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転生したらチートになった親友と俺  作者: 日風翔夏
第2章 迷宮都市編
29/33

ダンジョン探検③

ふはははは!

ありきたりにステータス書き始めてみたがすぐになくなるぜ!

そんなこと思いながら書いてるこの頃です(`・ω・´)

<Side of Zoe>

『んー、そろそろ休憩かなー』

……。

勝己、念話のスキルとってからというもの、俺に心の内がダダ漏れです。まあ、休憩は納得なんだが。

休憩中にでも教えてやろう。

俺たちはもうすぐ2階に到達する、というところに居る。

くまなく探索しているためかなり時間をかけている。俺のデータベースにこのダンジョンのことを記録していく。アテナとアレスのデータベースはもはやとんでもなく巨大なものになっているが、俺はこの一冊から始めます。

細かく記録していけば二重鑑定でいろいろ調べられるし。

俺は、戦神としての力を極限まで抑えているだけなので、戦神として持っていたスキルは“解放”される。こんなスキル持ってたのかーとかそんな感じだ。

暗視も持ってたらしくて暗さに目を慣らしたと思ったらいきなり『【視界強化】から外套のスキルのみ解凍します。【暗視Lv10】が解放されました』ってなったから。

俺の目を遮るものは何もない。

『【気配感知Lv9】は【気配感知Lv10】になりました』

これは上位互換はないのかな。いや、おかしいな、いきなり解放されなかったことを考えると、これを持ってなかったってことか?

戦神は持ってると思った方がいいだろうに……。

もしかしたら、アレか。別のスキルも持ってないと解放されない的な奴か。

とすると、なんだろう。

ま、いいや。

勝己たちが休憩をとることにしたちょっと開けたところで俺たちは買っておいた弁当を開いた。サンドイッチなのだけれども。うまうまです。

休息中に全員のスキル確認をしてみる。

「えっと、俺は【鑑定Lv7】【暗視Lv6】【気配感知Lv8】【隠密Lv3】【剣の才Lv3】【魔力感知Lv2】【念話Lv5】だな」

「私は【鑑定Lv4】【暗視Lv6】【気配感知Lv8】【隠密Lv3】【弓の才Lv2】【念話Lv3】よ」

「俺は【鑑定Lv4】【暗視Lv6】【気配感知Lv7】【隠密Lv3】【剣の才Lv2】【念話Lv3】だ」

「ちょっと差が出てきたなー」

俺が言えば勝己と鉄郎が俺のも言えと言い出した。

「俺たちだけかよ」

「そうだそうだ、ゾエも言え」

「絶対ふざけんなって言うぞー」

そう言ってやって、絶対怒んなよってまで言ってから俺のスキルを伝えた。

「【鑑定Lv10】【暗視Lv10】【気配感知Lv10】【隠密Lv10】【剣の才Lv10】【念話Lv10】【魔力感知Lv10】【初級魔術Lv2】」

「何かいろいろ知らないスキルが存在するんですが?」

「つーか初級魔術以外カンストかよ!!」

「怒らないって言ったじゃーん!!」

鑑定で調べたところ、どうやらこの世界には魔法と魔術が存在するらしい。どっかの正義の味方を目指す少年の世界の過去バージョン的なのかね。

「ネフライトは魔法と魔術について何か知ってるか?」

「え、調べられなかったんですか?」

「ヘカテのデータベースにアクセスしないといけないみたいだ。俺ヘカテに面識ないから無理」

ハデスんとこ行ったときにヘカテにも会ってくればよかった。ギリシアで魔術と言ったら彼女だろう。え、メディア?それは英雄系であって神ではないのだ。

「本来戦神は強化魔法を使用するんですが……確か、強化魔法は中級だった気がします」

「ということは、そこまで頑張って俺はスキルレベルを上げなきゃならんということだな」

「おそらく」

困ったときのネフライトさまさまだ。

ま、いいんだけどさ。

スキルなんてゆっくり上げてきゃいいじゃん?

