよ。前期で溜め込んでいた素材の殆どを、これに使い果たした感じかな? 

まあアリスちゃんの為だと思えば、それでも楽しかったくらいなんだがねぇ…………って、アリスちゃん? どうかしたの?? さっきから何だか、顔色が悪いよ?」

「あ、いえいいえ!! ありがとうございます!! ──か、買います! もちろん、買いますよ!! そんなの当たり前じゃないですか! あは、ハハ……!!!」


 そこまでしてもらって、まさか『要りません』とは流石に言えないもんなぁ~……?

 という訳で、わたしの残り財産は果てしなく0リフィルとなる。

 つまり、分かり易く言うと、破綻……。



 ──ぐは!!



 そんな訳で結局、今期も“貧乏”からのスタートになりそぅだよぉ~…………もぅ泣ける。






 【第二期】、第一章《新GM誕生!!》 おしまい。 

 という訳で、大丈夫ですよっ! 今期も、安定の貧乏です(泣)

 

 本作品をお読みになり、感じたことなどをお寄せ頂けたら助かります。また、評価などお待ちしております。今後の作品制作に生かしたいと思いますので、どうぞお気楽によろしくお願い致します。





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