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アストガルド・ファンタジー  作者: みゃも
【第一期】、第6章《南東ワイズヘイル城、攻略戦!!》
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-1-

 お待たせ?しましたぁあー!!(いやぁ~……もぅいいよ。

 いよいよ、第六章《南東ワイズヘイル城攻略戦!!》投稿開始致します! 今回も凄い手抜き感を感じる『まんま』な章タイトルですが、内容としてはまたしても間違ってない?!


 今回は、前回の続きからの始まり。正直、ここまで大変なことになるとは思ってもいなかった?!的な大決戦のスケールに書き手も思わず『ぐはっ!!』考えてみたら《大決戦》の総プレイ時間4時間は、《決戦》の4倍スケール。こうなるのは自明だったのか??! 


 ……それは読んでからの楽しみ?です(ぇ


 あと今回は、章内完結しておりません。5章・6章・7章と結局3章にまで渡ってストーリーが大きく展開することになっちゃいました。既に7章の制作は開始しておりますが、まだ着手したばかりです!(おい



 それから彼女の“ゲーム内貧乏”ぶりは相変わらずです・・・(泣



 ──北西アストリア城内。


「泰然殿! 我が軍勢が劣勢に立たされているというのは、どういうことか?!」

「……」


 アストリア城内にある大戦略室へと、G2ランク・リーダーであるグランセルがズカズカと入って来るなり、そう吠えていたのだ。

 その場に居た山河泰然とねこパンチの2人は、そんなグランセルに対し困り顔を向ける。



「……まだ、そうなると決まった訳ではありませんよ、グランセル殿」

「状況はまだ、依然として我々が優勢にゃりが。南西の行方次第では、解らぬにょでな」

「南西次第?」


 山河泰然とねこパンチ2人の言葉を受け、グランセルは戦略板を前屈みに見つめ。その状況を把握すると、間もなく眉をひそめ口を開く。


「……これはまさか、天龍姫殿が居るG1が狙われているのか?! しかし何故、こうも早く位置を特定されたんだ?」


「……そこが、つくづくあの冬馬殿の恐ろしいところにゃりよ」

「ええ、最初から全て読まれていたとしか思えませんからね……」

「……」


 グランセルは唸り、大剣を持ち上げ口を開いた。


「これより我が軍も急ぎ、南西へ向かい出撃するが、よろしいか?」

「……ああ、頼む」


 泰然の了解を得て、グランセルはその表情も険しく早々に戦略室を後にした。




 ──一方、南東ワイズヘイル城内にて。


「さて……こちらの思惑通りに、相手が動いてくれると助かるんだけどね」

「動くだろ? 

例え動かなかったとしても、私としては何の心配もしていないがね?」


 冬馬の言葉に対し、フェイルモードは随分と落ち着いた様子でそう返していた。


「おぃおい、そんな冷たいこと言わないでくれよ。何だか急に悲しくなるなぁ……」

「ハハ、別に冷たくしてる訳じゃないさ。ただな、ここには君1人が居れば十分だ。

そんな訳で、私もそろそろ陣営勝利の為に、軍を率いて出撃させてもらうよ」


「……そぅ、だね。何だか寂しくなるけど、君の力は必要だ。頼むよ、フェイルモード」

「ああ、こちらこそ。今回も素晴らしい陣頭指揮を期待しているよ、冬馬!」


「あ、いや……私は地雷だし、先頭にはいつも立たないから。正確には、陣“尻”指揮かな?」

「──ぶふっ! まさかの尻かぁ?」


 フェイルモードは吹き出し笑いながら、そう言った。

 それに対し冬馬は肩をすくめ、口を開く。


「うん、尻。私には、お似合いな名前だろ?」

「ハハ! お前って、どこまで自虐的なんだぁ? では行ってくるな!!」


「……」


 別に……自虐的なつもりはないさ。私はこう見えて、実はいつだって不安なんだよ。不安だからこそ、策に策を練る。常に次の一手を考える。そうしたことが結果として、今までの成果に繋がっていたに過ぎないんだ。

 そうさ、私はただの凡人なんだよ……皆が思っているほど、大した奴じゃない。なのにみんな、私を頼りにする。それが時として恐ろしく、だからこそいつも不安なんだ。

 そして不安だからこそ、更なる最善の一手を考える。


 私はね……実は、ただの臆病者に過ぎないんだよ? フェイルモード……。




 ……そうした各陣営でのドラマが行われている間にも、わたし達が居る南西部の大戦場では、今まさに危機が迫っていた。


「クソっ! どうやら囲まれたらしいな……」

「……参りましたね。ここは天龍姫さんの言う通り、即時撤退するしかないようですが……」

「撤退と言っても、もう既に囲まれてるみたい。どうするの?」


 フェイトさんにランズベルナントさん、それにマーナがそれぞれに言い合ってる。

 北側にある拠点付近に、デッキパーティー1軍。更に東側から、2軍。そして西側から、1軍。南側からも、2軍がこちらへと向かい押し寄せていた。


 その数、総勢192名。


 対するこちら側は、32名しか居ない。その圧倒的数から言って、とてもまともに戦える戦力差ではなかった。



「そんな悠長なこと言ってる場合か! 北側の1軍さえ突破すれば、味方との合流だって可能なのだ。迷うまでもないではないか!!