「てゆうか魔術使いたい」

「俺たちはどうなるんだろうな」

「戦神が使うってことは、ガンガン前に出てアレスに報告重ねてるうちにアレスがくれるんじゃね」

「ありそうだな」

「これスキルポイントとか無いんかね」

「あー、新しくスキルとるためのポイントみたいな?」

そんなことを話しながら休憩をとっていたら、念話が来た。しかもハデス。こっちに来ているらしい。

『やあ』

「ハデス。そんなに時間たってないけど、久しぶり」

『ああ、久しぶり』

漆黒の髪、同じく黒い瞳。綺麗なものだ。

姿を現しているので念話の必要はないだろうが、と思っていたら、近付いてくる気配を察知した。

「彼が、ハデス……」

「綺麗な人だな」

レイナさんと鉄郎は思い思いの感想を述べていた。勝己はなぜかハデスを拝んでいた。

「それで、どうしたんだ?」

『いや、丁度スキルポイントの話をしていたのでな』

「「「「あ、あるんだ」」」」

ハデスは静かに頷いた。どうせなので俺たちと一緒に腰を下ろして。

『念話にしてくれ、これはあまり他人が聞いていいものでもない』

『『『『はーい』』』』

休憩している風に見せるためにお茶を出してみた。実際休憩中だったんですけどね。

『まず、スキルポイント。これは、単純なレベルアップ――つまり、その肉体のレベルが上がれば手に入る。スキルポイントを使わなくても、アイテムの使用や時間の積み重ねで取れるスキルも多いがな』

『俺たちにもあるんですか?』

『あるとも。自分のステータスを鑑定で見ることが出来るようになったら確認してみるといい』

『はーい』

ハデスも神様だから、おそらくほとんど関わらないために直接的なことを聞いても答えちゃくれないはずだ。というか、その辺の情報の開拓まで含めて異世界生活だろ。

『ゾーエーには、有って無いようなものだ』

『解せぬ』

『神はスキルをすべて生まれ持ってしまう。そう、私やゼウス、ポセイドンの様に後々何かしら劇的な変化を伴って神格が固定され直さない限り』

ふむ。ゼウスが雷帝になったのはキュクロプスたちに雷霆を作ってもらった後だろうし、天空神、海神、冥王が決まったのはティタノマキアの後。そう考えると、その辺のスキルは後々生えてきたものを鍛え上げたってことなのだろう。

『つかぬことを聞くんだが』

『なんだい』

『アレスとアテナのスキルはどうなったんだ?』

結局そこに戻って来ちゃうんですよね、馬鹿な俺。チクショウ、気になるっての。

『ああ、あの2人は元々似てはいたが、幾つかスキルを移したり生やしたりしているよ』

やっぱスキルは生えるものなのか。そうなのか。

『アテナは元々【成功者】という称号を持っていた。これについてくるマイナスのスキルが【慢心】だった。これを見てアレスは危機感を持ったようだったな』

称号とかあるのか。

『称号は皆も努力していけば取れる。ちなみに、称号を作っているのは神々だ。どこの神々に貰ったかで種類が変わって色々溜まってしまうから、整理することをお勧めしよう』

親切ハデス様。

俺は鑑定レベルがマックスなのをいいことに自分を鑑定してみる。


『ゾーエー・クスィフォス Lv3 戦神


(戦闘ステータス詳細の閲覧はできません)


 <スキル>【鑑定Lv10】【暗視Lv10】【気配感知Lv10】【隠密Lv10】【剣の才Lv10】【念話Lv10】【魔力感知Lv10】【初級魔術Lv2】(解放されているのはここまでです)


