第7話 対能力者犯罪取り締まり係
真琴が木陰で寝ている。かわいい。
太一はあのまま地べたで気を失っている。死んでる…?
私は二人を横目にひたすらトレーニングに励んだ。
足らなかったのだ、今までの私の努力では。
強く、強く、強く!強く!!
…
真琴「まーいさんっ!」
ハッと横をみるとそこには真琴と鼻血を出している太一がいた。
真琴の頭の上に葉っぱが乗っている。かわいい。
太一は若干いじけているのかそっぽを向いている。
と空を見るとすっかり日が沈みかけていた。
舞「すまない。集中しすぎていた。」
真琴「戻りましょっ?きっともうみんないますっ!ご挨拶しましょうっ!」
最初に会った人が真琴で本当によかったと思う。いい友人になれそうだ。
舞「ええ。」
私たちは帰路についた。
…
私たちは施設の前にいる。
扉を開けると中にメンバーがいると思うと少し、いや、かなり緊張してきた。
真琴「舞さんっ!ファイトですよっ!」
太一「みんな優しいから心配なんてなにもないぞ!」
とはいうが、私のイメージは朝にきちんと出勤しない不良集団なのである。
仲良く…できるのだろうか?
扉を開く。
太一「な、なおかさんいらしてたんですね!」
太一の様子がおかしい。
中には3人の男と2人の女性がいた。
デスクで書類に目を通している男が一人、その横でケータイをいじっている男が一人、突っ伏して寝ている?男が一人。
少し横の小ぎれいな机とソファで向かい合っている女性が二人。
1人は知っている。
黒木玲。
ここ対能力者犯罪取り締まり係の部長。そして、とんでもない実力を…
久遠「やあやあやあ!!やっほーー!!僕は高坂久遠!一応巡査長だよー!よろしくね!」
先ほどまでケータイをいじっていた男だ。なんだこの男は!巡査長だと?
ゴチン!!思わず目を閉じた。
久遠の頭には漫画のようなたんこぶができていた。
久遠「いったーー!なにするんだよ!!海斗ー!!」
海斗「巡査長が失礼を。私、対能力者犯罪取り締まり係佐伯海斗巡査であります。」
巡査が巡査長を殴った…佐伯…?
真琴「えへへ…私の弟の海斗ですっ!」
弟…?
私は何か大きな勘違いをしているような…
舞「失礼ですが、真琴さんご年齢は…?」
真琴「この前24になりました♪」
なっ!!
舞「すいません!私!てっきり年下かと…!」
真琴「舞さんっ!今年23歳ですもんねっ!でもいいですよっ!今まで通りでっ!」
舞「しかし…」
真琴「じゃあっ、上官命令ですっ!今まで通りに接してくださいっ!私っ!警視庁の警部補なのでっ!」
舞「!?!?」
私は驚きすぎて言葉が出なかった。
真琴は相変わらずえへえへしている。
??「ちょっと~あたしを無視しないでよ~。」
舞「あっすいません。色々と驚きすぎて…」
金髪…肌が浅黒い、焼いているのか…?
典型的なギャルといった感想だ。
なおか「ちーす、あたし警視庁の警部、工藤なおかでーす!あんた噂になってたよー?やばい3人に呼び出されたって!」
本部の人間?
黒田部長と工藤警部が話していたのか…?
このギャルが警部と認めたくはないが、警部と直接話をしている玲は一体何者なんだ?部長と言われているが…?
なおか「玲ちゃん、稽古つけてやんなー。あたしの見たところこの子伸びしろあるよー。」
伸びしろ?ないと困る。強くならねば。
玲「すまないね、私は忙しくてね。それにね、君の指導係はもう決まっているんだ。」
指導係…?
二色「んうぅ…騒がしいな…」
太一「おっと、俺たちの巡査部長がお目覚めだ!」