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「天空の城、何とか取れたねぇー」
「うん。結構、激戦だった」
日曜日、いつもの公園で真中と弥鈴ちゃんと話ってた。
「バヌーとアシュベル裸にしてやったから、しばらくは出て来ないと思う」
「あははは」
「アリスお姉さまの奮闘ぶりを遠くからずっと見てました。凄かったです! 何度か助けに行こうとしてしまいましたが……」
「じゃあ、アレもみてた? アシュベルの耳元で……」
「はいっ。ふっと息を吹きかけて……「レジナ」「レジナ」「レジナ」」
「──アリスこわっ!」
「アシュベルにとってはトラウマかな?」
「アシュベルたち、当分、新エリアは無理だろうね?」
「装備品整えるので、手一杯でしょうね」
「まあ、うちのギルドメンバーもまだそんなに居ないけどね」
「高レベルの装備が必要だもん。厳しいよ。新エリア……」
「あとはアリスお姉さまがパーティーに居ること。コレ必須!」
「補助系のサポート半端ないもんねー」
「そういう意味では、ユイリさん新エリアどのくらい進んでるのかな?」
「どうなんだろう……また凄い召還獣連れてくるのかもね?」
「わたし、ユイリさんの持ってる召還獣全部はもってないんだよね。何処に居るんだろ?」
「それも課題ですねー……」
「でも、アウラ·インフォーマルって5枠でしょ? 召還獣ばかり組むよりも、アリスみたいにサポート系も組んで置いた方が良いような気がする」
「ゴッデスウィングヤバいからね……」
「ゴッデスウィングの前は何だったの?」
「耐性アップする奴。組み換えて試してみたら、ザカールさんとか激強になってた」
「まさに、攻撃は最大の防御ですねー」
「うーん……今からりなりぃの家に行く?」
「良いけど、何で?」
「ユイリさんの情報を友翔くんから聞き出せないかなぁ、と思ってさ」
真中はそれを聞いて頬を染めた。
「うん。そうだね。行こう!」
そんな訳でりなりぃにチャットして、尋ねた。
今はりなりぃの部屋に居る。
「弥鈴、ジュース溢すなよ」
「無礼な奴だな。子供じゃあるまいし、溢すものか」
「……十分子供だろう?」
「ねね、りなりぃ。友翔くんは?」
わたしはりなりぃに聞いた。
「居るよ。呼んで来ようか?」
そう言って、りなりぃは呼びに行った。そして2人で戻ってくる。
「アリスさん、こんにちは。なんですか? 用事って」
「ユイリさんの最新情報を知りたくて……」
「……そんなの敵に教える訳ないでしょ?」
「敵って……ユイリさんとは今では友達な訳で…」
「だったら本人に聞けばいいじゃないですか?」
ご尤もです……。思わず頭が下がってしまった。
「僕に用はそれだけですか?」
「はい!」
「では、失礼しますね……真中さん、ごゆっくり」
「あ、はい!」
そうして出て行った。
「おい、聞いたか今の? 真中さん……ごゆっくり、だって!」
「べ、別にそんなの普通でしょ?」
「バカ! 真中にだけ言ったんだぞ。脈アリだろ」
「わたしもそんな気がする。わたしに対する時と真中の時じゃ、接し方も違ってたもん」
「……真中のどこがそんなにいいのだろうな?」
ポカ☆
弥鈴ちゃんは、りなりぃから叩かれた。
「何をするか! りなりぃ!!」
「今のはお前が悪いだろ?」
2人はいがみ合ってる。
そかー……真中もついに彼氏が……わたしも欲しいなぁ。そう思った途端、フェイトさんの顔が浮かんだ。
違う、違う! フェイトさんは岡部くんだぞ。岡部くんは真中が好……。あ、そか。真中は友翔くんと……。でも、太一も居るし……。
結局、一番煮え切らないのはわたしかも知れない。




