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「ただいまー」
「あら、おかえりなさい。アリス。
手と顔洗ってらっしゃい」
「は~い」
このあとご飯って、風呂って、2階でゆっくりした。そこで改めて考えた。太一と岡部くん、どっちが好きなんだろうって……。どっちも気になってはいる。でも、どっちが好きかってなるとわからなくなるのだ。
太一は優しいし、気も利いてる。岡部くんは喧嘩ばかりしてるけど、仲良しだし自然体でいられる。
「ダメだ。わかんないや……AFしよ」
「ライアスさぁ~ん、居ますかぁ? アリスでぇ~す」
「おお、アリスちゃん、いらっしゃい! 今日は早いね? 装備品だよね? ちょっと待っていなよぉ~、今出すからさ♪」
いつものように通常ログインし、街の中心近くにある《鍛冶屋ライアス》店内の小部屋から顔を出し声をかけると、ライアスさんが笑顔で挨拶してくれた。
それから装備を受け取り、着替えて小部屋から出る。
「じゃじゃじゃ〜ん。新しい装備が出来たよ」
「わお! ありがとうございます!」
「超可成功したのさ。まあ、見てよ。
【《熾天使セラフィムの冠+7[超]30%アップ+特効追加》》
全耐性+19(対人のみ):知力+106:精神力+2450:意志力+74:敏捷+15:スキル発動速度+25%アップ:運-6 追加:装備耐久+7% 光耐性+15% 闇耐性+15% 毒耐性+15%】」
「うわ!! 凄いっ!!! ヤバいですね、コレ!」
「なっ、ヤバいだろう? はっはっは」
「本当にありがとうございます!!」
「いやいや、お陰で儲けてもいるからね」
「あ、そうだ。ライアスさん……気になる人が2人いるんですけど……1人は優しくて、気が付いた人で。もう1人は、喧嘩ばかりしてるけど結局仲良くて、自然体でいられる人で……ライアスさんなら、どちらを選びますか?」
「恋の悩みか……ふむ。難しいね。でも、結局は気が合う相手が一番良いと私は思うかな」
「気が合う相手……わかりました。ありがとうございます!」
「いえいえ。また悩んだら相談に乗るよ」
「ありがとうございます! では、行ってきますねーっ」
「はい、行ってらっしゃい。アリスちゃん」
わたしはライアスさんに笑顔で手をふりふり出た。
「アリスちやん。今日も特売やってるよー」
道具屋のボルテさんだ。わたしは怪しんだ目で聞いた。
「本当ですかぁ?」
「カムカの実がなんとたったの6リフィル!」
普通!
「じゃあ、カムカの実を袋いっぱいください。あと傷薬を5つ。魔聖水10本お願いします」
「まいど〜♪」
道具屋のボルテさんに手をふりふり振って分かれた。




