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「ただいまー」
「おかえりなさい、アリス。ミレネちゃん、来てるわよ」
「アリスおねーさまっ。こんばんは!」
ミレネちゃんが可愛い感じで現れた。
「ミレネちゃん、こんばんは! 今日はどうしたの?」
「たまたま近くに来たので寄りました!」
「たまたま……」
あそこの神社からここまで駅2つ。たまたまという距離には思えないんだけどね。ま、いっか♪
そのあと一緒にマリオカートで遊んで、めっちゃ負けて……。ご飯って、一緒に風呂ってぷにぷにして(お風呂道具持参してた)20時頃には元気よく手をふりふり帰っていった。
「さてと……」
時間ないけど、ちょっと勉強。でも直ぐに時間は経った。
勉強を辞め、ノートパソコンを素早く起動。そしてイヤホンセットを耳に掛け、スカイプを開き皆に明るく挨拶。
そうして棚からヘッドギアを取り出し、頭へ装着。目を左右上下に動かし“目”認証カメラ連動感度確認よし。“頭”も左右上下に動かし、前面上下210度HDフル画面カメラワークの動作と感度確認よし。
それから赤いラインの入ったセンサーグローブを装着し、手指を動かし動作感度確認。
次に専用ボディースーツを着込み、ポンポンと軽く叩き衝撃の程度を調整確認。それから腰や身体をひねり、動作感度共に良好確認。
そして専用シューズを履き、軽く前後左右とクイック&クイックバックでチューニング具合確認。
「ヘッドギアよし!
グローブよし!
スーツよし!
シューズよし!
A・F起動よし!!」
そんな訳でアストガルド・ファンタジーの世界へ、通常ログインする。
「ライアスさぁ~ん。居ますかぁ〜? アリスでぇーす」
「ああ、アリスちゃん、いらっしゃい! 装備品だよね? ちょっと待っていなよ。今出すからさ♪」
いつものように通常ログインし、街の中心近くにある《鍛冶屋ライアス》店内の小部屋から顔を出し声をかけると、ライアスさんが笑顔で挨拶してくれた。
わたしは装備品を受け取り、装備して小部屋を出た。
「ちょっと暫くは戦利品に期待は出来ないんですけど……では、行ってきますね〜っ」
「そうなのかい? うん。いってらっしゃーい」
ライアスさんが笑顔で見送ってくれた。
「アリスちゃん。今日も特売だよー」
「………」
その言葉に何度騙されて来たことか……。
「どのくらい安いんですか?」
「カムカの実をたったの10リフィル!」
「高っ!」
「……のところをたったの6リフィル!」
安い?
「じゃあそれ、袋いっぱいください」
「まいど〜♪ ところでアリスちゃん」
「はい?」
「ちょっとだけ胸、触らせてくれない?」
「え? お断りします!」
「その先っちょの、ツンとしてるところだけでも良いんだけど」
「お断りします!!」
わたしはボルテさんの相手も程々に走って逃げた。




