第一話 プロジェクト始動
どうも!ラドロと申します!趣味で書いてたものが意外と良さげでは、と周りに言われたので皆様にもぜひご評価いただきたくそして楽しんでいただきたく、投稿しました。
果たして異世界に飛んだ彼らの反応はどのようなものなのでしょうか
それではどうぞ!
20XX年、都内某所。一人の科学者が一つの室内に立ち入る。その室内は無機質なデザインで、奥には人の数倍の大きさはあろう黒色の機械がある。量子型のスーパーコンピュータ
―ザ・ファウストと呼ぶ―だ。そしてその手前には三つのベッドが並べられている。それぞれには二人の女子高校生と一人の男子高校生が寝ている。彼らは今日交通事故に巻き込まれ病院で手術を受けた者たちなのだが神経の一部が傷ついておりこのままでは半身不随になってしまう。そこで精神をコンピュータが作成した仮想世界の中に移し―正確には本当に移すわけではない―疑似的な日常生活を送り脳に何度も神経に電気信号を送らせることで神経の機能を回復させようというのだ。長らくこのプロジェクトには適した治験者がおらず機器はそろっていながら足踏みする状態が続いていたが幸というべきか不幸というべきか今日治験者が三人もそろったのだ。ついに始まるプロジェクトを前に第一人者である彼は確認に来たのだ。彼は不備がないのを確認すると
「頼むぞ…」
と呟いた。その声は少し上ずっていた
そしてコンピュータと治験者を接続しコンピュータを起動すると彼は
「プロジェクト、スタート」
と宣言した。
これが俺たちの異世界生活の始まりの瞬間だった。
「厚大。起きて…」
暗闇の中でそんな声が響き俺の意識は覚醒していく。次にそれを自覚した俺はそれまでの状況も何となく思い出す。確か車がこちらに衝突しはねられたのだったなと思うと彼は違和感を覚えた。体に痛みはなく、横たわっている地面は固く冷たいアスファルトのはずなのに暖かく柔らかい。
目を開けるとそこにはこちらをしゃがみながら見下げる幼馴染―楓―がいた。先ほどの声の正体も彼女の声なのだろう。
「おう、おはよう」
などとのんきなことを言いながら起き上がると自分の体、そして周りに視線をめぐらす。違和感の正体はすぐに分かった。激しく衝突したはずの体は傷一つなく、黒いレザージャケット、灰色のシャツとスラックスに包まれていた。もちろん事故直前にはこんな服を着ていなかった。そして地面は緑一色の草原。とても事故があった場所、状況とは程遠い。彼女に状況を聞くと彼女もわからない、と答えた。そしてそんな彼女も服装が意識を失う前と大きく変わっている。白シャツにスカートという制服姿だったはずの彼女は上下藍色のTシャツに短パンという姿だった。―もっともこの気温と男勝りな彼女の立ち振舞からしたらこちらのほうがぴったりなのだろうがーとここまで考えたところでひとつ忘れていたことがあるのに気づいた。
「…そうだ。優愛は?!」
優愛は俺たちともに事故に巻き込まれたのだ。もしここにいる原因が事故に遭遇したことなら…
「ああ。周りを観察しに少し探索しに行ったよ。時期に戻るはず…ああ、戻ってきた。 優愛〜!」
楓が声のかける方に顔を向けるとそこにはたしかに優愛の姿があった。だがしかし予想通り服装が彼女もまた記憶していたのと全く違う。白い下地に緋色のラインが施されたワンピースに身を包み、手には白い指ぬきグローブをつけた彼女は多少ぎこちないながらもこちらへ駆け寄ると
「あ、厚大くんも起きたの。おはよう」
「あ、ああ。おはよう」
その可憐な服装に少しドキマギしながらも、そう返すと息をつくまもなく俺たち三人のそれぞれの前に水色の光が流れ、横の細長い透明な板になった。そして
「全プレーヤーノ対面ヲ確認。チュートリアル二移行シマス。」
と機械じみた音声が聞こえてきた。
(続く)
いかがでしたか!なんとも稚拙な文章だったかもですが、楽しんでいただけたのならありがたいです!
もし本作品を高く評価してくださるなら次回もご愛読願います。
それでは、また!