転校生と女王
学園百合物語、1話目です。
テーマは「わからせ」で、少し過激な表現も出てきますので、お知りおきください。
続けばそこそこ長めになる予定です。
投稿頻度は恐らく遅いです。
拙い文書になりますが、よろしくお願いしますm(_ _)m
加えて、誤字などがありましたら申し訳ありません。
見つけ次第修正して参ります。
ここは星雲女子高等学校。創立5年と目新しい学校である
そこには、学費、交通費の全額免除かつ、生活費等の支給という破格の待遇を受けられる特別なクラスがあった。
このクラスの目的は埋もれる才能の発掘であり、このクラスに所属する為には、二つの条件と暗にもう一つの条件をクリアする必要があった。
一つ、衣食住が満足に揃わない境遇にあること
二つ、勉学に意欲的かつ一定以上の偏差値を持っていること
そしてもう一つ、このクラスの絶対的な女王、神奈崎 七海の設定した「カースト制度」を受け入れること
神奈崎 七海。
彼女は、星雲女子理事長の娘であり学年トップの秀才という圧倒的なまでのスペックに加え、人たらしと言えるほどのカリスマを持ち合わせる。
彼女の素行にその美しい容姿も相まり、他の生徒たちからは女王と称されていた。
彼女本人の意向からその特別クラスへの所属も不当に許され、
彼女は「カースト制度」と呼んだ「地位の低い者は地位の高い者の言うことに逆らえない」という内容の掟を勝手に設定し、自身はその最優位に君臨したのだ。
クラス内の“地位”は、クラスメイト各々の成績を加味したカースト最上位の者の意向、つまり現状は七海の意向により毎月決定される。
以上の明らかな横暴が許されるのは、特別クラスに在籍する者たちの境遇と待遇を考えれば妥当な結果であった。
聡明な教員たちも、その中に文句を言うものは誰一人居なかった。
そんな異様な特色を抱えるクラスへ本日新しい転校生がやって来るという
「えー今日から新しい仲間が加わります。皆さん仲良くしてくださいね」
担任が前置きを終えると扉が開き、転校生が入室した。
その後教卓までの道のりの間、クラスメイトの冷たい視線が一斉に注がれた
彼女はその視線に一切慄くことはなく、教卓に着くと白銀の長髪をなびかせ、優雅に佇んだ。
「季隻 透花と言います。よろしくお願いします」
彼女は続けて灰色に濁らせた虚ろな瞳を怪しく細めながら、とても神秘的な雰囲気を纏いながら挨拶をした。
新たなクラスメイトの登場に歓迎するような者は居らず、クラス内は静まり返っていた
「よろしくお願いします、透花さん」
張り詰めた静寂を破り一番に声を上げたのは、女王であった
女王はとても優しい声音で挨拶をした
「はい、神奈崎さん。よろしくお願いします」
透花も呼応するように微笑みながら淡々と挨拶を返した
傍から見れば上品な挨拶が終わり、担任の指示に従い転校生もクラスの一員として席に着く
着いた場所は教卓から見て一番後ろの一番右からひとつ左、先日空席になったばかりの席だった。
と言うのも、このクラスでは学力的な問題によりはクラスメイトが居なくなることは日常茶飯事であり、さらにその中では残酷にも金銭面から退学を強いられる者が殆どであった。
この空気感もそれに起因する所もあるのだろう。
現に、未だに七海以外に言葉を発した者は一人も居ない。
「では、透花さんの挨拶も終えたところで、ホームルーム始めます」
静かなホームルームが終わり、10分間の休み時間に入る
担任が退出すると同時に、女王が席を立った
(...始まる)
クラス全員がそう思った。
上靴を脱ぎ、教室後ろの腰くらいの位置まである棚の上に座り、透花の名を呼んだ
「なんでしょうか?神奈崎さん」
急な呼び出しに疑問符を浮かべる透花
「転校早々にお呼び立てして申し訳ないのだけど、」
そう前置きをして女王は言った
「透花さん、私の足を舐めてくださる?」
静かな教室に強大な威圧感が放たれる
周りの生徒たちはそれを聴いてなお一切の驚きを示さず、女王の方を向き見守っていた
「…それはどうしてですか?」
しかし、透花も冷静であった。真顔でその言葉を正面から受け止め、返答する
「これは儀式よ。あなた、私が誰なのかご存知ないのですか?」
女王は変わらぬ威圧感で透花に問う
「それは、あなたがこの学校の理事長の娘だということですか?」
透花も顔色を変えずに続ける
「ええ、よく分かっているじゃないですか。」
「はい。ですがそれがあなたの足を舐めることとどう関係しているのですか?」
女王は一瞬呆気に取られた顔をしたが、次は呆れ顔になった
