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第六話 交渉、そして親交を…

どうも!ラドロです!今回はなにげに重要な場面に遭遇します!


それでは、どうぞ!

「あらためまして先程は助けていただきいただきありがとうございました。」

と切り出した厚大に一体私達のことをどう説明するんだろう、と不安になりながら私は一行ー厚大、ランプシィ、アフォシオシ(アフォシと呼ばれている)、彼らの部下と思しき者たち、私、優愛ーのやりとりを見守っていた。彼から念を押されたのは「俺の説明にマイナスになることは極力介入せず、肯定だけしてほしい」とのこと。

少し前のことを思い出していると

「礼はいいよ。それよりも君たちがなんであんなことになったかを教えてほしいんだ。もしこちらにできる対策があるならすぐにでもしたいからね。」

とランプシィは返答する。

「ありがとうございます。…では早速僕らの出自についてお話させていただきますが、結論を言うと…

僕達は捨てられたのです。」

は?と耳を疑った。しかしそんなこちらの様子に目もくれず彼は続ける。

「僕らは同じ地域で生まれ同じ地域で育ちましたが…そこは貧困がはびこっていました。子供は生計を立てるための道具でした。すこしでも不満を漏らそうものなら虐待は当たり前でした。そんな生活を続けて16年たった一週間前のことです。突然僕らの親が僕らを連れて旅に出る、といったのです。そこでいま僕らが着ている衣服や武具を揃えてもらい、船に乗せられました。怪しいとはわかっていたのですが従わざるを得ませんでした。そしてこの地方につき、すぐ近くの草原につくやいなや彼らは姿をくらましました…」

と語った。

(よくもまあそんなに嘘がペラッペラと出てくるわね…)

と呆れていると

「君たち、それは本当かい?」

とランプシィがこちらを向いて尋ねてきた。ところがただ彼の指示にしたがうのも癪な気がしたので私も少し語ることにした。

「…事実です。むしろそれだけではありません。」

更に続ける。

「私達の親はルームシェアという形で共住していたのですが私達のための場所はなくて、私達は家事・仕事の時以外はつねにせまい押し入れのような部屋に押し入れられていました。それこそ道具みたいな扱いで…」

厚大と違い嘘がそれ以上出てこなくなったので言葉を続けられないかのようにうつむいたが、それが功を奏したのかもしれない。相手達は皆、信じ切っているようでランプシィに至ってはそのすごく申し訳無さそうな、悲痛な表情をしていた。厚大が再び口を開く。

「急で信じてもらえないかもしれませんがこれが僕達の今までです。…そこでなんですが、僕が言うのはおこがましいというか、厚かましいかもしれませんが、皆さんのもとで暮らさせてもらえませんか?右も左もわからないこのままでは生きていける気がしません。先程の会話から察するにあなたがたは警備団を営んでいらっしゃるようですし、可能なら住み込みでそこに働かせていただくことができればと思うのですが…だめでしょうか?」

ここまで来てやっと彼に嘘の意図を察する。ストーリーの展開通りに進めつつ生き残るために彼らに保護してもらうようにするための先程までの嘘だった、というわけだ。これがうまく行けばこの先かなり安定して生存できるが…祈るようにランプシィをみると

「もちろん答えはイエスさ。そんな困っている人を放って置くなんて警備団のリーダーはもちろんこの国の王子すら務まらないよ。」

と答えた。しかし真っ先に反応したのは意外にも優愛だった。

「え、ええ?!ランプシィさんって王子様だったんですか?!」

「うん、そうだよ。けど今からはあくまで警備団のリーダーと一員って関係だからね。変に様とか王子とかつけずにランって呼んでくれたら嬉しいよ。」

と彼はほほえみながら続ける。もちろん、そこに待ったをかけるものがいた。しかし

「お待ち下さい、ラン様。どこの国かもわからない者達を嘘かもしれない理由で警備団に入れるというのですか?」

「ああ。そうだとも。疑うことが大事なのは君に何度も言われたからわかっているさ。アフォシ。けど僕は疑って後悔するより信じて公開したいからね。万が一裏切りがあったら即刻法に基づいて制裁を加えるから。疑うのは構わないけれどとりあえず受け入れはしてくれないかい?」

「まあ、そこまで言うのなら…」

という会話を経て一応納得してもらっていた。

そして移動し街に出てくると思わず嘆息してしまった。あの時プレイした景色がよりきれいになって視界に現れたからだ。レンガ造りの町並みには所々に屋台らしきものも出ている。人々も現実世界と錯覚してしまうぐらいリアルだ。また、意外だったのは仮にも王子が歩いているわけなのに誰も騒ぎ立てないことだった。更に歩いて警備団の寮らしきところに案内してもらうとそこには普通の家より多くのガラス窓が施された建物があった。中に入ってから設備の説明を受けたが長く、最後の方には聞くことにすら疲れてしまったので省く。そして一階にある広場のようなところで警備団の皆と食事をした(警備団全員揃っての食事だったが人数は20名程度だった)。そのあと厚大に

「2階の突き当たりにあるテラスに来てくれ。話がある。」

と呼び出された。そしてそこで衝撃の通告がされた。


楓は一体厚大からなんの通告を受けたのでしょう…?

今回も読んでいただきありがとうございました。もし本作品を高く評価してくださるなら次回以降も読んでいただけたらと思います。それでは!

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