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オクラドヴァニアとの関係が変化し心が余裕で満たされると学院生活や社交の場が充実していき、学院での学年が上がる度に荒れていた気持ちが収まり、婚約者の話題も笑顔で聞けるようになると挨拶以外でも話し掛けてくれる同級生達が増えてその中の数名とは学院終わりに遊びに出かけるな仲になり、いつの頃からか休日はお互いの家を行き来したり、其々の屋敷で行われる招宴にも参加するようになっていた。


(相手同伴…この誘いはどうしようかしら?一応オクラドヴァニアに聞いてみて難しいようならば断りを伝えれば良いわね。)


そんなある日友人の一人から以前ならば乗り気にならず直ぐに断っていただろう婚約者同伴の案内が届き、オクラドヴァニアへ芽生えた絶対的な信頼感から案内された夜会の内容を手紙で送り、了承の返事が届くと当日は一人では恥ずかしくて着辛かった隣国で仕立てた何層にもレースを重ねた真新しいドレスを着て参加をした。


「アミ!今日はお招きありがとう。」


「ボイティ!!そのドレスとても素敵ね!!」


「そ、そうかしら。オクラドヴァニア様にも似合っていると言われたのだけれど、周りからは凄く見られていて不安なのよね。」


オクラドヴァニアのエスコートでアミの屋敷に入る時から様々な人の視線を感じて、何か問題があったのかと初めての婚約者同伴の夜会に困惑していた。


「ふふ、大丈夫よ。きっと私みたいにそのドレスに興味が湧いているだけだと思うわ。」


「そうだと良いのだけれど…。」


「これから挨拶に回るのでしょ?きっと質問攻めよ!私にも後で教えて頂戴!」


「ええ、ありがとう。また後でね。」


招待者であるアミに声を掛け終わるとオクラドヴァニアと一緒に会場を周り始めた。


「そのドレス素敵なデザインね。ボイティさんはどちらの仕立て屋さんをご贔屓になさっていらっしゃるの?」


「歩く度にふわりとドレスが舞う姿が気になっていたのよ、これは様々なレースを組み合わせて出来ているのかしら?」


「隣国にはお父様お知り合いが居らしたの?私にも紹介して頂きたいですわ。」


アミの言う通り挨拶に周った将家のご夫人達からドレスについて質問を受け、この夜会以降様々な将家から招待状が届くようになり参加する内に学院生ながらご夫人限定の会員制のサロンにも呼ばれるようにもなった。


「ボイティさんはご婚姻なさったら次期侯将家夫人になられるのだから今から慣れておいた方が良いと思ってお呼び致しましたのよ。」


「恐縮でございます……。」


「皆様お優しい方達ばかりだから気を楽にして参加して頂戴。」


「南のジャウハラの玉家の方たちは最近羽振りが良いらしわよ……」


「あら?その隣のザバルやジャドの橄家と欖家の方々とは大違いね……」


(凄いわ!此処は情報の宝庫なのね!)


それから誘われればどのご夫人のサロンにも参加するようになり予定がない日は数える程しか無くなったが色々な事を知る機会が増え以前より充実して過ごす事が出来た。


「母から聞いたが最近様々な将家夫人のサロンに参加している様だが、疲れたりしていないか?」


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