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表裏世界の異能力戦争  作者: ヒビキ ミナキ
2/2

1異能力戦争

「おい起きろ、朝だぞ」

 誰かが僕の体を揺すって眠りを妨げてくる。

「待ってもう少し。後五分……」

「いいから起きろって、人が来てんだよ」

「人?」

 僕は直ぐ様立ち上がり、欠伸をしながら背伸びをすると、コンクリートだらけの部屋を出て、僕達は横の階段を下り始めた。

 現在僕達が住んで居るのは、無人の廃墟ビル。これと要った物は無いけど、誰も居なくて静かだし、僕的には凄く気にっている場所だ。

「それでフロイス」

「何だ?」

「人って誰が来てるんだ?」

「希美」

「あーー」

 階段を降り、外に出ると目の前に、勃然とした表情の希美が立っていた。

「またこんな所に居たの?」

 希美は、そう言いながら少しずつ歩み寄ってきた。

「こんな所とは酷いな。静かで結構気にってるのに」

「静かだから気にっているの?」

「ああ」

「そっか……」

 希美は悲しそうな表情で俯いた。次の瞬間、頬に強い衝撃が走った。いきなりの出来事に尻もちを着いた。

「嘘だよ!拓斗は世界が融合する前は、すごく明るくて、みんなの中心だったじゃん!なのに何で今はみんなの元に居てあげないの!?」

 希美はそのまま崩れ落ち、泣いてしまった。

 確かに以前の僕は、学校のクラスの中心で、誰からも慕われてた。でも、だからと言って皆の元に帰って過ごしても、裏世界から来たもう一人の僕、フロイスを受け入れてくれるだろうか?答えはNOだ。

 今現在、表の住人と裏の住人は、敵関係にある。お互いの世界の融合の所為で、自分の家族や友達を失ってしまっているからだ。それが相手側の所為だと勘違いしている。

 原因を突き止めない限り、皆は耳を傾けてはくれないだろう。だから……

「希美」

「……何?」

「今日も一旦帰れ、俺たちも出かける所があるから」

「……また来るから」

 希美はそう言うと、立ち上がりその場から立ち去っていった。

「フロイス」

「何?」

「直ぐに荷物纏めろ」

「食料でも取りに行くの?」

「いや、家を探しに行くんだよ。もう此処じゃ、希美にバレバレだからな」




 僕達の新しい隠れ家を探して、かれこれ七時間位経っただろうか。一向に見つかる気配がない。

「それにしても、いつ見ても異様な光景だよね。」

 フロストが話題を持ち掛けて来た。

「そうだな。壊れ掛けの建造物に巨大な木のツルが巻き付いてるんだもんな」

「俺から見たら、その建造物が凄く異様だけどね」

 僕達が隠れ家にしていた場所のエリアは、辺りは崩れ落ちた建物の瓦礫で埋め尽くされているが、僕達が今辿り着いた場所は、辺り一面草や花が咲いているウィザードエリアいう所だ。

 噂ではこのエリアに、生き残った裏世界の住人であるエルフ達が、暮らして居ると言われている。

「とりあえずもうそろそろ日が暮れるから、其処ら辺で野宿しよう」

「了解」

 僕達は野宿できそうな場所を探しにまた歩み始めた。

 






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