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アルベルトの師匠

物心ついたころには俺はこの冴えない師匠のところにいた。なんで?とかそういうところはよくわからない。気づいたら、なぜかここにいたのだ。別にこの支障が父親ってわけでもない。でも今なら父のようであると思っている。

当時、武闘家ってのはあまり評価されていなかったどころか、むしろバカにされていたくらいだった。どう考えても魔法のほうが強いし、遠距離攻撃のために弓矢を使ったほうが安全である。近距離の攻撃をするにしても剣を持っていたほうが強いという話だ。そんななか俺の師匠のバインは武闘家として決闘大会に出場することになる。だが当然、毎回初戦敗退だ。決闘大会は身代わりペンダントを装備して挑むから命をなくすことはないものの、毎回一回戦で負ける選手として有名になってしまっているほどだった。

そんな状況であっても幼い俺に適切な判断ができるわけもなく。結局俺も武闘家としての道を歩んでしまうのであった。これはそんな俺のちょっとした物語。

俺が武闘家を始めることになってしまったのは5歳のころの出来事だった。

いつものようにぼろ負けをしたバイン。


「やーい、ざーこざーこ」


観客たちもこんな感じでいつもバインのことをあおってくるのだ。子供ながらこれに関してはとても不快な気持ちだった。そのとき体が勝手に動いてしまったのだ。といってもバインの見様見真似だしそんなに大したこともないはずだったけれど結局3,4人の煽り客を倒してしまった。


「お、おまえすげええなぁああ!」


この一言が当時の俺にとってはとてもうれしかった。親に捨てられたのかどうかもよくわからない。不安定な俺をバインのもとで安定するきっかけになっただろう。


そして次の出来事は8歳のときだ。


「アルベルト!これを見ろ!!」


そう言って俺に見せてきたのは巨大なリュックサックだった。


「いいか、今日の決闘大会!みてろ!!」


そういってバインは今日も大会に出場した。バインの相手は炎の魔法使いだった。今日はやけどして帰ってくるのか。そんなことを思っていた。


「ファイアボール!」


あーあ。またやられるよ。そんなことを思っていたのだが、今日はいつもと違った。リュックサックからバインはフライパンを取り出した。炎を完全にフライパンで受け止めていた。さらにリュックサックからペットボトルを取り出して相手の魔法使いに中身をかけた。


「なんてことはない!!もう一度ファイアボール!!!」


その瞬間魔法使いの体が燃えた。ペットボトルの中身は油であった。こうしてバインは初めて決闘大会を優勝する。こうして彼に疑似アイテムボックスの異名がついた。


俺はこの戦いにあこがれて武闘家というものの認識を変えるのが俺の夢になった。



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