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アストガルド・ファンタジー  作者: みゃも
【第三期】第12章《真中にも恋の予感?》
143/213

─5─

 聞くと見るとではイメージが大きく異なり、ミラーリングを幻影と同じ程度に考えていたけど。わたしの目に見えていたのは、幻魔獣メテルフォーゼそのままの姿で。でもその実態は、天龍姫さんで……でも、まったく気づくことなく、思わずわたしはファルモルを放ち攻撃してしまってた。


 確かに、これは厄介な魔法かも? というか、天龍姫さん、ごめんなさい!


「──うわっ!!?」


 天龍姫てんりゅうひさんの[擬態ミミクリー]姿であるメテルフォーゼから、唐突に天龍姫さんお馴染みの連撃スキル攻撃をされ、各自装備品が小破から中破──ぐはっ!!

 その後は、何とか交わし逃げまくり、再び会議続行!



「つまりアレ(・・)は、天龍姫さんの姿にメテルフォーゼが化けてる、っこと!?」

「その通りです!」


「そして、どぉおー見てもメテルフォーゼにしか見えない此方(・・)が…………天龍姫さん?」

「そうですっ!!」


「「「……………」」」

 

 なるほど納得は出来たけど、今わたしの目の前で力強く頷いている天龍姫さん……メテルフォーゼ姿(・・・・・・・・)なので、めっちゃ怖いぞっ!


「ということは、つまり……下手に攻撃はできない、ってことか?!」

「その言うことですッ!」

「あ……!」


 そうこう話してる内に、ミラーリングとミミクリーがようやく解除され、天龍姫さんの姿が元に戻ってくれた。


 どうやら、一定時間経つと勝手に解除されるっぽい。


「何とかリセットだな。んじゃ、また行くべ!」


「「「にゃにゃん!!」」」


 予習し、実体験して、理解を深めたところで、再び討伐戦を再開っ!



「問題は、ミラーリングを使われたあと、どうやって本物と偽物を見分けるか、だな」


 あ、それもそうだ。見分けれないと意味無いもんね?


「それであのっ、天龍姫さん[擬態ミミクリー]を識別する攻略法みたいなのは無いんですか?」

「それが……昼間はほぼほぼ勘のみで、もう無理やりでした。おかげで、装備品が一つ……はぁ〜」


「「「──ぐはっ!」」」


 うは〜っ、こりゃ堪らんなぁ〜っ。今のところ、攻略のヒント無し、ってことだよね〜?



  ──ミラーリング発動──



「ぐわ!?」

 そうこう議論をやっている間に、再びのミラーリング。唐突にわたしの隣に巨大なメテルフォーゼが現れ、びっくりった。


 でも、下手に攻撃は出来ないので、此処は一先ず近くに居た真中マーナの方へと慌てて走って避難。ところが、マーナはそんなわたしを見るなり、びっくり眼って「ばかー!」「来るなー!」と泣き叫びながら一目散に逃げ出してた。



 ちょっとちょっと、なんで逃げるのさ??


 近くを見ると、りなりぃ(カテリナ)とフェイトさんが戦ってた。たぶん、ミラーリングとミミクリーの影響でだと思わ…………はあ〜、なるほど。今の真中マーナには、わたしがメテルフォーゼに見えてる訳だな??


 『そうか、そっか』と納得し、手をポンと打つ間もなく、真中マーナは突如わたしの方へと振り返り、スキルを唱えながら剣を振りかざしてきた。


「[多段剣舞(ギガ・スイング)!]」

「えっ!? わ!!」

 マーナのスキルによる連撃を受け、腕輪と胴が被弾。


「マーナ待って! わたし、わたしだから!!」


 でも、通話が届いていないのか? マーナの攻撃は止まらない。

 普段の真中マーナらしくない、殺気立った眼差しでわたしを見つめ、近くまで踏み込み一閃!


 速いッ!!?


 わたしはそれを交わし切れず、脇腹に激痛を感じ、膝を落とす。見ると脇腹から大量の血が吹き出していた。

 ゲーム内の演出なのは頭で理解しているけど、このリアルな痛みと血の色に頭がもうクラクラだよ……。


「えっ、アリス!?」

「……はは」

 ようやくメテルフォーゼの幻影魔法が切れたのか、いつものマーナの表情がそこに見え、ホッとした。

 けど、周りを見回した感じ、皆それぞれに装備品が被弾し、かなり状況が不味いことになってるよ。

 それでいてメテルフォーゼ先生は、まだまだ元気一杯っぽい。

 

 何とか攻略法を見つけないと、かなり厳しいなぁ……コレは。でも、この野郎を倒さないと大決戦であのユイリに勝つどころじゃないもんね?



「ン~…………。あ、そうだ。あれ(・・)を一度試してみようかな?」

「あれ、って? アリス、何か思いついたの?」


「え? あはは。まだ、やってみないと分かんないだけど……試してみる価値はあると思うよ!」


 マーナの問に対しわたしはそう答え、「見てなさぁあ~い!」とばかりにメテルフォーゼに身体を向け、杖を高々とかざした──。



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