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「わあおーっ! オアシスだ。古代遺跡だ! しかも空の上に、なんかあるっ!!」
この光景をこうして見るのは、これで3度目になる。この大砂丘の上にあるワープポイントからの眺めは、より一層格別なのだ。
長く険しい砂漠地帯を抜けた先に広がるオアシスと古代遺跡は、その半分近くが、砂の中に埋もれている。そして、その上空に巨大な浮遊遺跡はあった。
その浮遊遺跡から、滝のように、沢山の水が流れ落ちていた。そのお蔭で、砂漠地帯にあるこの古代遺跡には、瑞々しい苔むした若葉などが生い茂り、遺跡内を幻想的に潤わせている。
「ひゃあ~っ。相変わらず、良い感じの雰囲気出してるよね?」
「うん。それなのに、此処には何も無い、って言うのがこれまで不思議に思えていたんだけど……」
「その謎も、今日までになりそうだな」
「おいおい、お前ら油断するなよ。何せ相手は、あのアルケミフォスの兄、って設定だからなぁ。かなり手強いのは間違いない」
「……だ、だよね?」
確かに、油断なんか出来ない。下手すると、全身の装備やられちゃうかも知れないんだもんなぁ~っ。
わたし達は、古代遺跡内にある例の場所へと走り向かった。
「待て、此処だ!」
ザカールさんは祭壇までやって来て、そこで前方を指差し、皆を止めた。
「祭壇へ入った途端、戦闘に巻き込まれる。
だから、今のうちに準備をしておいてくれ」
「はいっ!!」
いよいよだ。皆の足を引っ張らないよう、少しでも頑張らねば!
わたしはそう思い、身を引き締めた。
早速、このまえ新たに使い方を覚えたメテルフォルセを軸に、スキルセット。使用スキル数が多いので、管理が凄く大変になる。
魔聖水も当然、必要になるだろうけど。そこは仕方ないよね?
「準備はいいか?」
「はいっ!!」
ザカールさんと共に、息を呑み込みながら皆で祭壇中央に歩いて行くと、そこで天空から声が聞こえてきた。
『我が弟を倒したは、主らだな!』
「「「──!!」」」
途端、ひやりとした冷たい霧が周囲に立ち込め、その霧の中から次第に何かが現れ始めた。
─浮遊遺跡の門番レギルス=フェルトゥス─
「……ぅわ~っ」
背丈だけで、わたし達の3倍はあるであろう半透明な大型モンスターの出現。それと同時に、目の前が瞬間真っ白になる程の雷鳴が響き渡り、電撃が地を走り、水に濡れた祭壇内に居たみんなが被弾した。
途端、前回大破し、取り敢えずで揃えていた頭・腕・足・脚の装備4つが一気に大破っ!? 間もなく塵と化し、消滅ッ!
わたしはその場で立ち尽くし、思わず泣きそうになった。
──ぐはっ!!
【第三期】第8章 《浮遊遺跡の謎》おしまい。
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