ね! アリス様もそう思うでしょ?」

「え?? あ、まぁ……そぅ、だよね?」


 確かに、いま視界に見える状況から判断する限り、それが一番良いような気がするけど。


「……ミレネ、もっと全体をよく見て判断するようになさいね?

この動きには、明らかに組織的な采配が垣間見えます。

恐らくその背後には……あの戦略家の冬馬さんが居るのではないかと。

だとすれば、本来合流を阻止すべき北側を『敢えて手薄くしている』のには、何かしらの『策』があってのことだと考えるのが妥当です」


 あ、そうか! 

 新道冬馬さん……。


 その直後、陣営本部より連絡が入った。



『フェイト殿、こちら陣営本部の泰山です。今、貴殿デッキパーティー付近で起きて居る状況を、可能な限り正確に伝える。

貴殿パーティーの北側から南東ワイズヘイル側に掛けて、突如として拠点が次々と制圧され始めている。

状況的に、貴殿パーティー北側に複数軍のデッキパーティーの存在が伺われる。最低でも、2軍から3軍は居るだろう……。

今そちらへ《Gパーティー》2軍とグランセル殿の軍、他3軍を向かわせてはいるが、そちらまでの距離を考えると最短でも15分は掛かる。

そこで、細かな采配は現場に居るフェイト殿に全て任せることに決めた。

とにかく《生き残れ》、我々から言えることはそれのみである!

あと……こうなったのは、こちらの戦略ミスだ。本当にすまなかった……以上、健闘を祈る!』



「……どうやら間違いなく。北側へ向かっていたら、完全に策にはまって終わりでしたね?」

「──!? す……すみません…」


 天龍姫さんが真剣な眼差しで、ポツリとそう零し言う。

 それを受け、ミレネさんは涙目に元気なく俯いている。

 わたしはそんなミレネさんの肩を軽く抱き寄せ、「大丈夫、きっとなんとかなるから!」と楽天的なことを言い慰めた。


 天龍姫さんは、そんなこちらを軽く肩をすくめながら見つめ。それから思案気に俯き、口を開く。



「仕方ないですね。西へ……向かいましょう」

「「「──!!」」」


 わたし達は、その天龍姫さんの提案に驚いた。

 だって、この位置から西へ向かうと、南西シャインティアの本拠地であるシャインティア城付近へ到達してしまう。そうなると戦略的配置とか抜きにして、南西シャインティア勢力の軍勢が、わたし達デッキパーティーを狙い押し寄せてくるのは目に見えていたから。


 だってさ! シャインティア城を攻略されたら、シャインティア勢力の敗北が初日にして確定してしまう。つまり、戦場への参戦がそれで出来なくなる。


 流石にシャインティア勢力の人達だって、初日で勝敗が決するのだけは避けたいと思うのが、心理というものだもんね?


 そうこう思い悩んでいると、天龍姫さんが再び口を開いてきた。


「北側は、ダメ。東側は、ランカー揃いで厳しい。南も、2軍でランカーの存在が確認できます。となれば……西へ、向かうしかないと私は思いますよ?」

「でも、それこそ冬馬さんって人の狙う策略なんじゃないの??」

「……そぅ、だよね?」


 わたしは、マーナの意見に同意した。

 が、


「それはそうだけどな、北側は無謀。東側は、ランカー揃いだから簡単に抜け出るのは難しい、その間に、挟み込まれる可能性だってある。そこは南側も、状況としては全く同じ。

となれば、確かに消去法からいって、西しかないんじゃないのか……?」

 と、フェイトさんが思案顔でそう言い。それには、ランズベフナントさんも頷き、口を開いた。


「……なるほどね。実に冬馬さんらしい、戦略の組み方です。

策略を練る上で、彼は必ずいつも穴をどこかに空けている。

北側にしろ、東側にしろ、来られると損失があるが。西側へ向かわせれば、あとは南西シャインティア勢力と勝手にやり合うので。どう転んでも南東ワイズヘイルとしては、損はない。

逆に言うと……その西側へ抜けさえすれば、冬馬さんの戦略の網から離れられる、ということにもなりますね?」



 ふ、深いな……!!

 そこまで先読みしてるんですかあ!?


 わたしには到底、理解不能なレベルなので、参るよ……。



 そうこうしている間にも、わたし達のパーティーは間合いを詰められていた。

 もう迷っている場合ではない。


「よし! 天龍姫さんの案を信じて、西へ向かうことにする。

では、みんな行くぞ!」


「「「にゃにゃん!!」」」





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