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第九話 絶望、そして覚醒

どうも!ラドロです!今回はついに魔法攻撃が登場にします!


それでは、どうぞ!

「ランやこの国は極力戦争を避け、万が一起こっても防衛のみを中心とする。これは倫理面的には正しい一方何度でも戦争が起こりうることを意味する。が、スキロ様たちは争いが起こると、その国とは一つになると表明している。これは言い方によっては占領とも取れるし、批判されても仕方のないことだろう。だがこうすることにより、最低限の争い、最低限の犠牲ですむ。どちらがいいかとなったときに僕は後者を選んだというわけさ」

皆が唖然とする中、彼はそう言い切った。いや、二人だけ例外がいた。一人目はもちろんスキロだ。作戦通りに行って、さぞ気分のいいことだろう。そしてもうひとりとは、ほかでもない私だ。

「…許せない…」

小さな、しかし確固たる怒気のこもったつぶやきだった。

「ユアちゃん?」

「許さない。絶対厚大の思い通りにはさせない…!」

「けど私達には攻撃方法なんてないじゃない。どうするの」

どうすれいいの…そう胸の内でつぶやきながら脳を必死に働かせていると、急に水色のパネルが表示された。この一ヶ月の間で何度も見た、技の習得を知らせる表示だ。そこに書かれた内容をみて、私は驚愕する。そして一つの決心をする。

(普段、誰かに引っ張られてばかり、助けられてばかりの私。けど今だけは厚大君を引っ張り戻して見せる…)

スッと立ち上がるやいなや習得したばかりの、しかし発動方法だけは何度も練習した技を発動させる。

「エクスプロージョン!!」

魔法使いのなかで初心者を除いた殆どが扱えるような技だが、シスターが回復魔法と同時に扱えることはめったに無い技だ。習得したばかりでまだ不安定だろうが素早く威力の高い爆風を起こせるこの技は奇襲にはもってこいの技だ。私の叫び声に彼が振り向いた。刹那、その顔が驚愕にそまる。そして彼の体が反応するよりも前に

ドドーン!

彼らと私達の間に大爆発が起きた。位置的にも死にはしないだろうが足止めにはなるだろうし、もしかしたら二人して地面に倒れ込んでいるかもしれない。もしそうなれば確保及び処罰等は簡単だろう。そう思って爆炎が消えるまで見つめていたがその炎が消えると見えてきた景色は私が予想したどちらでもなかった。

「…誰もいない?」

「…逃げたね。」

いつの間にか隣に来ていた楓がそう呟いた。途端、視界がぼやけてくる。力が抜け、立っていられなくなる。

「…かえでちゃん…!」

周りの目も気にせず思いっきり抱きついた。顔を彼女の体に埋めて思いっきり泣いた。なんでかはわからない。たった十数分の間の出来事なのに思い当たる節がありすぎる。すると楓ちゃんも嗚咽を漏らしているのに気がついた。互いに固く抱擁し、十分ほど泣き続けた。



「…どういうことだ?彼女は攻撃してこないと聞いていたが。」

「申し訳ありません。スキロチタ様。ですが状況等から推測するに彼女の激情が本来できない攻撃すら可能にしたのかもしれません。」

戦線から離れながら俺ー厚大ーはそう報告する。

(…しかし、本当になぜなんだ?)

たしかに優愛が数少ない不確定要素であったのは確かだがここまでとは。自分の姿に改めて目をやると、ひどい有様だ。ところどころ服や髪は焦げてるし、HPバーを確認すると20ほども減少している。

「…作戦の実行を急ぎましょう。さもなくば犠牲が増えます。」

「ああ。そうしよう。例の部隊は?」

「もうすでに動いています。おそらく戦闘能力に長けた者は先程の戦線に集中しているはずです。後は彼らが丁寧に実行してくれるかにかかっています。」

「そうか。…成功すれば彼らをも私のものにか…フハハ…」

スキロのその狂人じみた発言には密かに言葉を失う俺だった。

そして、作戦はあっさり成功した。拠点に戻って小一時間もしないうちにランの姉である女王の身柄を確保し、こちらに連れてきた、という報告があった。すぐさま

「スキロ様。明日の正午ごろに例の場所に来るように連絡願います。」

「良かろう。コウダイは客をもてなしておけ。」

「はっ。」

そうやり取りすると部屋を出て、さっそく女王を収容したという地下牢へとむかった。


なんかシスターが主人公に攻撃するというカオス展開になりましたね…

今回も読んでいただきありがとうございました。もし本作品を高く評価してくださるなら次回以降も読んでいただけたらと思います。それでは!

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