「…そうね、ではひとつ前提を確認しておきましょうか。
季隻透花さん、あなたは家庭の都合で、何らかの理由で、金銭的に困った状況にある。だから此処に来た。そうですね?」
透花は目を逸らした
「…」
「ふふっもう一度言いますが、私はこの学校の理事長の娘です。
ここであなたがどんな行動を取ろうと自由ですが、その行動により生じる利益と不利益、それをよく考えてから行動することをお勧めします」
自信満々に語る女王。
それを見た下民は何を思うのか。
屈辱を噛み締めるか、過去を憎むか、あるいは…
「…」
透花は口を開かずに、大人しく跪いた。
「ふふっいい子ね、わかっているじゃない。さあ、先ずは靴下を脱がしてご覧なさい」
透花は表情ひとつ変えず、言葉を一切発することも無く女王の右足に纏う布を剥がした。
造形の整った真っ白な素足が顔を出す
「ありがとう、上手よ。」
満足気に褒め、見下ろす姿は正に女王であった
そう言われた透花は相変わらずの無表情で指示を仰ぐように女王の顔を覗いた
女王はニヤリと笑い、右足を前に出した
「さあ、舐めなさい」
「…」
透花は両手を床に付け、顔を足の前まで近づける。
女王はニヤニヤと頬を緩める。
それから目を閉じ、ゆっくりと口を開き、舌を出し、女王の足の親指の腹を舌で何度かさすった
「んっ…」
女王はこそばゆさからか少し顔を歪めた
(ふふっ素直な子じゃない…もうそろそろ良いかしら)
女王がそう考えたのも束の間、
透花は素早く両手で女王の足を掴み、小指と薬指を残した他三本の足の指を自身の口内に捩じ込んだ
「っんな!?」
女王は驚嘆の声を漏らす。
透花は目を開き、女王を見上げながら舌を乱暴に動かす。舌は唾液と女王の指を巻き込んでぐちゃぐちゃにする
「ひゃあっ!や、やめっ…!」
女王はさっきまでの威厳は無くなり、情けない声を発していた
(っち、力が強い…!)
七海は必死に振り解こうとするが、抵抗も虚しくされるがままであった
「んんっ…れろっ」
今度は口を開け、七海の足の指と指の間までも舌を這わせ始める透花
「あぁっ…///もぅ…だれか…!」
嬌声すら漏れだした彼女には女王の面影は一片も見られなくなっていた。
それを見たクラスメイトは皆唖然としていた。
「あ、あんた何してんの!」
皆が唖然とする中、ひとりの生徒が横から入り、透花の肩を押し突き飛ばした
「…いった」
1mほど突き飛ばされた透花が起き上がろうとした時だった。
「うあああ!」
突き飛ばした生徒が飛びかかって来て再び床に押し倒した。
「うっ…」
幾度も加えられる衝撃に透花は顔を少ししかめた
「あんた何やってんのよ!!」
透花を押し倒し、激昂する彼女の名前は水咲 美華。女王に救われた過去を持ち、女王に次ぐカースト2位の座を持つ彼女は、女王への忠誠心も随一である。
「よくも私の七海に…!!」
美華が拳を振りかざしたその瞬間だった
「美華!」
女王の声により、彼女の拳は透花の顔に当たる寸前で止まった
「…美華、暴力は駄目よ。」
「はい…」
女王の命令を聞くように、美華は直ぐさま透花の上から退いた
「…透花さん、こっちに来てもらえるかしら」
女王は一瞬で威厳を取り戻し、再び威圧感のある声で透花を呼び戻した
「…」
透花は無言で女王の前へと移動した
「…儀式は合格よ。透花さん、あなたをこのクラスの一員だと認めます」
女王は淡々と語る
「ありがとうございます」
透花は少しだけ頬を緩め、心のこもらない感謝を述べた。
「では先ず、このクラスのカースト制度についてお教えします…」
説明が終わり、女王は続けて透花に告げる
「あなたの地位は19番目、最下位よ」
「…絶対のルール、ですか。わかりました。つまり、次の中間テストで私があなたよりも高い点数を取ることができればあなたは女王の座から堕ち、私に逆らえなくなる。ということですね?」
ニヤリと笑いながら問いかける透花
「あなたは肝が据わってるのね…そうよ、考えたこともなかったけれど、超えられるものなら超えてみなさい。」
ニヤリと笑う女王
「はい、首を洗って待っていて下さいね女王様。」
透花はそう言い残し、教室を出た
「…なんなのよあいつは」
透花だけが居なくなった教室で美華がボヤいた
「面白い子じゃない、ふふっ…楽しくなりそうだわ」
愉しげに笑う女王
「…七海」
美華は心配そうにそう呟いた
「…心配しなくても平気よ、美華。この借りは必ず返すわ」
女王は美華を気遣ってか、自信ありげにそう返答した
百合は良き、、!
アニメにももっと百合作品が増えてほしいと願う日々です