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みんな葛藤してるよね。  作者: 紫音
シングルマザーまでの道のりとそれから
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今でも大好き

出産から一ヶ月経ち、やっと長男の退院が決まりました。この間毎日看護師さんが長男の様子をノートに纏めてくれていました。今でも大切な宝物となっております。

我が家で始まった新生活はとても賑やかで慌ただしく毎日が笑顔で溢れていました。長女はおてんば、次女はマイペース、長男は皆んなから愛され、甘やかされながらもすくすくと育っていきました。もちろん、一人での子育てではありません。時には実家へ頼り、保育園の先生方にも沢山支えられての成長でした。頼りなく不甲斐ない母を見て育つ子供はとても逞しいものでした。


 あっという間に長女が小学生になり、次の年には次女も入学。バタバタとした毎日を過ごしていた時です。雪が降る少し前、残暑が終わり秋になって風が冷たいねーなんて言い合って笑えていた時に突然の母の訃報。正確に言えば病院からの電話でした。大好きな母が心肺停止で運ばれたと正に悪魔の知らせでした。弟にも連絡をして急いで病院へ駆けつけましたが、通されたのは診察室…嫌な予感がする…

先生が落ち着いたトーンで説明を始めた。救急隊が到着した時には既に心臓が停まっていました。心肺蘇生もしましたが残念です。この一言は私を絶望に陥れるには充分すぎた。


 母のいる部屋へ連れて案内された。1時間前には電話したよね?一緒にご飯食べようって約束したよね?何で寝てるの?頭の中はぐちゃぐちゃになり涙が止まらない。今にも起きそうなのに…

道路で倒れて運ばれたので検死が必要とのことで部屋の外で待つように案内される。もっとそばに居たい。けど、このまま病院に留まることなんて出来ない。何から、何処へ連絡すれば良いのかわからない…助けて。先ずは、母が亡くなる少し前に離婚していた父に連絡。この時は離れた地で仕事をしていた。電話先で言葉が出ないでいる。本当に母を大事に思っていたんだろう。次に連絡したのは叔母だった。すぐに病院へ来てくれて、あれこれ手続きをしてくれたのだと思う。最後に連絡したのは葬儀屋さんのお友達、夜なのに子供を夜間保育へ預けてすぐに来てくれた。葬儀の手配も全てになってくれて私はただただ母の隣にいるだけだった。


 そのまま葬儀場へと向かったが、自宅から近い場所にあり、子供たちがまだ小さい事もあったので夜は自宅に帰りなさいと言われ帰宅した。本当はお母さんと最後の時を一緒に過ごしたかった。お母さんの隣で一晩中話していたかった。子供たちの寝る準備を整えて一緒に布団に入ったが、やはり全然眠くならず、涙だけが止まらずにいると不思議と頭を撫でられる感覚があった。昔から大好きなお母さんの手の感覚…安心するなと思ったら朝になっていた事は今でも不思議な出来事である。


 翌日、とてもスッキリ目が覚めた。大好きだったお母さんとのさようならは、昔から何度もなんども可愛いと言われたおでこ丸出しのポニーテール。私からの最後のプレゼント。可愛い私をずっと忘れないでね!って思いしかなかったな〜。お葬式は正直、何も覚えていない。本当はもっと最後までちゃんとお母さんと過ごした思い出があれば良いのだけど、不思議なことにひとっつも思い出せないの。これは今でも寂しく思うよ。お母さん、あの日、私は最後まで貴方の自慢の娘でいられてましたか…?

後に聞いた話では親戚たちは私が母の後を追うんじゃないかと気が気じゃなかったらしい。


 

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