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同窓会で――君に会いたい  作者: 矮鶏ぽろ
7/7

同窓会で――君に会いたい

泥酔した宮前公裕は、どうやって帰ったかすら思い出せずにいた……。

 同窓会で――君に会いたい


 目が……覚めた。


 あれからどうなったのか……記憶がない……。

 飲み過ぎたわりに、頭を振っても痛くなく、目覚めも悪くなかったが、汗でシャツが湿っている。


 慌てて枕元に置いてあったスマホを手に取り、乃中の連絡先を探す――。

 アドレスが複雑な記号と文字だったり、……長かったから、酔いつぶれて正しく入力されているかどうか不安だった。

 一文字でも打ち間違えていれば、繋がらない――!


 ――不安は的中した……。

 乃中のアドレスどころか……変わった彼女の苗字、名前すら入力されていなかったのだ。


 目を閉じて歯を噛み締めた――。くッそ――!



 見慣れたクーラーと、遮光性の悪いカーテン。

 酔いつぶれた俺は、タクシーで実家にでも運ばれたのかと思っていたのだが、……ここは実家ではなく、俺の安アパートだ。

 どういう事か分かるまで、数分を要した……。



 ――夢だったのか――。あの同窓会も……みんなとのやりとりも――。



 またくだらない……。

 夢を見てしまった……。



 体を起こして、現実へと頭を切り替える。小さな洗面台で、何度も何度も顔を洗った。


 ……それにしても、リアルな夢を見てしまったものだ……。今でも口からおでんのゲップが出せそうだ。串に刺さった鳥皮の煮込みなんて……今まで見たことも食べたこともないのになあ。


 必死にスマホをテーブルに取りに行った俺の慌てよう……、思わず笑ってしまう。


 アパートの郵便受けに入れられた朝刊を引き抜くと、新聞に紛れて昨日取り忘れていた小さな封筒が床に落ちた。


 ――同窓会の案内状――!


 封筒に、汗が伝い落ちる……。


 淡い期待を胸に俺は、早速封筒を切り開く。しかし、会場はおでん屋などではなかった――。料金は一万円。やはり高い……。


 だが……今年は……行ってみるか……。

 封筒を大切に押し入れの中の小さな棚へと片付けた。



 乃中は……結婚しているのだろうか?



ご愛読ありがとうございました。


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