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アストガルド・ファンタジー  作者: みゃも
【第一期】、第5章《Gパーティー結成!! いざ! 大決戦へ》
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-4-

「いよいよ、今晩かぁ~」


 金曜日のお昼休み、いつものように真中と一緒して他愛もない話をやっていたんだけど。急にそのことを思い出し、ポロリと零してしまった。


「だね! あとはGパーティーとしての役割を無事に果たし、見事勝利で最後を迎えたいかな?」

「うん、うん! だよね! そうなるよう、頑張ろう!」


「よっ! アリスに榊原」

「何だか2人して楽しそうですね?」


 そこへ、いつものように太一と岡部くんがやって来た。


「やっほ! 太一に岡部くん♪ 今ね、いよいよ今晩から始まる大決戦への意気込みを、真中と語っていたところ」

「ハハ! まあ、やるだけのことはやった訳だし。あとは成るようになるさ。

とにかくこれで、最後なんだから。アリスと榊原は、お互いに楽しむことを最優先させたら、それだけでいいよ」

「と言っても、Gパーティーに選ばれた2人としては、内心そう気楽にもしてられないのでしょうけどね?」


 わたしは太一からのその言葉を受け、真中と互いに顔を見合わせ肩をすくめ合い。それから2人に軽く笑みを浮かべ、言った。


「それらも含め、今晩は思いっ切り楽しむつもり!」

「なかなか無い機会に恵まれたもんね? アリス」


「だよね! 楽しみつつも頑張るから、見てて!!」


「ハハ! それを聞いて安心したよ。それからな、アリスにとってはとても良い知らせがある。な?」

「ですね♪」


 岡部くんと太一は、そこでお互いに顔を見合わせ微笑み、わたしを見つめてきた。


「良い知らせ……って?」

「ワールドリセットで、ギルドが今度解散されるだろ? それに伴い、この前のメンテナンスでギルド管理画面から操作可能な新しい《機能》が幾つか増えていたんだよ」


 新しい、機能??


「その一つが、『ギルド資産の分配』です。うちのギルドが持つ総資産は、3000万リフィル以上もありますから。大変な額が配当可能です」


 うっわ、それメチャ凄い!!


「但し……分配金は、ギルド貢献度に応じて自動配当されるので。このままだとアリスの配当金が少ないことになる……」

「──ぐは! そ、そうだよねぇ……世の中そんなに甘くはないようで…」

「だけど、アリスのギルド貢献度は誰が見ても、確かなものです。問題は、運営側にあるんですからね?

例えば、決戦に於いても補助でみんなに貢献しているアリスには、システムとして何の見返りもない。

毎回の報酬にしても、その為に少ない」

「あ、私もそれはいつも感じてた。お陰でアリス、いつも貧乏だもんね?」


 ──ぐは!


 いやまぁ……わたしが貧乏なのは、そればかりが理由ではないのですが。確かに貰える報酬は、毎回控えめだったかも?


「という訳で、些少かも知れないけど。ギルドメンバーに今少しずつ掛け合い、協力してくれる人達を募ってるところだから、楽しみにして待っていてくれ!」

「基本的に、全員に協力してつもりなんですがね?」


「え? あ、あの! ちょっと待って、そんなの別にいいよ……。何をやろうとしているのか、よく分からないけどさ。わたしなんかの為に、そんな無理なんかしなくても……確かにありがたいとは思うけど、思ってはいるけど。最後の最後になって、ギルドの皆に迷惑はかけたくないし……」


 何をしてくれようとしてるのか、分からないけど。少なくとも、わたしの為に何かやってくれようとしてるのは分かったから。


「誰も迷惑だなんて思ってませんよ、アリス。これはギルドとしてのアリスに対する感謝の気持ちです。

今まで裏方として頑張ってくれた、君へのね?」

「これは、ねこパンチさんの意向でもあるんだ。

『アリスには、何か最後にお返しがしたい』ってな。だからつべこべ言ってないで、その時が来たら素直に受け取れ。な?」

「それがどういうのかよく分からないけど、私もモチロンそれに参加するね!」

「ハハ! 助かるよ、榊原♪」


 岡部くんは明るく笑いながらそう言った。だけど、わたしは……何だかこれで、本当に皆との縁が切れてしまうような気がして、どこか切なく寂しかった。

 でも、その気持ちは確かにありがたいと思うし、感謝だ。


「……うん、わかった! 真中も、ありがとう!!」


 わたしは満面の笑みを、そんな3人に向けた。


 今は、今を精一杯に楽しもう!! 結果もまだ出てないのにクヨクヨしてたって、仕方がないからね?


 そう思って!




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