‘双極性障害’
オレは過去に戻りたいと想っている
オレには何もないが…
大事な家族がいる
優しく健気な嫁、可愛い子ども達
息子はもうすぐ小学生だ
娘はまだ生まれたばかりだ
その大事な家族さえ失いかけている。
オレは3ヶ月前に退職をした。
人間関係に限界を感じたからだ…
やる気も起きなくなり憂鬱な日々
そんなオレの顔を見た嫁が、
オレを心療内科へ連れて行った。
オレは病院が嫌いだ
ましてや心療内科なんて…
そして、結果‘うつ病’だと診断された。
オレは信じなかった
暗いときもあるが明るいときもある
オレは自分でも調べてみた
そしたらオレに当てはまる病名を見つけた。
それは、 ‘双極性障害’ だ。
双極性障害は‘うつ病’ではないらしい
明るい時もあるが暗いときもある
波があるらしい。
社会的立場や家庭や財産を失うらしい
確かに…
オレにはもう家族しかいない。
自殺も考えたが出来なかった
嫁は買い物へ、
息子は保育園へ行っているときだ。
自宅にはオレと娘だけだ
0歳の娘が泣いているそばで、
首吊りを計った…
だが、
薄れていく意識、視界の中に、
生まれたばかりの娘を見つける
オレは死をとどまってしまった
泣いている娘を抱きかかえ
何度も謝った
ごめんな…ごめんな…ごめんな…
オレはこんな自分が嫌だ
こんなオレにこの大事な家族を守れるのか?
自信がない…
自信がないから嫁に離婚を求めた事もあった
だが嫁は別れてはくれなかった。
オレはもう嫌だよ
大事な家族をもうこれ以上困らせたくない
嫁と出会わなければ良かったんだ
オレはそう考えて、
【過去に戻る】方法を探した
だがそんな非現実的なものあるはずがない
ここまでくるとオレは本当に病気なんだ、
と、心から思う。
オレはどうしたらいい
たが、そんな時に見つけたんだ。
【過去に戻る】方法を…。