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アストガルド・ファンタジー  作者: みゃも
【第一期】、第6章《南東ワイズヘイル城、攻略戦!!》
37/213

-4-

「いよいよ今晩で終わりかぁ……」

「だねぇー」


 次の日の午後。

 わたしは真中と一緒に、近くの公園でお喋りをやっていた。そこでつい残念に思い、そう零してしまったのだ。


「この1年と数ヶ月、ギルド選びから育成から悩んだり迷ったりすることも多かったけど。凄く楽しかったよね、アリス!」

「うん、うん! 結果として今のギルドに入ったのは、大正解!! 本当に楽しかったなぁあー!」


 わたしが感慨深くそう言うと、真中が急に寂しげな表情をして元気なく俯き口を開き言う。


「……なんだかそう言うと、これで本当に終わりみたいな気持ちになるから、そう言うの辞めようよ、アリス…」

「あ……ごめん、真中。そうだよね? また次のワールドでも一緒になれる筈だもんね!! うん、信じる!」


 根拠?

 そんなものなんて何もないんだけど。でもさ、可能性はいつだってゼロじゃない、って言うでしょう? だったら今はわたし、それを信じてみる! 願えばきっと叶う、そう思ってるから。

 真中もそれで、ようやくまた笑顔を見せてくれた。



「今夜の作戦、上手くいくといいね?」

「ぅん……。うちの母さんと来たらさ、今朝起きて降りたらもぅ凄い形相でさ……」


「え? どう凄いの??」

「『アリス、今晩の大決戦でワイズヘイル城を攻めて来たら、明日の朝飯はあなたが作りなさいよ!』とか……もぅ言うこと滅茶苦茶で。まぁうちの母さんらしい、いつもの冗談なんだけどさぁ~……」


「あはは♪ でもアリスの家は良いよね! 家族ぐるみでA・Fをやってるから、理解があって」

「うん、その点では凄く助かってるよ! でも勢力が違ってるから、毎月この調子なのが辛い……次のワールドでは同じ勢力になりたいけど、そう上手くはいかないよね?」


 真中は困り顔に苦笑っている。

 その表情を見て、わたしようやく気づいた。つくづく反省な気分だよ……それで真中に小さく、「ごめん」と謝る。


 それに対し、真中は笑顔でこう答えてくれた。

 

「きっと大丈夫だよ! だから安心して、アリス」

「……。うん! だよね!!」



 真中だってきっと、不安なんだと思う。

 でも今はやはり、前向きに頑張れば絶対に良い結果が待っている筈だと信じていたかったんだ。




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