 <称号>『戦神』『転生者』『オリンポスに召し上げられし者』


 <加護>『オリンポス』』


ふーむ、よくわからん。

『<加護>オリンポス:オリンポスの神々の仲間入りを果たした神に贈られる加護。効果:他地域の多神教の神々と敵対しにくい』

神としては最高の加護じゃねーか。

生き残り戦略掛かってるぞこれ。

つか俺のステ見れないのね。残念。いや、そもそもそんなことできるのはアルゴス王ディオメデスぐらいなものだろうが。

『ゾーエーは生まれて間もないから、これからゆっくり解放していけばいい。最初から全部に振り回されてたアレスが特にお前に強く重圧をかけてるからね』

『例えばどんな?』

『そうだな、アレスが一番困っていたのは、【狂化】だね。【恐慌】と【敗走】と【勝利】の行方はゾーエーも知っての通りだよ』

恐慌と敗走はそれぞれデイモスとフォボスが全部持って行った。勝利はニケに押し付けた、か。なるほどな。

『ゾーエーの先日の戦いで分かっているスキルで一番厄介なのは【精神攻撃】系統だ。【恐怖】【狂気】【興奮】【絶望】【コトノハ】――アレスを上回る強烈さだ』

コトノハってそれ俺が口悪いって言ってる?

『わーえげつない』

『戦神怖え……』

仲間にまで引かれちゃったじゃんか。

『まあ今のは強烈なものばかり言ったからな。だが戦闘を有利に進められるという点ではこれから必要になるだろう』

ハデスはそう言って、立ち上がった。もう行ってしまうらしい。ちょっとお茶飲んだだけだったな。

『くれぐれも、クトゥルフ系の称号だけはとってくれるな。我々の手を離れてしまう』

『そうなったら俺とゾエがそこを全滅させるさ』

勝己が間髪入れずに答えた。おお、分かっているではないか。

『え、勝己君とゾエ君敵に回るの?』

『アレスとアテナの元の業務はそっち系みたいだからな。クトゥルフ系のファミリアなら別に問題はねーよ。他の神々のファミリアに手を出すからクトゥルフ系は嫌われてんのさ。鉄郎がニャルラトテップに間接的にでも弄ばれたのと同じでな』

破滅に導こうとするのは嫌われる、とハデスが言った。

『クトゥルフ系の称号って、どう見分ければいいんだろう……?』

『ゾーエーに渡した本がある。それが勝手に判断してくれる。ゾーエーのアクセサリもそれに準拠するが、そちらは世界を揺るがしかねんチートを持って転生している者に対して反応するだけのものだ』

ハデスがそう言って俺の手首に収まっているブレスレットを見た。わかってますとも。

そしてハデスは去って行った。

ものはついでなので、俺は勝己を鑑定してみた。


『無悪勝己 Lv3 ヒューマン アレスファミリア


 物理攻撃 5623

 物理防御 MAX

 速度   35

 魔術攻撃 402

 魔術防御 MAX


 <スキル>【鑑定Lv7】【暗視Lv6】【気配感知Lv8】【隠密Lv3】【剣の才Lv3】【魔力感知Lv2】【念話Lv5】


 <称号>『アレスファミリア』『神々の寵児』


 <加護>『絶対防御:アテナ』『神器無効:アテナ』『攻撃無効化無効:アレス』『虚偽看破:ヘルメス』『土の加護:デメテル』『水の加護:ポセイドン』『拠点回復:ヘスティア』『矢除けの加護:アポロン』『必中:アルテミス』『人選の才:アフロディテ』『武具の手入れ:ヘファイストス』『回復力底上げ:アスクレピオス』『加護永続:ゼウス』』


最強か。

レベル3で攻撃力4桁ってどんなチートだ。しかも5000越えだ。ふざけんな。

そしてアテナがいい仕事してるわ。

ん?

神器無効?

――なんだただの最強か。

神器無効って。エレンが役立たずになるわ。何だこの防御ガチガチのやつ。

そしてそのまま速度が遅い。笑ってやろう。

いやいやいや、絶対防御とか言ってるが勝己は結構吹っ飛ぶタイプだろう。ということは、スキルによっては吹っ飛ばなくなったりしないかな?そうなればこれ以上ない最高の盾役になる。

