闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇闇光
グワァーワォグワァー
エンジン音が聞こえる
あたりはほぼ真っ暗だ
光が目に飛び込んでは離れていく
眩しい。ギラギラする
カタガタッダダん
身体がブランコよりも気持ち悪く揺れ動く
遊具っていうより赤ちゃんかゆすられるような
前をぼっーと見る
真ん前はクッションで見えない
はみ出る髪の毛から女性であるとわかる
何歳かはわからない
斜めに目を当てる
男っぽいな。それも40代ぐらいだ。
かみは漆黒に照らされて元のキャンパスは潰されてしまっている
ここは何かの乗り物のようだ 昔乗った事があるような
男がハンドルを握っている
その手は自由だ
乗り物の真ん中前にはオレンジに照らされた時刻が見える。今は何時だろう。微妙に掠れて見えない。
男と女は何か喋っているようた
ふふっ あの子これからどうしましょうか
そうだな。連れて行ってやろう。あそこに。
そうですね。この子にはそれを受けるにふさわしいと。
そうだ、あいつはそうだな。そういう ことだ、
わからない。耳になだれ込む文字が脳には大きすぎて入らない。相槌と雑談はいい。文字が小さくて。でも、脳には残らない。小さいから。消化されてしまう。
今自分はどこにいるのだろう。闇は続いている。奥にも。奥にも。
周りにはものはない。空間も闇に満たされている。
腕が黒い。見えない。体も。目も黒いのかもしれない。だから、視界が黒いのか。
トンネルに入った。ゴォーという音が鳴り響く。
まるで、文字のマシンガンだ。
声も聞こえない。全ては闇へ。
揺れが少なくなる
スピードはブレーキがかかる
揺れが止まる
男女は外に出ていった
窓の外には細長い建物がある
光がさしている
周りには同じような物体がたくさん
すべて見ているんだ
自分を
光に照らされる
眩しい
恐怖に縛られる
動かない
扉は閉まってある
ガタガタ動かす
動かない
なぜなぜなぜ
動かない
祈る
動かない
男女が帰ってきた
男の手に容器に入った飲み物が2本
女の手に一本握られていた
男が手渡す
自分に?
色はよく見えない
でも透き通って見えた
体が前へと傾く
揺れがはじまる
前には電灯が取り付けられたトンネルが見える
また会話が途切れる
抜ける
そうだね、ご馳走にしましょう。寿司とかいろいろ頼んで。あー楽しみ。だって今日はあの子の里親一日目だからねー。
あーそうだ。きっちり準備しよう。愛してやらないとな。前にあんな事があったんだ。すぐには信じてはくれないだろう。でも、時間をかけてしっかりと、本当の子として接してやろう。僕らもそしてあの子も。
家族になるんだ