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アストガルド・ファンタジー  作者: みゃも
【第三期】第6章《ほんのちょっと贅沢な?夏休み》
105/213

ー3ー

「は? オレが花藤のことどう思ってるかって?」

「うん、そう。とりあえずそこをハッキリさせときたいな、と思ってさ」

 あれからまた館内プールで思い切り遊んでた。そんな中、わたしは岡部くんをそれとなく呼び出し、変に誤解されないよう皆から見えないところに隠れ、そんな質問をひそひそとしてた。


「そんなの、ただの友達に決まっているだろう? だいたいオレは──!」

「はいっ、そこまで!」


「は?」

 わたしは、岡部くんが更に何か言って来ようとするのを、声をトーンを抑え止めた。何を言おうとしてるのか、だいたい察したし……今それをここで言われても困る。

 わたしは真剣な眼差しのまま、また岡部くんに聞いた。


「次に、真中のこと……どう思ってる?」

「真中? なんだよ、それ。どうしてここで榊原が出て来るんだぁ?」


「えっ」

 あれっ? 変だな……てっきり真中は、既に自分の気持ちを岡部くんに伝えてると思ってたんだけど……。


 わたしは念のため、聞いてみることに。

「あのさ、真中から何も聞いてない?」

「だから何をだよ」


「……」

 これは、どうやら確定っぽい。

 だけど、まさかここでわたしが勝手に真中の気持ちを岡部くんに伝える訳にもいかないし。これは参ったな……。


 わたしがそんなこんなで困り顔の苦笑いを見せていると、岡部くんが突然両腕を伸ばし、壁ドンしてきた。


 ──あ、あら。これはまずったかも……?


 わたしは逃げ場を失い、どうしたものかと硬直思案する。すると岡部くんがそこで半眼でニッと笑み、口を開いてきた。


「ははあ~ん。わかったぞっ、アリス。前さては、オレのこと実はスゲー気になってんだろう?」

「……ハ?」


 いやっ、それはない、ないっ! 確かに、少しだけなら無いこともないけどね……?

 そうこう考えてる間にも、岡部くんの顔があり得ないくらいの至近距離まで近づいてた。


「だってそうでもなけりゃ、花藤のこととか真中のことをわざわざ確認してこないだろう? 違うか?」

「あ、いやっ、いやいや! そりゃあ……まぁそう言われてみると確かに、それはそうなんだけどね……?」


「おっ、やっぱりそうか? よぉーし! じゃあ早速、今日からオレたち正式に付き合うことにしようか♪」

「あ、ごめん、待ってっ、そうではなくて! 真中が岡部くんのことを凄く気にしててさ。それで…………──あ!」


 言ってしまったあとで、わたしはハッと気がつき、両手でその口を塞いだ。……けど、もう遅かった。


「榊原が……オレのことを?」

「あ、いゃつ、……ぇ、えと。そ、それは──」


「あーッ! 岡部っ、お前ッ。アリスお姉さまに対して、なにをしておるかぁああーっ!!」

「「──!」」

 そう叫んで来るなり、弥鈴ちゃんが正義の鉄槌ならぬ両足飛び蹴りを岡部くんへ見事に喰らわしていた。


 お、お見事……。


「アリスお姉さまっ、ご無事で何よりですッ!」

「あ、ありがと~弥鈴ちゃん……は、ハハ…♪」

「〝無事〟じゃねぇよッ、このクソガキぃー!」


 岡部くんはムクリと起き上がるなり、怪しげな笑みを浮かべ。手の指をポキポキと鳴らしながら弥鈴ちゃんへと近づき、勢いよく飛び掛かった。


 ──が、正面蹴りをモロに○○○へ喰らい。岡部くんはそれで◯◯◯を苦し気にぴょんぴょんと飛び跳ねながら押さえつつ、ふらふらと弥鈴ちゃんを道連れにプール内へと落ち、今では元気よくプール内で互いに水を掛け合ってる。


 何だか分からないけど、上手いこと誤魔化せたっぽい?

 よし、よしっ! ⬅いいのか?




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