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アストガルド・ファンタジー  作者: みゃも
【第三期】第12章《真中にも恋の予感?》
141/213

─3─

「えっ? 花藤璃奈(りなりぃ)の弟くんが、私なんかを?!」

「うんうん! そんな感じだった。

ねね、花藤璃奈(りなりぃ)~っ。友翔ゆうとくんからさ。そういう話……っていうか、それらしい態度みたいなのを感じることはなかった?」

「あ、いや……申し訳ないけど、まったくだ。

今ここで知って、驚いてるくらいだし。寝耳に水、ってトコだ」


 あれから一旦、家に帰って、AFセット一式をリュックの中にぐいぐい詰め込んでから背負い、3人で真中の家へ。それから更に、真中の支度を待って、花藤璃奈(りなりぃ)が住んでるマンションへとやってきた。


 今は、花藤璃奈(りなりぃ)の部屋でAFにログインする為の下準備をゴソゴソとしているところ。そんな中で、わたしがマックからずっと気になっていた話題を振ってみたのだ。


 初め、赤面して動揺までしていた真中だったんだけど。花藤璃奈(りなりぃ)のその言葉を聞くなり、しばらくして軽くため息をつき、落ち着いた様子でこう言い出してきた。


「ほ~らね。こんなもんだよ。残念だけど、それはアリスの考え過ぎなんだって。第一、考えても見てみ。今までが今までなんだからさ、そんな訳ないでしょ? アリスだったら有り得るんだろうけど。私なんか気にしてくれるオトコの人なんて、今まで誰ひとりとして居なかったし。そもそも、そこからどうすれば進展(関係が)するのかも分かんないし。経験なんて、まったくのゼロだし。彼氏居ない=年齢だし。また、いつもの気のせいで終わるだけだよ、きっと」

 真中はそう言い切ったあと、天を仰ぎ見て呆れ顔なんか見せている。


「そんなこと分かんないよっ。あれは少なくとも、脈アリなんじゃないかなぁ?? そう感じた!」

「あ、待てよ。そういえば……確か」

 と、何かを急に思い出したように花藤璃奈(りなりぃ)


「初対面のあの日。友翔ゆうの奴が、真中のことを細かく聞いていたような?」

「おおーっ!!」

「──ええぇーっ!?」


「初めは、アリスの事かと思ったんだが。よくよく聞いてみると、真中のことだったような感じでなぁ……」

「そっ! ……そうなの?」

「遂に、キタっ!! 真中にも春が♪」


「いや……期待させといて何だが、そう言い切れるだけの自信なんて、まったくないから……」

「べっ! 別に、初めっから期待なんかして居ないけどさぁー……。はぁ~っ」


 そんなこと言いながらも、あからさまに残念そう~っ……。真中的には、まんざらでもないのかも?


 ていうことは、ていうことはッ??!


 な~んて風に、わたしが内心でワクワクドキドキそんな思ってると。花藤璃奈(りなりぃ)がそんな真中を見つめ、ニッ♪とイタズラっぽく笑み、口を開いてきた。


「だけどまあ、アレだ。うちの友翔ゆうもあれで結構、思いやりのある奴だからさ。もしも話しかけられたら、是非、仲良くしてやってくれよ♪」

「……。うん、ほぼほぼ無いとは思うけどさぁ~っ。友翔ゆうとくんの方に少しでもその気があるんなら、仲良くするくらい全然いいよっ。

まあ……そんな訳はないと思うけど…」


そんな素っ気ない返事を最後はしながらも、真中は照れ臭そうに頬を染め、どこか期待した感じの表情をしてる。

 そんな真中の様子を見つめ、わたしも花藤璃奈(りなりぃ)も互いに顔を見合せ、そんな真中を思わず、『可愛い』なんて思ってしまったのは……ここだけの話です♪



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