-6-
……あれから、3日後の夕方。
「ただいまぁ~」
「あら、おかえりなさい、アリス」
「ねぇ、母さん。今日、父さんは?」
「まだよ、今晩も残業代だって。この頃、どうも忙しいみたいね?
それよりも早く、手と顔を洗って降りてらっしゃ~い」
「はぁ~い」
それからわたしはご飯って、風呂って、それから自分の部屋へと直ぐに戻りノートパソコンを早速起動。そして棚からA・Fセットを取り出し、いつものチェックを開始!
それから少し緊張しながら、A・Fを起動する。
すると……いつもとは何か違う雰囲気でA・Fは立ち上がり、眩い光に画面一杯包まれ、そのあといつもとは違い可愛い女の子ナビゲート・オペレーターが現れ、にこやかに色々と説明を初めていた。
今期から新たに加わる機能や変更点の説明と挨拶、それから運営側の感謝の思いを伝えてくる。
そして遂に、急に改まった表情に変わり本題に入る。
『アリスでございありんす様、《アストガルド・ファンタジー》の世界へようこそ!
今回の抽選結果により、あなたの《所属勢力》は、この様に決まりました……』
「……シャインティア、シャインティア! シャインティア! シャインティア!!」
わたしはそこで、何度も同じ言葉を唱えつつ祈り、ゴクリと息を呑む。
『《南西シャインティア》』
「──!! やった!」
『さあー! 新たなアストガルド・ファンタジーの世界で、あなただけの、あなたオリジナルの生涯忘れられない素晴らしい冒険の旅と壮大な物語の思い出を、大切な仲間たちと一緒に、どうぞ思う存分お楽しみください』
ナビゲート・オペレーターの、にこやかなアナウンスが終わると同時に。わたしは、アストガルド・ファンタジーの世界へと光輝きながら降り立つ。
そして直ぐに、《ギルド検索》開始!
「……」
わたしは……その検索結果を見て、思わず両手を顔に当て、つい感情が高ぶり涙が溢れ出し止まらなくなった。
身体を震わせ泣きじゃくりながらも、ギルド掲示板の代用として“ギルド・プロフィール欄”に書かれてある、広大な南西シャインティアの首都フェル=ベル内に設けた《集合場所》へと、迷い迷い壁に鼻とか顔とか身体をぶつけたりしながら急ぎ走り向かい。到着すると、そこでわたしはゆるりと……感慨深く周りを見回し、ポロポロと情けないほどに涙したまま満面の笑みを浮かべ。そこで元気一杯に、大きく口を開き言った!
「──《今期》も、皆さん。どうぞよろしくお願いします!!」
── アストガルド・ファンタジー ──
─完─
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。感謝します!
本作品をお読みになり、感じたことなどをお寄せ頂けたら助かります。また、評価などお待ちしております。今後の作品制作に生かしたいと思いますので、どうぞお気楽によろしくお願い致します。
引き続き、第二期をお楽しみください。




