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アストガルド・ファンタジー  作者: みゃも
【第一期】、第7章《ワールドリセット……さようなら! 黄昏の聖騎士にゃん》
46/213

-5-

「もぅ、そろそろだよね?」

「……だね」


 次の日のお昼休み、わたしは真中と一緒にスマホに映し出される『アストガルド・ファンタジー』のホーム画面を眺め、互いに確かめ合っていた。


 ホーム画面では今ログイン制限が掛けられ、ワールドリセット開始までのカウントダウンが行われている。



「……もぅ間もなく終わるね、アリス」

「……ぅん。そうだね…」

「よっ! アリスに榊原、お前ら相変わらず仲がいいな♪」

「……えぇ、まったく。思わず焼き餅をしてしまうほどなので、参りますよ…」


 またいつもの様に、岡部くんと太一が遅れてやってきたのだ。



「そんなことよりも2人とも、コレみてみ! もう直ぐだよ!!」

「あ……ワールドリセットか?」

「確かに、もぅ直ぐみたいですね……?」

「……ぅん」


 そして遂に……カウントダウン、秒読み開始!


「「「……5……4……3……2……1……0!!」」」



 そのタイミングで真中がスマホをタップし更新すると、『只今、ワールドリセット作業中です』という表示に変わる。



「……本当に終わっちゃったね?」

「ぅん。終わった……何だか寂しいけど」


 わたしと真中は互いに顔を見合わせ、軽くため息をつき肩をすくめる。

 すると岡部くんと太一が顔を見合わせ、口を開いてきた。


「いや……そうじゃないよ、アリスに榊原」

「えぇ……そうですね」

「「……??」」


 2人がそういう変なことを言ってくるので、わたしと真中は不思議に思い互いに顔を見合わせ、それからそんな2人を改めて見つめ聞いた。


「それ、どういう意味?」

「うん。岡部くんに太一、言ってる意味わかんないよ」

「いや、だからさ。これは終わったんじゃなくて……」

「これからまた、始まるんですよ……。

新たな仲間たちと繰り広げる、壮大な《アストガルド・ファンタジー》の世界がね!」

「「──!!」」



 ……言われみて、初めて色々と気づくことがある。


 後ろばかり見ていた、自分が居たこと。


 過去の楽しい日々に執着していた、自分が居たこと。


 そして、これから始まる新たな世界と、これまでと変わるかも知れない何かに怯える自分自身が居たことを……。


 でも、そうだよね?

 後ろばかり振り返っていても、仕方がない。今を生きて、これから新たに始まる出逢いと、ニューワールドを楽しむ!

 今はそれで良い。それしかないよね?



「何にしてもあと3日後だな?」

「えぇ……その間は落ち着かないと思いますが、期待しててください♪」

「だね!」

「うん、そうする!」


 そう、あと3日……金曜日の夜に、全ての結果がわかる。

 それまでは期待して、楽しみながら待つことにしよう!



 わたしはそう決め、期待で胸を膨らませ、空を見上げた──。




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