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アストガルド・ファンタジー  作者: みゃも
【第四期】第14章 女神 デルピューネ討伐!
161/213

ー10ー


「いよいよ、デルピューネだね〜っ……モグモグ」

「パランティア足りると良いんだけどねっ」

「どうなのかなぁ〜……モグモグ」


「よっ。アリスに真中。ここ、良いか?」

 花藤璃奈りなりぃだ。


「良いよ良いよ〜モグモグ」

「今日も可愛いキャラ弁だね」

「わ、ホントだ。可愛い♪」

「や、やらないからなっ!」

「取らない取らない、だから安心して……モグモグ」

「卵焼き……ゴクッ」

「真中が怪しいぞ……? モグモグ」

「昨日、ハムカツ取られたからなぁ〜」

「その前に、卵焼き取ったのは誰だよ?……モグモグ」


「よっ。お前ら、今日も仲良くやってんな」

「こんにちは」

 岡部くんと太一だ。


「何の話してたんだ?」

「ハムカツと卵焼きについて」

「えとね、花藤璃奈りなりぃがハムカツ狙ってて、真中が卵焼き狙ってんの……モグモグ」

「わたしは狙ってないぞ、アリス……モグモグ

真中が一方的に狙ってるんだ」


「つか、花藤璃奈りなりぃの可愛いキャラ弁だなぁ〜」

「ホントですね」

「ほっといてくれ。味に変わりはない……モグモグ」

 そんな言いながら、花藤璃奈りなりぃ満更でもなさそうな顔をしてる。


「今日のデルピューネたん、倒せるかなぁ?」

「どうだろうな? オレも攻略法考えながらやってはみるけど」

「わたし倒せるの前提で、ライアスさんに期待してて、って言っちゃった……」

「おいおい。まあ……ライアスさんをガッカリさせない為にも倒さなきゃな。オレも最近、世話になってるし」

「私もお世話になってますし。頑張ってみますよ」

「お世話になってるって意味では、天龍姫さんばかりに頼ってられないからなぁー」

「少しは良いところ、見せておきたいですよね」


 そんな2人をわたしと真中と花藤璃奈りなりぃは、じ~っと見つめる。


「この前、リアルで天龍姫さんと会ってから態度が違うよねぇ〜」

「ホントホント」

「なんかいやらしいよな」

「べ、別に違ってないよ、違ってない」

「き、気のせいですよ、アリス」


 ……明らかに動揺してるし。浮気禁止っ!




「ただいまー」

「あら、おかえりなさい。アリス」

「ねぇ、お母さん」

「なに、」

「お母さんのところでも、アスモデウスとかやってんの?」

「わたしはやってないわよ。他の人は、わからないけど」

「そうなんだ。女神 デルピューネは討伐された?」

「それも聞かないわね」

「そか。ありがと」

「それよりも、手と顔洗ってらっしゃい」

「は〜い」


 それからご飯って、風呂って、2階の部屋でちょっとのんびりした。

 ネットの攻略情報にも女神 デルピューネの討伐についてはまだ書かれていない。今日倒せば、わたし達が初めてということになる訳か……。


 それから21時まで勉強した。


 

 勉強を辞め、ノートパソコンを素早く起動。そしてイヤホンセットを耳に掛け、スカイプを開き皆に明るく挨拶。


 そうして棚からヘッドギアを取り出し、頭へ装着。目を左右上下に動かし“目”認証カメラ連動感度確認よし。“頭”も左右上下に動かし、前面上下210度HDフル画面カメラワークの動作と感度確認よし。


 それから赤いラインの入ったセンサーグローブを装着し、手指を動かし動作感度確認。


 次に専用ボディースーツを着込み、ポンポンと軽く叩き衝撃の程度を調整確認。それから腰や身体をひねり、動作感度共に良好確認。


 そして専用シューズを履き、軽く前後左右とクイック&クイックバックでチューニング具合確認。



「ヘッドギアよし!

グローブよし!

スーツよし!

シューズよし!

A・F起動よし!!」



 そんな訳でアストガルド・ファンタジーの世界へ、通常ログインする。




「ライアスさぁ~ん。居ますかぁ〜? アリスでぇーす」


「ああ、アリスちゃん、いらっしゃい! 装備品だよね? ちょっと待っていなよ。今出すからさ♪」



 いつものように通常ログインし、街の中心近くにある《鍛冶屋ライアス》店内の小部屋から顔を出し声をかけると、ライアスさんが笑顔で挨拶してくれた。


 わたしは装備品を受け取り、装備して小部屋を出た。


「今日も戦利品に期待しててくださいね! では、行ってきますね〜っ」

「期待しているよ。うん。いってらっしゃーい」


 ライアスさんが笑顔で見送ってくれた。



「こんばんは、アリスちゃん。今日も特売やってよぉ〜」

 今日も特売っ!!

 わたしは目を輝かせながらボルテさんに近づいた。


「で、お幾らなんですかぁ?」

「カムカの実が1個たったの7リフィル!」

「は?」

 微妙に高いんですけど……。

「ちょっと高くないですかぁ?」

「明後日から決戦だからね。値上がりしてるのさ」

「なるほど……仕方ないですね。

では、この袋いっぱいください」

「まいど〜♪」


 わたしは笑顔てボルテさんに手をふりふり別れ、浮遊遺跡へと向かった。


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