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「それにしても……モグモグ。パランティアの指輪には驚いた」
次の日のお昼、学校の屋上で真中とお昼ってた。
「あれをパーティー皆持つと、ほぼ無敵だよね?」
「倒しても倒しても復活するからね……モグモグ」
「よっ。アリスに真中。ここ、良いか?」
花藤璃奈だ。
「良いよ良いよ〜。モグモグ」
「サンキュー。あ、ウインナー貰うな?」
「え?」
取られてしまった……。まあ、昨日の約束でもあるので仕方ないかぁ……。
花藤璃奈、美味しそうに食べてる。
「……真中からは貰わないの?」
「ん? そうだなぁ……では、真中からはハムカツを貰おう♪」
「あ! アリスーっ! 余計なこと言ってー!」
「だってさぁ……」
自分ばかりとられるのも癪だもんね。
「……花藤璃奈、太るよ?」
わたしはすまし顔で言ってやった。
「ぬ!? これくらいで太らないよ。大体わたしはそれでなくても細いんだから」
「よっ。お前ら、今日も仲良くやってんな」
「こんにちは」
岡部くんと太一だ。
「何の話やってたの?」
「ハムカツとウインナー」
「違うだろ……」
わたしのボケに花藤璃奈がツッコんできた。
「パランティアの指輪の話かな」
「ああ、昨日のか」
「これを全員が持つと無敵だねーって話てた」
「まあな、でもこれって全プレイヤーに言えることだよな?」
「……それもそうか」
「運営は何を考えてるんだろうな?」
「……ぅん。これはウインナーの問題よりも大変かもしれない」
「ウインナーのどこが大変なんだよ……」
「取り敢えず取れるだけとっておこうよ。パランティアの指輪」
「そうだな。オレ考えたんだけど、パランティアの指輪利用して女神 デルピューネ倒せないかな?」
「体力任せに、ってことか?」
「うん。問題は、装備の耐久が持つかだけど……」
「あ、そっか。体力がいくらあっても装備が壊れたら意味ないもんね」
「そういうこと」
「装備にダメージを与える攻撃を如何にして避けるか……これは天龍姫さんに一度相談してみるか」
「それが一番だね。何せ攻略法のスペシャリストだから」
「アスモデウスも天龍姫さんが居なけりゃ、こんな簡単には倒せなかったろうからな」
「天龍姫さん凄いよねぇー」
「美人だしねぇー」
「確かに……」
「否定はできませんね……」
わたしと真中と花藤璃奈は、そんな太一と岡部くんを半眼に見た。
リアルの天龍姫さんとは一度だけ会ったことがある。とても綺麗な20歳の女性だった。背丈も165あって、スラリとした体型の美人。岡部くんと太一を一撃で悩殺していた。
岡部くんはともかくとして、太一まで。わたしは何となくムッとする。
「じゃあ、今日もアスモデウス狩りってことでいいか?」
「うん。狩れるだけ狩ろう!」
「そうだな」
「よし、決まり! 21時に現地集合で」
「分かった」
そんな訳で今日もアスモデウスたん、覚悟っ!




