第五話 邂逅ー後編ー
どうも!ラドロです!今回は謎の剣士に迫ります
それでは、どうぞ!
「優愛!」
そう叫びながら楓は座り込んでしまった優愛へ抱きついた。
「…ごめんね。ほんとごめんね…」
そう何度も嗚咽混じりに謝罪する楓。優愛は何も言わずに彼女を受け止めているが、ものすごく怖い思いをさせてしまっただろう。申し訳ないと思う一方やらなければいけないことが別にあることを思い出し、なんとかこらえると先程の剣士に俺は向き合った。
「先程は危ないところをありがとう…」
「いいよ、礼なんて。その子が助かったんだからさ。」
と遮る男性。彼は水色を基調とした豪奢ながらも動きやすそうな服装をしており武器のたぐいは彼の右手に握られた例の剣のみ。どうやらこれはもしかしなくても…
「あの、もしかしてランプシィ様ですか?」
「うん。そうだよ。ところで君たちは…」
と聞かれ、まずい。どう答えたものか、と悩んでいると
「ラン様!」
と声が響いた。声のした方へ振り向くとランプシィとは対照的な見た目をしたー紫を基調にした防具をきっちり身につけ背中には高身長な彼の背丈をも上回る大きさの槍が携えられているー初老のしかし年齢を感じさせない雰囲気をまとった男性がこちらへと歩いてきている。“ラン”と呼ばれた本人はわかりやすく頬が引きつらせている。
「や、やあアフォシ…」
「なにがやあ、ですか!休憩中だったとはいえリーダーであろうあなたが警備団から勝手に抜け出して!今度は一体何事です!」
「今回はちゃんとした理由があるんだよ。ホラ、この子たちがオオデザルに襲われていたから助太刀したんだよ。」
と返す。するとアフォシと呼ばれた男性は訝しむような視線をこちらに向けると、
「君たちはいったい何があってここに来たのだ?見かけない服装をしているが」
とランプシィと同じ問いをかけてきた。ここでなんとかしてこの人達の仲間になれないかと必死に頭を回転させる。もしここで彼らと別れてしまえば例のゲームと大きく進行にずれが生じ、この先どうなるか全くわからなくなる。先程まではある程度の予備知識があったから何とかやってこれたがそれらがなくなるとあっというまに死を迎えるだろう。それだけは避けたい(無論死ぬと元の世界に戻れるのかもしれないが試す気には当然なれない)。とりあえず少しだけでも先延ばしにするために「話すかどうかは内容が内容なので連れと相談させてほしい」と返答した。
改めて彼女たちに目をやると彼女たちはもう落ち着いているみたいだった。そして彼女たちへ歩み寄ろうとした刹那、あるアイデアが浮かび早速彼女たちにそれを実行すべく必要事項だけを伝達した。もちろんその前に猿の件の謝罪もしたが「もういいよ。」と許してくれた。
謎の剣士は王子でしたね…
今回も読んでいただきありがとうございました。もし本作品を高く評価してくださるなら次回以降も読んでいただけたらと思います。それでは!




