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土の国の侵略者

アルベルトとユキはグランのあとを追っていく。グランはだんだんと奥の部屋へと進み玉座の間へと向かった。本来、玉座には王が座っているはずなのにそこには別の人物がいた。玉座の近くにはかわいい犬みたいなものがいた。あれは子供のフェンリルだろうか。


「よくぞ、やったぞ。グラン。さすがわたしのペットだ」


そういってグランを撫でているのは髪が長めで青い、どちらかというと見た目は不潔な感じのする男だった。玉座に片方の脚をもう片方の脚のひざの上にのせる独特な座り方をしている彼は一体だれなのだろうか。いや、異世界転生者によって土の国が落とされたという話があった。きっとこの男がその異世界転生者なのだろう。突然、子供のフェンリルがこちらに威嚇態勢をとった。まずい、フェンリルに匂いで居場所がばれたか。


「だれかそこにいるのか」


さすがにばれただろうか。


「ドラゴン、ファイアブレス」


男の後ろからドラゴンが現れた。初めて見るドラゴンの姿だった。なるほど、異世界転生者によってどうやって一国が落とされるのかと思っていたが魔物の力を借りて国を落としたのだろう。この男のチートスキルは魔物を操る力だろうか。そんなことを考えている場合ではなかった。とても熱い炎がアルベルトとユキに襲ってきていた。


「ウォータウォール」


ユキの魔法の力で水の壁が現れた。


「やはり、いたか。ポチの嗅覚は絶対だ」


青髪の男は玉座から立ち上がった。


「お前たちが噂のガーディアンのやつらだな。異世界転生者を専門に相手をしている人間がいるというのは聞いていたが。さぁドラゴン。こいつらを消せ」


ドラゴンは再び炎を放つ。


「ファイアボール」


ユキは炎の玉を出した。ドラゴンが吐き続ける炎を炎の玉が止めている。


「このドラゴンは私が倒すわ。アルベルトは下がってて」


アルベルトは了承して下がった。


「わたしが作った魔法理論のすべてを、見せてあげるわ」


ドラゴンが爪で攻撃を仕掛けてくる。


「ウォール」


ユキとドラゴンの間にみえない壁でもあるかのようにドラゴンの攻撃が止まった。


「私にかかれば魔力だけで戦えるの。次はこちらの攻撃よ。魔弾!」


突然ドラゴンが壁に突き飛ばされた。魔力で弾をつくりそれを放つ魔法だ。


「ドラゴンは簡単に倒されてしまったか。だがお前たちにこれが倒せるかな。いけ!グラン」


グラン様が二人の前にはだかる。こいつ、グラン様も操っているのか。話を聞いているところ、テイマーの能力かと思っていたがこいつの能力は人間にも影響を与えるテイマーだったのか。


「グランドブレッド」


土の弾丸がユキをめがけて飛んでくる。


「ウォール」


弾丸をはじいた。

だが、グランの狙いはそれではなかった。

足元が土で固められていた。

ユキはこの土が魔力を吸収していることに気づいた。

このまま長時間ここにいてはまずい。


「ワープ」


土から脱出をした。だがグランはそこまで読んでいた。

弾丸がユキに襲い掛かる。

ユキは弾丸を受けてしまった。


「どうやら俺の出番だな」


後ろに下がっていたアルベルトが前に一歩出た。

アルベルトはユキを端へと運んだ


「グランドブレッド」


土の弾丸がアルベルトに襲い掛かる。

アルベルトは拳で土の弾丸を受けた。

土がぼろぼろと崩れた。


「インパクトパンチ」


パンチから放たれた衝撃波でグランは遠くへと飛ばされ、意識を失った。


「ほほう。王族の息子といえど手をだすのか。恐ろしいな。君たちは。ならば次はこれだ。」


突然、城の天井が破壊された。上から巨人の足が降りかかってきた。

さすがのアルベルトもこれは避けた。


「私が相手する」


聞き覚えがあるが勇ましい声がした。そうだ、この人いえばこんな感じでもっと覇気のある人であった。

そのセリフを言って立っていたのはグラン様だった。


「わたしのテイムに抗うことができたのか。頭を打った衝撃か…」


周りに大量の土が現れ始めた。グラン様から大量の魔力を感じる。


「巨人相手は巨人だ、いでよ、グランドジャイアント」


生成された土が集まり、巨大な土のゴーレムが生まれた。巨人同士の戦いが始まった。


「アルベルト殿はあのテイマーを!」


「あぁ!」


アルベルトは直接テイマーに向けて拳を構える。


「ふふふ。わたしの本当の力を見せるときがきたようだな。グランを操っていたのだ。当然、お前たちを操ることもできるに決まっているじゃないか。はなからこの勝負は決着がついていたのだよ。さぁ、私にしたがえ」


だがしかし、なにも起こらなかった。


「なんだこいつ…」


「ユキは常に魔力のバリアを貼っている。そして俺の脳みそは筋肉でできている。だから効かない!」


テイマーは驚きの表情で言葉を失った。アルベルトとテイマーの間に沈黙が流れる。巨人同士の激しい音と地鳴りだけが流れた。


「何を言っているのかわからないが、ならばこれならどうだ」


そこに現れたのはカイトだった。どうやらカイトはテイマーの洗脳にかかってしまったらしい。

アルベルトは本当にこいつは…と思った。







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