─4─
真中の件は気になるものの。今は、直近の問題をクリアすることが何よりも大事っ!
なので、準備が完了次第AFにINし、集合を掛けメンバーを募集。それから早速、大樹海の最深部へと向かいつつ幻聖獣アルケミフォスをついでに討伐しつつ。亜種も討伐の無双状態。
装備が以前よりもパワーアップしていたからなのか? あっさりと倒せるようになってて、びっくり仰天ニュースの中居ちゃんと鶴瓶さん。
「ここかぁー」
話は飛んで……目の前には、廃墟と化し、樹海に呑み込まれつつあるバカでかい神殿跡が広がってた。
その中を探索しつつ謎を解きつつ攻略しつつ(モンスターは出てくるけど、やはりわたし達の敵ではない)、見るからに怪しげな祭壇前へとやって来た。
「此処?」
「ええ、此処です」
わたしの質問に、天龍姫さんが緊張感全開で即答してくれた。
妙に、気が引き締まっちゃうなー。
因みに、今回のパーティメンバーは、アリス・|花藤璃奈・真中・岡部くん・ランズ・ねこパンチさん・弥鈴ちゃん・天龍姫さんの8人。
「にゃ……にゃにやら、緊張するにゃりな」
「ですねーっ」
何せ相手は、天龍姫さんの装備を大破させたほどの巨大モンスター。手強いのは間違いない。
そう思い緊張していると、天龍姫さんがこの先に居るモンスターの特徴を説明してくれた。
「一見すると、幻聖獣アルケミフォスと変わりないのですが。注意すべきは、[ミミクリー]という魔法を使ってくることです」
「みみくり〜?」
「ええ。更に、[ミラーリング]という魔法を使い、幻影をも使って、あらゆる手段でこちらを翻弄してきます。
しかし、それは倒すことの出来ない相手なので、とにかく無視で構いません。
但し、攻撃されたらダメージはしっかり受けますので、くれぐれも御注意を」
「相手は、幻影のクセにかぁ?!」
「ええ。かなり厄介ですが、それはとにかく無視で。
あくまでも倒すべきは、幻魔獣メテルフォーゼ本体と[ミラーリング]。それから注意すべきは[ミミクリー]という魔法により襲ってくる、想定外な相手のみです」
「想定外、って??」
「……この先に居る幻魔獣は、何にでも姿形を変えることが出来ます。なので、どんな姿で襲ってくるかは、その時にならないと分からないので……。
因みに、私が装備品を一つ大破された時の相手は、ザカール=ギブンさんの……擬態でした」
「うはッ!!」
「怖えー……」
「しかも、話によると……。能力は、擬態した相手の能力をそのままコピーしてるらしいから、そこは注意な」
「げっ!」
「相手次第では、悲惨っ!!?」
「そっ、そういうことでしたかッ!?」
そんなこんなで、簡単ながらこれから戦う相手のレクチャーも済んだので、早速、討伐開始っ!
祭壇中央に立つと、予想通り何者かに話しかけられ、幻聖獣アルケミフォスのように半透明な大型モンスターが沢山現れた。
「あれが、幻魔獣メテルフォーゼです! とりあえず今は、それ以外幻影なので、無視で!」
「「「にゃ、にゃにゃん!!」」」
天龍姫さんが指し示したモンスターだけ、時折、不思議な感じで少しキラキラと輝いていた。見分けるのは、それだけっぽい。
案外、イケるかも?
「では、行きます!」
「「「にゃっ!? にゃにゃん!!」」」
天龍姫さんの華麗な一閃を皮切りに、討伐戦が開始。皆んな思い思いにスキルを使って、攻防を続けた。
が、
「くそっ。どこへ行った!?」
「いま、折角いい感じだったのに〜っ!」
いい感じで皆んなの連撃が続いていたところで、幻魔獣メテルフォーゼ本体は突然に姿を消し、今は幻影だけがわたし達の周りを徘徊している。
「注意してください! このあと、擬態が出てくるかもしれません」
「「「にゃっ!? にゃにゃん!!」」」
──ミラーリング発動──
「えっ?」
とても分かり易い形でスキル名が聞こえたかと思えば、さっきまで天龍姫さんが居た場所近くに、幻魔獣メテルフォーゼ本体が唐突に現れた。
「わ、こなクソっ!」
天龍姫さんが危ないと思い、わたしは咄嗟にファルモルを召喚し、放った。
が、
「アリス!? お前っ、何をやってる!!?」
「へっ?」
近くに居た岡部くんに言われ、その目線を追い改めて見ると……。そこでは、天龍姫さんがファルモルの攻撃に耐え、幻魔獣メテルフォーゼとも対峙していた。
というか、確かさっきは今居る天龍姫さんの場所にメテルフォーゼが居て。今、メテルフォーゼが居る場所に天龍姫さんが居た筈なのに。なんでっ??
しかも、同じパーティなのに、何で天龍姫さんがダメージなんか受けている訳ッ!??
「クッ……。これが、[ミラーリング]です! アリスさんには、この私が、メテルフォーゼに見えていたのです。そして、私の代わりに似せて対峙して居るのがメテルフォーゼ本体で、[ 擬態]です!」
「なんだって!?」
「「「──!!」」」




