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アストガルド・ファンタジー  作者: みゃも
【第四期】 第15章 ヴィラエウス·ヴォルガノフス討伐
163/213

ー1ー

「デルピューネ強かったねぇ……モグモグ」

「うん。わたし何度も倒されちゃった。ごめんね」

「良いよ良いよ。昔はわたしがそんなだったし。わたしも結構ヤバかったし……モグモグ」


「よっ。アリスに真中。ここ、良いか?」

 花藤璃奈りなりぃだ。


「良いよ良いよ〜モグモグ」

「新エリアのヴィラエウス·ヴォルガノフス、めちゃ強そうだったよね?」

「あれの討伐にも、数日間はかかりそうだよな」

「パランティアでゴリ押しできないかなぁ?」

「だよね」

「あの手のは装備に負担が掛かるからな。モグモグ……パランティアで体力回復しても装備が持つかだろうな……モグモグ」


「よっ。今日も仲良くやってんな」

「こんにちは」

 岡部くんと太一だ。


「聞いたか? 天山の大手3ギルドと対·天山ギルド同盟のバヌー、アシュベル【対にゃん♪連合体】のこと」

「それがどうしたの?」

「今回も炎の城を狙ってくるらしい」

「懲りないねぇ……モグモグ」

「アリスの『レジナ』で、裸にしてやったら?」

「あはは。それはそれで可哀想な気がして……」

 装備品を失う悲しさ、わたしもよく知ってるからなぁ〜。


「あんまりしつこいようなら、それくらいしてもいいと思うぞ? それくらいしないと懲りないだろう?」

 花藤璃奈りなりぃの言葉に、それもそうだなぁと思った。


「取り敢えず『レジナ』で追い回せば、逃げ出すだろうからな」

「あはは。わたしの悪評が広まりそうな話だねぇ……」

「まあ、大破寸前で辞めとけば良いんじゃないんですか?」

 太一がそう言った。なるほ、それが良いかも?


「それで結果大破したら、自己責任ってことでいいだろ」と岡部くん。

 いいのかなぁ……。


「それで結局、今日の決戦は炎の城の防衛になるのか?」

「そうなるだろうと思う」

「冬馬さんは何か言ってるの?」

 わたしが聞いたら、岡部くんは肩を竦めた。


「いや、まだなにも聞いてない」

「冬馬さんにも相談しないといけませんね」

「今日はわたしも早目に行くね」



「ただいまー」

「あら、おかえりなさい。アリス」

「今日は決戦だから」

「うん。わかってるわよ、わたしも参加するし」


 それを聞いて、わたしは思い出したようにきいた。

「……で、母さん勢力どこだっけ?」

「ひみつ」

「なんで、ひみつにするの?」

「そのうち機会があれば教えるわよ。それまでの楽しみにしていなさ〜い」

「は〜い」

 そのあとご飯って、風呂って、2階に上がってしばらくゆっくりした。


「そろそろ行くか」


 ノートパソコンを素早く起動。そしてイヤホンセットを耳に掛け、スカイプを開き皆に明るく挨拶。


 そうして棚からヘッドギアを取り出し、頭へ装着。目を左右上下に動かし“目”認証カメラ連動感度確認よし。“頭”も左右上下に動かし、前面上下210度HDフル画面カメラワークの動作と感度確認よし。


 それから赤いラインの入ったセンサーグローブを装着し、手指を動かし動作感度確認。


 次に専用ボディースーツを着込み、ポンポンと軽く叩き衝撃の程度を調整確認。それから腰や身体をひねり、動作感度共に良好確認。


 そして専用シューズを履き、軽く前後左右とクイック&クイックバックでチューニング具合確認。



「ヘッドギアよし!

グローブよし!

スーツよし!

シューズよし!

A・F起動よし!!

ドリンク飲んでレッツよし!!」



 わたしは真剣な表情で無駄に気合いを入れ!《トリップ用EEGドリンク》を片手にクルリンと腕を回し、『しゃきーん!』と仮面ライダーポーズを真似てかっこ良く決め?素早くキュッとドリンクの蓋を開け、腰に手の甲を軽く当てながらそれを一気飲み!


 すると間もなく、わたしの目の前にアストガルド・ファンタジーの世界が次第に広がってゆく──。




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