ノーパンの手伝いをしようと思うての
登場人物
宮原 琴音:女子校生。本編ヒロイン。貧乳。「はあっ?ケンカ売ってんのか?」
竹之内 亮:何故かヤスに身体を乗っ取られて・・・。何度も殴られて、可哀想><
ヤス:日向家で飼われている猫。化け猫?「違う霊獣じゃ」
日向 桜:琴音の祖母。老巫女さん。現在療養中らしい。
鎌田先輩:学校の先輩。琴音の片想いの彼なの?
「で、何でお前がここに居るんだ?」
自分の家に戻った琴音は予想外の来客に困惑していた。
ピンポーン
琴音が家に帰って一息ついた時に玄関の呼び鈴がなった。
(こんな時に誰だろう)
「はーい、今、開けます」
琴音がドアを開けると、学校の先輩が立っていた。
「かっ、鎌田先輩」
彼は琴音が入学した時から密かに想いを寄せる3年の鎌田先輩。
琴音は突然の事で心臓が爆発しそうだった。
(先輩が私の家に訪ねて来るなんて。まさか、私の想いが届いたの?神様ありがとう)
「先輩、なっ、何か御用でしょうか?」
「宮原さん、突然押しかけてごめん。
実はね。僕の従兄弟が君の家を教えて欲しいと言うんでつれて来たんだ」
琴音は先輩の後ろに居る男をみてギョッとした。
「ほら、ここだよ竹之内君」
鎌田先輩の後ろには、ニヤニヤ笑う竹之内が居た。
「じゃあ僕はここで失礼するよ。宮原さん、また学校で」
「ご苦労様です」
先輩は竹之内を一人残して帰って行った。
(鎌田先輩が私の名前を知っていてくれたなんて。先輩、やっぱりかっこいい)
琴音はうっとりした表情で手を振りながら先輩の背中を見送る。
「で、何でお前がここに居るんだ?」
「いやあ、ノーパンの手伝いをしようと思うての」
残された竹之内がニヤニヤ笑っている。
「竹之内君、なんなら今のセリフをこれから帰ってくる私のお父さんに伝えてあげようか?」
「それはご免被る」
竹之内は苦笑いする。
「まあ、実際、それで困るのはお前の方だけどな」
その後で竹之内は琴音が聞こえないくらいの小声で言った。
「私はあんたが鎌田先輩の従兄弟だなんて初めて知ったよ」
「あはは、ワシも初めて知ったわ」
「もうすぐ、お父さんが帰って来るから用件をさっさと済ませて早く帰ってね」
そう言いながら、しぶしぶ琴音は竹之内を家に上げた。
「では、昼間の話の続きといこうかのう」
竹之内は遠慮もせず琴音の部屋にズカズカ入り込み座り込んだ。
「昼間も言ったが、ワシは桜様に従って来た猫『ヤス』、正体は霊獣じゃ。
化け猫ではないぞ。
ワシの事を土地神様と呼ぶ者も居る」
「この土地の調和と繁栄を守る為に代々の日向の巫女に仕えて来たのじゃ」
「ちょっと待って、昼間の話は本当の事なの?」
「なんだ、まだ信じておらんのか?」
「そんなとんでもない話、信じられる訳ないじゃない」
「まあ信心の無いお前に、すぐに信じろと言っても無理なのかも知れんの」
「では、ワシが霊獣である証を見せてやろう」
竹之内は座ったまま右腕を真上に突き上げた。
「お前はそこで座ってじっとして居るのじゃ。
ちょっとでも邪念が入ると失敗する危険な技じゃ」
そして天に向かって右手の人差し指を一本突き出す。
竹之内は何やら小声で呪文らしき言葉を唱え始めた。
琴音はこれから何が始まるのかと緊張して向かい合わせで座り竹之内の動きに見入っていた。
一瞬の静寂。
「むん」
そう言って竹之内は右手を振り下ろす。
その指先は琴音のちょうど左胸、乳首の辺りを触っていた。
「どうじゃ。お前の胸がほんのちょっと大きくなった」
竹之内は続けてツンツンと指先を突き出す。
琴音はゆっくりと視線を下げて竹之内の指先の有る自分の胸を見た。
一瞬の間の後、
「ぎゃー、人の胸触って何言っとるんじゃー」
琴音は竹之内の頬を思いっ切り平手打ち。
「それに、ほんのちょっとってなんじゃー。
貧乳なめんなよ、お前ー。ふーふー」
いつの間にか、琴音の手には野球のバットが握られている。
「ちょっとでも信じてみようと思った私がバカだった。
警察呼ぼうか?」
「すまんすまん。ちょっと緊張をほぐそうとおもっての」
竹之内は自分の頬をさすりながら
「最近の若い娘は冗談も通じんのか。世も末よのう」
琴音は今にも竹之内に飛びかかりそう勢いだった。
「落ち着け、落ち着け、これからが本番じゃ」
竹之内はそう言うとすくっと立ち上がる。
琴音の部屋を見渡し、隅に落ちていた小さな紙切れを見つけ拾い上げた。
「この紙切れ、あんたが最近細かく千切った物じゃな」
「え?」
「これを元に戻してやろうかの」
「げっ、やめ・・・て」
琴音の言葉が終わらないうちに、竹之内の持っていた紙切れは瞬く間に一枚の便せんに再生した。
「これに見覚えはないかのう?」
可愛い花柄の付いたピンクの便せん。
それを見た琴音の顔が見る見る赤くなっていく。
「え〜、なになに、『あなたの事を、ずーっと好きでした』なんて書いて有るのう。
ふはは、もしかして、これ、お前の字か。恋文なのか?」
「ぎゃーやめてー」
琴音は竹之内に飛びかかり、便せんをひったくり、元の細かい紙切れに戻した。
「ふーふー、竹之内、お前、何してんだ」
琴音はあまりの事に肩で息をしている。
「好きな人に恋文を書いたけど、どうしても勇気が出せず渡せなくて恥ずかしくて自分で破り捨てた。
・・・まあ、そんなとこかのう?
まさか、相手はさっきの・・・ははは、お前も女子じゃのう。可愛いぞ」
「お願い、想像しないで・・・」
「これで、少しは信じてもらえたかの」
「解ったわ。証明の仕方が激しく納得いかないけど、とりあえず話は聞いてあげる」