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アストガルド・ファンタジー  作者: みゃも
【第四期】 第18章 大決戦!
201/213

ー1ー

「おはよー。友翔」

「おはよう。姉さん」

「あ、そうだ。お母さん」

「なに? りな」

「わたし、彼氏が出来たんだ」

「!? あなたに彼氏? ホントなの?!」

「なんでそこで驚くかな……? それでさ、念の為になんだけど」

「なに?」

「ゴム頂戴」




「ヘカトンケイルたんのドロップよかったねぇ。モグモグ」

「何とか大破しないで済んで良かった」


 次の日のお昼、いつものように真中と学校の屋上で弁当ってた。


「偶に一撃喰らうと壊れたんじゃないかって、びっくりするよね?モグモグ」

「破壊力半端ないもんね」

「装備壊す系のモンスターが増えて来て大変。モグモグ」

「気が抜けないもんね?」


「よっ。アリスに真中。ここ良いか?」

 りなりぃだ。


「良いよ良いよ〜モグモグ」

「それにしてもさ、アリスの家って良いよな?」

「なんで? モグモグ」

「ゴム貰えたんだろ? 今朝さ、彼氏出来たからゴム頂戴っていったらさ、めっちゃ怒られた」

「……普通はそうだろうね」

「だけど、無かったらいざって時、大変じゃない?」

「この歳で子供は欲しくないなぁ……」

「しなければ良いんじゃない?」

「バカだなぁ。相手はあの岡部だぞ。いつ押し倒されてもおかしくはない」

「……確かに」

「納得」

「何が納得なんです?」


 太一と岡部くんだ。


「岡部がわたしを押し倒す確率」

「……100%ですね」

「100%……って」

「そりゃしょうがねぇだろ? お前は彼女でオレは彼氏。オレにはお前を押し倒して、アレコレする権利があるんだよ」

 

 そこまで言い切られて、流石のりなりぃも恥ずかしさで顔を真っ赤にしている。


「お前は鬼畜か!」

「鬼畜を彼氏に選んだりなりぃ、チーン。モグモグ」

「今からでも良いから、別れたほうが良いんじゃない?」

「考えとくわ……マジで」

「おいおい、オレから唇を奪った者とは思えぬ言葉だな」

「そのあと2回も奪い返しただろう?」

「え? どういうこと??」

「岡部からあのあと2回もキスされたんだ。壁ドンされて」

「それだと奪われたとか言えないね?」

「寧ろわたしの方が奪われてる……」


 3回っていったら、わたしと太一よりもやってるじゃない。いいなぁー……。



 その日も太一と手を繋いで、駅までおしゃべりして帰った。そしてそのまま帰ろうとする太一の背中に抱きついて、目を潤ませながら見つめた。お願い気づいて……。

 太一はわたしの手を取り、誰も居ない自販機の影に隠れ、わたしは背を伸ばし、唇と唇が重なる高さまで伸ばした。そんなわたしの身体を太一は優しく抱いてキスしてくれる……。何度も何度もキスをした。それからはなれ、お互い笑顔を向け合うと駅で別れた。



「ただいまー」

「おかえりなさい。アリス」

「今日ね、沢山キスをした!」

「あらあら、どうだった?」

「なんか幸せな気持ちになれた」

「今度、母さん、その人に会いたいなぁ……」

「うん。今度連れてくるね!」

「約束よ。さ、手と顔を洗ってらっしゃい」

「は~い」


 そのあとご飯って、風呂って、2階に上がりゆったりとした。今日は決戦だ。勉強もほどほどで、わたしはAFセットを装着して、ログインした。


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