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アストガルド・ファンタジー  作者: みゃも
【第三期】第13章《神気魔法・略式! アウラ・インフォーマル!》
148/213

─4─

  ◇ ◇ ◇


「泣いても笑っても、大決戦はこれで終わりにゃん。思う存分に戦って、心置き無く楽しむにゃりぃ~!」

「「「にゃにゃん!!」」」


 大決戦が再び開始となり、わたし達は戦場へと一斉に舞い降りた。ここから南東ワイズヘイル城まで、結構あるけど、頑張って走るしかないよね?


『北西アストリアも、北東ガナトリアも、復活はしたにゃりが。南東ワイズヘイルの軍が、2勢力近くの拠点からのスタートにゃで。直ぐに落とされることも、十分に考えられるにゃ。

にゃにょで、我々南西シャインティア軍は全軍をもって、南東ワイズヘイルを叩くにゃり!』


『『『おおー!』』』


 猫パンチさんのライブチャットからの声を聞いて、南西シャインティア皆の歓声があがる。


 因みに今回の編成は、前回とほぼ同じで、

《剣聖》フェイト、《聖騎士》ランズベルナント、《弓剣士》新道冬馬さん、《聖姫騎士》マーナ、《魔剣士》カテリナ、《天聖龍騎》天龍姫さん、《天大弓使》大弓のミレネさん、《召還術士》アリスでございありんす……あ、これはわたしね?


 何気に冬馬さんが軍メンバーで居るけど、その詳細はまだ聞いていない。でも、戦術的な配置らしい。だけど、冬馬さんって戦術は苦手なんじゃなかったっけ?? まあ、戦術と戦略の違いなんて、わたしにはそもそもさっぱりなんだけどね?


 早速、召還術魔法である《ゴッデス・ウィング》を使い、行動速度を180%も上げて、ワイズヘイル城を高速で目指す。

 そうやって向かい始めて直ぐに、わたしはブツブツと独り言を呟いている冬馬さんに声を掛けた。


「冬馬さん。お互い地雷同士、とにかく足でまといにだけはならないでくださいよ?」

「はぁ。善処はするけど、自信はないかなぁ~……」

「というか、何でお前がこの中に居るのだ?」


「猫パンチ氏に、行け、と言われたからです。どの道、今回は、戦略的にやれることも限られていたからね」

「戦略的に??」

「あ、アリスさまっ。今回は、総攻撃を仕掛けるということで、満場一致したらしいのです。細かなことはもういいから、皆でワイワイ攻め掛かろう、ってことになりまして」

「うん、それそれ。

守りを捨て、全軍で向かう。そのように全員一致で決まり、それならばそれで構わないんだけど。僕はボクなりに、やるべき策を打たせてもらいました。後は、盤上の前で、神に祈るのみです。

って……そう言ったら…」

「猫パンチさんから、前線へ行け、って言われたんですか?」

「まあ……そう言うことです」


 なるほど。猫パンチさんも案外と人使いが荒いんだなぁ?


「つか、見えて来たよ!」

 マーナの声に反応して前方を見ると、大きな拠点が見えてきた。

「ここは一気に攻め落として、復活拠点にするか。それとも、スルーするか……」

「今日手に入れたスキルを、ここで確認するのもありかも?」

「つか、まだ試してないからね。新スキル」

「なるほど、それもそうだな」


「……いや、それはダメです」

 そう言ったのは、冬馬さんだった。

「ここでそれを使ってしまうと、こちらの手の内が相手に知れ渡ってしまいます。すると、相手にその対応策を考える時間と機会を与えてしまうことになる……。それは、実に上手くない。なので、出来るだけギリギリまでそれを使わずに、極力、白き魔女ユイリの意表を突くのが賢明ではないかと思うので」

「あ……それもそうか」

 言われて納得。流石、冬馬さんだな、と思った。


「つか。ユイリと戦うまで、新スキルは封印、ってこと?」

「……どうやら、その方が良さそうですね」

「だな」

 どうやら他の皆も、冬馬さんの意見に納得・賛成したっぽい。

 そんな訳で、前方に見える拠点は後から追いかけてくる他の人達に任せ。わたしたちは全力で、ワイズヘイル城を目指すことに決めた。



 しばらくするとワイズヘイルの軍が前方から向かって来たが、それを大きく迂回し、衝突を避けた。


「ワイズヘイル城まで、凡そ、あと15分!」

「つか。ワールドチャットからの情報によると、北東ガナトリアは陥落間近。北西アストリアも長くはもたない、ってよ!」

「もう、そんな状況なのかよ!」

「それだと間に合うのか、微妙だなー……」

 北西アストリアと北東ガナトリアが陥落したら、次に狙われるのは間違いなく、南西シャインティア。そうなると絶望的になる。


「ねね、ユイリの現在地とかは分かる?」

「それは残念ながら分からないが、北西アストリアに現れたという情報が流れていたから。おそらく、その辺に居るんじゃないかな」

「アストリアに? それは助かった!」 


 白き魔術師ユイリの動向が一番気になったので聞いてみたら、フェイトさんがそう答えてくれた。それを耳にして、カテリナは喜んでる。


「厄介なのが近くに居ないんだったら、ここは一気に突入しようぜっ!」

「ほう~。カテリナ、珍しく意見が合うではないか」

「つか、私もそれに賛成ーっ! どの道、ダメ元だもんね。何せ相手は、うちら戦力の数倍」

「それもそうだな」

「異論、ありません」

「異論なしです」

「うんうん!」


 あっという間に、意見はほぼほぼ一致したので、わたしはそこで再び《ゴッデス・ウィング》を使い、大成功の行動速度220%アップ。それから直ぐに、ワイズヘイル城を高速で目指した。



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