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アストガルド・ファンタジー  作者: みゃも
【第一期】、第2章《デュセオルゼ=ヴォルガノフス討伐!》
12/213

-3-

「は!? お幾らですか?」

「いや、だから150000リフィル。悪いけど、いくらアリスちゃんの頼みでもこれ以上は出せませんぜ。

胸、触らせてくれるなら、別だけど?」


「……あ、それは遠慮しときます」


 首都グレゴリアの市場で知り合いのプレイヤー商人にドロップした幾つかのアイテムを見せると、その値段を示してきたのだ。

 正直言って、かなりびっくりだよ。


「この巨龍王の大剣なんかは特殊でね、ゲームシステム上そのままでの転売は出来ないが、解体するとなかなかに良い素材がランダムで出るんだよ。だから今なら、この値段で買い取っても、こちらとしちゃ全く損はないのさ」

「へぇー……なら、それでお願いします。

あと何か良い装備品が欲しいのですが、ここには置いてないですよねぇ?」


「うん。残念だけどね。でもアリスちゃん、かなり良い素材持ってるみたいだし、そこの鍛冶屋で素材見せて、一度相談してみたら?」

「おお! そうですね! いつもアドバイスありがとうございます!!」


「いいよ、いいよ。でもそのうちマジで胸、触らせてね?」

「あはは! それは遠慮しておきます」


「ただ見せてくれるだけでも、かなりありがたいんだけど!」

「あはは! それも遠慮しておきます!!」


 わたしはいつものようにそう言って笑顔で別れ、鍛冶屋へと入る。

 その間にも何人かの人がわたしに声を掛けてくれ、笑顔で手を振りふりする。


 

「おおう、いらっしゃい! 久しぶりだね?」

「え? ああ、はは……初めて直ぐの頃以来ですよね? どうもすみません」


 何せお金……リフィル貧乏なので、今までドロップ装備にばかり頼っていたから仕方がない。

 それにしてもよく覚えているものだ。


「だったかな? それで、今日は何か装備品でも?」

「あ、はい。実は胴が壊れたもので、何か新しい胴を欲しいのですが……」


「ンー……そうだね。アリスちゃんのレベルなら、かなり上級のものが装備可能だけど予算はどれくらいあるの?」

「えと、なんと151000リフィルもあります!」


「うは! ちょいとそれだと、コイツは無理か……てか、そんなレベルなのにお金ないの?」


 ――ぐは! グサッ!! ひ、人が気にしてることを……。というか、わたしからすればこれはかなりの大金なのですが!


「そ、素材からでも加工して作ってくれるんですよね??」

「ああ、なんか持ってるの? ちょっと見せて」


 わたしはため息をつきつつ、持ち物の中身を出し並べて見せた。すると、かなり驚いた顔を見せている。


「こりゃまたSSとSクラスがズラリと大したもんだなぁ……しかし加工するにしても、予算不足だから、先ずは幾つか買い取らせて貰うよ。その上で、君に合ういいものを作って上げよう。

完成させるのに時間が掛かるから、明日以降またここへおいで」

「分かりました。では、よろしくお願いします」


 わたしはそのあと修復工房へと向かい、装備品の修理をしようとしたが……そこでお金が全くないことに気づく。


「アホだ、わたし……」



 仕方なく鍛冶屋へと戻り訳を話すと、

「ははは! いいよ、いいよ。オレの方でその装備品もまとめて直しておくからさ」

「うわ! ここでも修理とか出来るんですかあー!?」


「ぐは! ……これでも一応、鍛冶屋だから当然なんだがねぇ~…」

 と呆れ顔ながらもそう言ってくれた。


 それからわたしは、その場で装備品を脱いで渡そう……としたが、そうなると下着だけの格好になることに気がつき、これはこれでどうかと思い悩んでしまう。


 すると鍛冶屋のおじさんはどうやら気づいてくれたらしく、「奥の部屋で脱いで手だけ出して渡したあと、そのままログアウトすればいいよ」と教えてくれた。



 わたしは言われた通り奥の部屋へと行き脱いだあとで、頬を赤らめつつも手渡し、そのままこの日はログアウトする。




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