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「はぁ~っ。何はともあれ、何とか手に入れたぁ~っ」
「つか、こんなにも苦労するとは思っても見なかったよね? アリス」
「お前らはまだ良いよ。私なんて、ミラーリングからの凹殴り喰らったんだからな。凹殴り……。精神的にも、参ったよ」
「それよりも、フェイトの奴が許せん!! アイツめ、生意気だ! ガウガウガウ!!!」
「あは、ハハ……」
わたし達は一旦、アストガルド・ファンタジーをログアウトし。そんなこんなでAFセットを外し、身軽になりつつ、それぞれに愚痴ってた。
時間は、18時38分。
凡そ、2時間ほど攻略に掛かってしまってたっぽい。なるほど、疲れてる筈だ。
「とりあえず大決戦は、夕飯食べてからだな」
「うん。そだねぇ~っ」
「つか、お腹ぺこぺこ。ぐぅーぐぅー、今も鳴ってるよぉ~♪」
ガチャ☆
「姉さん、入るよ。母さんが、ご飯だって……あ!」
「「「うわ!!」」」
「──っ!!?」
花藤璃奈の弟 《ゆうと》くんがそう言って、いきなり入って来たのでびっくりった。
いや、まあ~別に見られて困るようなものは何も無かったんだけどね?
「ご、ゴメン!」
「バカ! だから、いつもちゃんとノックくらいしろと言ってるだろう!」
「あ、いや、つい何時ものクセでさ……アハハ♪」
「あはは、って……。笑い事じゃないぞ、友翔!
ホラ、アレを見てみろよ。真中の奴が、完全に硬直しているだろう?」
「え?」
言われて見ると、真中が全身真っ青で半泣きしてた。
でも、なんで?
わたしがそう不思議がっていると。真中はそれを意識してか、急に慌て始めた。
「つ、つか! ち、違うからねっ!! さっき、お腹が鳴ってるって言ったのは、あくまでもモノの例えであって………っ!!」
「お腹ッ!!?」
「何だよ、そっちかよ。色気ねぇなぁ。つまんねぇー」
「ええぇ――――っ!!」
「あはは♪」
一瞬、真中が友翔くんのことを意識しての反応かと思ったけど、どうも違ったっぽい。それとも、バレないように誤魔化したとか??
「ご、ゴメン!! じゃ、じゃあーオレ。向こうで待ってるから!」
「ああ、直ぐに行くから安心をしろ」
花藤璃奈が友翔くんのことを邪魔者を追い払うかのように手をサッサッとやると。友翔くんは、不満気な顔をりなりぃに見せたあと。真中の方をチラッと見つめ、頬を染め、そっと扉を閉めた。
そのあと真中の方へ、再び、それとなくチラリ目をやると。真中の方も、満更でもなさそうに頬を染めニコニコしてる。
真中はさっき、あんなこと言っていたけど。かなり意識してて、実のところ相思相愛?
だとすれば、親友として思うに、良きかな良きかな♪




