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第四話 邂逅ー前編ー

どうも!ラドロです!今回、ようやく戦闘シーンが入ります!


それでは、どうぞ!

俺たちはまず森の方を目印に動き始めた。なぜなら平原の方に人工物らしきものがないのは最初に優愛が調べてきてくれていたからだ。道中そのことに礼を言うと

「ええ。そんな礼なんていいのにぃ…」

と『嬉しいけど恥ずかしい』感がめちゃくちゃ出ていた。ちなみにその反応に楓がメロメロだったのは別の話。そうこうして森に入ると一気に薄暗くなり、

(何か出そうだな…)

などとおもっていると案の定というべきか言うまいか

「ギィー!!」

と鳴き声らしきものが聞こえてきた。直後前方に2つの物影が木々から地面に降り立った。茶色い体毛に覆われており猫背気味。長く柔軟なシッポ。指や爪が少し長いがこれは…

「…厚大。猿だね。」

「ああ。…楓は優愛を。」

「OK。気をつけて」

短い情報のやり取りの後、俺と楓はそれぞれ武器を取り出す。某RPG のように攻撃のコマンドがあるわけではなさそうだから、いまのところ完全に自分の剣技のみで戦うこととなる。俺は剣道を祖父に軽く叩き込まれたため戦闘に自信はあるが、楓は槍術はもちろん未経験だ。よってほぼ戦闘能力が皆無であろう優愛の護衛のほうが適任なはず…と自分の戦略にミスがないかだけ脳内で確認するとすぐに戦闘モードに切り替える。実質この場では1対2と攻めに行くには少し不利だ。そこで下段の構え(防御主体)を取ると相手方はそれを攻撃の準備と認識したのか、いきなり飛びかかってくる。普通なら避けれるかも怪しい奇襲。しかしそれはすでに知っていた。それを見た俺は剣先を左に向けると、

「…サァア!」

と言う声とともに素早く対角線を描くように右腕を振るった。すると剣先は見事に猿の腹に吸い込まれ、

「ギィアア!!」

という叫びとともに赤い体液がほとばしる。服にかかるのも気に留めずに剣を前方向に向け、腕を真っ直ぐ突いた。するとそこに斬撃によってよろめいた猿の首がヒット。何も言わずに地面に倒れた。そしてすぐにもう一体の姿を追おうとしたが

(見当たらない!?どこに)

と視線を迷わせた刹那、

「上に隠れてる!!」

と楓が叫ぶ。的確なサポートは頼もしい限りだった。しかし洞察スキルを持っていたのは彼女のみだったため姿を捉えられず完全に剣の軌道が定まらない。その一瞬の隙を待っていたかのように

「ギシャシャ!」

と猿が急降下。とっさに攻撃するだと思い両手を頭上に交差させガードの構えを取ったが猿の目的はなんと

「っな!!剣を!?」

そう。猿の狙いは剣を奪うことだったのだ。剣を俺からむしり取った猿は俺を踏み台に跳躍する。そして猿の持った剣先はそれぞれ防御の姿勢を取っていた俺と楓を超え、優愛の方に向かった。一連の誰も予測できなかった行動に俺たちは何もできなかった。悪あがきといわんばかりに楓が優愛に向かって叫ぶがなんの意味を持たない。自分の無力さを恨んだその時、

ガキィン!!

という想定していた音とは全く違う音が反響した。音源の方に目を向けると、後ろの茂みから飛び出したと思しき人物が剣をはねかえしたのだ。ガードした剣をよく見ると装飾が施されていながら剛性を感じさせるデザイン。何者かはわからないが助っ人になってくれれば心強いことは間違いないだろう。そう判断した俺は脊髄反射的に

「追撃を!」

と叫ぶと同時に人影はもう動いていた。ダッシュしながら振りかぶった剣を迷わず猿の喉元へ振り下ろす。当たったのは根本だったが何しろ勢いが凄まじい。一撃で猿は沈黙してしまった。しばらくの間をおいて

「優愛!」

と叫びながら楓は駆け出した。俺も優愛へ足を運びつつ突如として現れた助っ人に目を向けると穏やかに微笑んでいる見覚えのある人物の顔が俺の視界には映っていた。

(続く)


優愛が危ないところでしたね…

今回も読んでいただきありがとうございました。もし本作品を高く評価してくださるなら次回以降も読んでいただけたらと思います。それでは!

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