そんなことを考えつつ片付けをして、再出発することにした。


しばらくダンジョンを進んで分かったことがある。

ダンジョン内に集落がある。モンスターの。

ゴブリンの集落に行き当たった時は驚いたが、ロックドレイクが寝ているような階層だ。安全だからここに作ってるんだろうな、と思って俺たちはその通路を引き返した。

『あれはないわー』

『すごい数だったねー』

『隠密使う方を優先しながら鑑定したらバレないってヤバいな』

奇襲するためのスキルですかこいつらは。

気配感知があるんだから気配を消すのもできるんだろうなと思っていたけれども、もうちょっと修練がいるらしい。俺の身体がムズムズするから分かったことだけれども。

どうやら、その上があっても上限開放許可をアレスがくれないとスキル解放がされないらしい。

逆に、その不自然さをムズムズとして俺に伝えてくれるようだ。

で、編み出したのがさっきのやつ。

新しいスキルになっちまいそうですがな。

『わかってんじゃねーか』

アレス。

『今お前に合わせて新しいスキル作ってやってるとこだからちょい待ち』

はーい。

それにしても、ゴブリン数百は居たぞ。何あれ、もはや村じゃない、ゴブリンの街だ。ゴブ街だ。

『できたぞー』

わーい。

『【忍者Lv1】が解放されました。【隠密Lv10】【鑑定Lv10 】を【忍者Lv1】に統合します。【忍者Lv1】が【忍者Lv3】になりました』

忍者かい。まあいいけど。成功率下がったりしてないよね?

『大丈夫』

わーい。ありがとう、アレス。

『……』

ぶつん、と音がした。急に切りやがって。照れ隠しですかね。

ま、いいや。

俺たちは下層を目指してゆっくりスキルレベル上げに勤しむのだった。






<No Side>

アレスの拠点にて、そこには他の神々が一堂に会していた。アレスたちの様子を皆が勝手に見ていたいというのもあったのだろうが、アレスの性格に変化が現れ始めたことをアテナがはっきりと気付いたためである。

「アレスってどんな性格してたのかな?」

「とにかく無口だった。口調は堅さがあるが概ね悪いな。そして優しかったよ」

アテナがアポロンの言葉に答えると、ゼウスが俯いた。ヘラだけはオリンポスに残っている。早いとこヘラに会いに行かねばならない、もうすぐヘラは一旦実家に戻るから。というかこれからが本番である。彼女とは冬の間、会えない。

アレスの顔はそれこそ優男タイプだが、無表情でいるとそれはそれで人形のようで恐ろしいのも事実だ。

「アテナにとっては優しく感じられる、ってこと?」

「いや、実際優しいよ。物言いはアレだがな」

「アレスが優しくないことなんてあったの?」

アフロディテに言われてしまえば皆俯くしかなかった。

「やめろ、アフロディテ」

アレスが口を開いた。そこにもう笑みはない。無表情だ。

「あら、アレス、そんな顔怖いわ」

「デフォルトだろうが。今までの俺がおかしかったと思え」

「性格的にはほとんど変わってないのにね。卑屈になってたくらいかしら?」

「くだらん。俺は俺の務めを果たす。戦が楽しめれば最高だ」

淡々とアフロディテとアレスは言葉を交わす。戦を楽しむ。そう言った。戦争好きは昔から変わらないと叫んだアレスの表情が目に焼き付いていて、離れない。

ヘルメスは小さく息を吐いた。

やっぱり、昔見たことのある彼はこの彼だ。

そんなことを思った。

ヘルメスはかつて、アポロンの音楽を聴いているアレスを見たことがある。その時、アレスは無表情だった。曲が終わると小さく礼を言って立ち去ってしまったのだったか。

よく似ている。

それはおそらくアレスが一番荒れていた、泣き寝入りしてしまう前の段階の話だろう。

「アレス兄上、アレス兄上はアレス兄上のままでいてくださいね」

「……?」

ヘルメスの言葉にアレスがヘルメスを見やった。

ゼウスとポセイドンはアレスの変化の完了に胸を撫で下ろし、オリンポスと、海の神殿に帰る支度を始めた。アレスがその直後、何かするために立ち上がった。

これがゼウスとポセイドンへのさりげない手伝いだったりしたのだが、それに2人は気付かなかったので、それを見ていて子供たちと姉たちは小さく息を吐いた。

「これじゃいつまたアレスが暴発するかわかったものじゃないわね」

「こればっかりはどうしようもないわ。アレスってばホントにいい子」

デメテルとヘスティアのそんな会話は、アレスの地獄耳には聞こえていたのだが。


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