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アストガルド・ファンタジー  作者: みゃも
【第一期】、第5章《Gパーティー結成!! いざ! 大決戦へ》
31/213

-5-

「ただいまぁ~」

「あら、おかえりなさい、アリス」


 家の中の居間で、珍しく母さんがパソコンを開きスカイプをやっていた。


「うん今ね、うちの娘が帰ってきたところ。ということで、冬馬さんにもそのことをよろしく伝えといてね? そうそう、じゃあまたねー」

 

 冬馬……さん?

 そう言って、母さんは回線を切った。


「……別に、わたしのことなんか気にしないで話続けてても良かったのに。先にお風呂からでも良かったんだからさ」

「それはそうかも知れないけど、あなたの母親としてのケジメだけはちゃんとしないとね?

ほらほら早く、ちゃちゃっと手と顔を洗って、うがいもやって早く着替えて降りてらっしゃ~い」


「はぁ~い」


 それにしても……さっきの会話、ちょっと気になるな。そう言えば母さんと父さんは、南東のワイズヘイル所属だっけ? あとでそれとなく内情を聞いてみようかなぁ……。



「え? 冬馬さん??」

「……ぅん。どんな人なのかなぁ? と思ってさ」


 母さんと一緒にご飯しながら、わたしはそれとなく聞いたつもりなんだけど、思った以上に母さんが強い反応を示して来たので参った。


「どんなって……まぁ素敵な人よ? 惚れっぽいアリスなんか、即日惚れちゃうくらいにね?」


 ほ、惚れっぽいって……。


「これでも意外にも、ガードは固い方だと思われるのですが……?」

「まぁガードは固いと母さんも思うけど、惚れっぽいのも確かでしょ?」


「──ぅ!!」



 そ、そこは言い返せないかも……当たってますから。



 母さんはわたしを半眼に見つめ、微笑み言った。


「それにしても、実直不器用な正直者のアリスがまさかスパイなんかしてくるなんて、母さん関心したわよ」

「──す、スパイとかそういうつもりなんかでは決してないので!」


「あら……そうなの? ちょっと残念ねぇ~」

「ざ、残念って……」


 つくづくうちの母さんは、理解に苦しむよ。

 それにわたしなんかが相手側の内情を知った所で、作戦自体に影響を与えるなんて、そもそも有り得ないことなんだからさぁ~。


「とりあえず一つ良いことを教えておくわね?

うちのギルドと薔薇の騎士団は今回、連盟を組むことになったので、覚悟なさい。

《天山ギルド》GM天龍姫さんとパーティーを組むことになった、最強補助チートスキルマスターのアリスさん♪」

「……へ?」


 その時の母さんの視線は、まるで大弓のミレネさん並みに怖かった。そして、こちらは全く把握してなかったんだけど。どうやら母さんの方は、北西アストリア内部の事情に凄く通じているらしい……。


 わたしは思わず頭を抱え込む。そして苦笑いながら、母さんに言った。



「こ……今度のワールドリセット後は、出来たら同じ勢力になりたい…ね?」

「そうね、そうなるといいわねぇー♪」


「は、ハハ……」 

 

 実は前回敢えて別勢力にしたのは、わたしなんだけどね……今となっては、なんか凄い後悔な気分だよ…だって敵に回すと、なんか怖いんだもん。



 わたしはその後、お風呂にくたくたぁ~とのんびり入り。自分の部屋へと戻って、時計を見る。

 20時25分だった。


「ぅわ! もぅこんな時間!!」


 大決戦は、21時から23時までの2時間行われる。既に集合時間に間に合わない感じなので焦った!



 わたしは急ぎノートパソコンを起動し、棚からヘッドギアとスーツにシューズを慌てて取り出し、いつものように一つ一つチェック確認を開始!


 目を左右上下に動かし“目”認証カメラ連動感度確認よし。“頭”も左右上下に動かし前面上下210度HDフル画面カメラワークの動作と感度確認よし。

 それから赤いラインの入ったセンサーグローブを装着し、手指を動かし動作感度確認。

 次に専用ボディースーツを着込み、ポンポンと軽く叩き衝撃の程度を調整確認。それから腰や身体をひねり動作感度共に良好確認。

 そして専用シューズを履き、軽く前後左右とクイック&クイックバックでチューニング具合確認。


「ヘッドギアよし!

グローブよし!

スーツよし!

シューズよし!

A・F起動よし!

ドリンクは開始直前なので、『準備のみ』でレッツよし!」


 そんな訳でアストガルド・ファンタジーの世界へは、まだトリップしない状態で通常ログインする。

 でもヘッドギアの大画面やその他が充実しているので、別にトリップしなくても十分楽しめるくらいにリアルだ。

 

 それに最近思うけど、トリップ感覚が残っているのか疑似的にそれに近い感覚を覚えることもたまによくあるんだよね?


 そんな訳で、わたしは集合場所へと走り向かった。




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